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【vol.5 岩手で農業を始めませんか?】東京からUターン 長ネギ栽培で農業経営を目指す

【vol.5 岩手で農業を始めませんか?】東京からUターン 長ネギ栽培で農業経営を目指す

岩手県の県南地域に位置する金ケ崎町は、米を基幹に野菜や畜産などを組み合わせた多様な農業生産を展開。意欲と能力のある担い手を確保・育成するための支援や、就農サポート体制が充実しています。
今回紹介する「obarafarm」の小原堅太さんは、水稲・花き農家の実家を継ぐ決意をして首都圏からUターンしました。2017年に就農し、新たに長ネギ栽培をスタート。5年目には栽培面積や生産量が地域でもトップクラスの生産者として成果を上げています。将来を期待される若手農業者として注目される小原さんに、就農の経緯や農業経営、就農者への支援内容などについてお聞きしました。

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取材協力いただいた長ネギ農家/小原 堅太さん

小原 堅太さん

【プロフィール】
■年齢:32歳
■就農年数:6年目(2017年就農)
■出身地:岩手県金ケ崎町
■地域:岩手県南地域・金ケ崎町
■規模:長ネギ 2ha(就農時は10a)
■活用資金・事業:農業次世代人材投資事業(国)、地域経営資源継承支援事業(岩手県農業公社)
※両事業とも現在は終了
■営農形態:本人、父、母、パート 約15 人(8~11月)
■暮らし:実家で祖母、両親と兄・本人の5人
※2022年11月現在

生産している品種は太さが自慢の「夏扇パワー」

自営業=農業をやる決意で東京からUターン

―岩手県で就農したきっかけは?
学生時代、農業への関心は全くありませんでした。工業高校卒業後は、金ケ崎町内の自動車関連会社で4年間働きました。高校の先生に勧められるままに製造業に就職しましたが、音楽の夢を諦め切れずに上京。東京では居酒屋でアルバイトをしながら音楽活動をしていました。アルバイトから正社員となり1つの店を任されたことで、経営の面白さを知りました。
親から「農業を継がないか」と連絡がきたのが、居酒屋で利益を出し始めた2年目の頃。1年ぐらい考えましたが、自営業をやってみたいという気持ちが強くなり、農業も自営業のひとつと考えて実家に帰る決意をしました。

就農時に機械購入、支援制度で軌道に乗る

―就農に向けた準備は?
小原家は曽祖父の代に開拓でこの地に入りました。祖父、父が徐々に田畑を増やし、現在は約12haの農地があります。Uターン後は、水稲や小菊生産など両親の手伝いをしていました。一方で、自分でも農業経営をしたかったので、農業改良普及センターなどに相談し、長ネギを栽培しようと決めました。

農業次世代人材投資事業を活用して、長ネギを畑から掘り出す収穫機や外皮をむく機械など必要な機械類を導入しました。当初から、機械化した栽培を目指していたので、給付金がなかったらここまで規模を大きくできなかったので大変助かりました。さらに、他の農家から中古の農機具や機械などを譲り受ける時に、購入金額の3分の2を助成してもらえる制度(地域経営資源継承支援事業)を活用して、農薬を散布する機械などを購入しました。実家は農家ですが、新たに始めた長ネギ栽培の機械は全く持っていなかったので、支援制度のおかげで軌道に乗りました。

岩手県金ケ崎町にある小原さんの長ネギ畑

試行錯誤で長ネギ栽培技術を身に付ける

―栽培作物、技術の習得は?
安定した価格の作物として長ネギを選びました。「夏扇パワー」という品種を育てています。太くなりやすく病気に強い品種で、白い部分が30センチになれば収穫できます。
技術習得のために近隣の長ネギ農家に見学に行きました。また、インターネット情報から自分が良いと思った栽培方法を取り入れました。1年目は家の前の畑10aほどから始めましたが、機械がなかったので全て手作業。収量も少なく細いネギで、JAに出荷しても返品されました。翌年は良いものを育てようと、種まきから基本的なことを心掛け、ある程度出荷できる長ネギに育ちました。

長ネギ栽培は1月にハウスで播種、育苗し、5月から定植します。田植え機を独自に改造した定植機を造り、畝のくぼんでいる列に定植。土寄せはトラクターでします。虫や病気に負けないよう防除のために農薬を散布するのですが、回数や頻度などを本やインターネットで勉強しました。農業改良普及センターやJAの指導も参考にしながら、虫や病気の発生に応じた防除を心掛けています。

畑から長ネギを掘り出す機械を運転して収穫

土づくり、機械化とパート雇用で規模拡大

―農業経営の特徴・こだわりは?

定植前の畑に、もみ殻と鶏糞を入れて肥料が少しずつ長く効くようにしています。有機肥料を入れることで土が良くなり、病気を防げて生育が良く、長ネギが太くなる効果があると思います。
労働力を確保するため、毎年ハローワークなどで募集してパート雇用をしています。パートは15人ぐらいでシフトを組み、毎日約10人が作業できる体制です。栽培は収穫までほとんど機械化できましたが、出荷前の調製作業は全自動にできません。流れ作業で皮むきから箱詰めまでパートさんたちにやってもらい、1日に約100箱を市場などに出荷します。皮をむいてすぐに出荷するので、新鮮でシャキシャキの食感。パートさんたちがいなければ、毎日この量を出荷できません。頼りになる皆さんといつも楽しく作業できるので、本当にありがたい存在です。

近隣から雇用するパートさんたちと調製・箱詰め作業

農園名と生産物をブランド化する工夫

―農業の面白さ、やりがいは?

2年ほど前に農園名を「obarafarm」と名付けました。それまでは小原農園でしたが検索するとたくさん出てくるので、ホームページを新たに作る時、検索で一番上に出るようにしました。JAや市場に出荷していますが、自分でも売りたいと思いホームページを開設しました。本を3~4冊買ってきて独学でホームページを作り、イベントで配布するチラシも手作りです。自分で「しら雪」というブランド名も付けました。「obarafarm」が出荷する長ネギは、皮をむいたネギの白さから雪を連想させるからです。今後、飲食店やスーパーなどとの直接取引も目指しています。

収穫・調製・箱詰め後は市場へ出荷

故郷で毎日、長ネギのことを考える

―就農前と今、暮らしは変わりましたか?

農業は作物を作るだけでなく、いろいろなことをやらなければいけない業種です。だからこそ、自分でやろうと思えば人に頼まず何でもできることが魅力だと思います。
冬場は趣味のギターを弾いたり、絵を描いたりできますし、来年のことを考える時間でもあります。家族とのんびりテレビを見ていても、農業に役立つことがあるかもしれないと常にアンテナを張っています。
Uターンしてみて、変わらない地元の風景の中、自然豊かな環境で農業をすることが自分に合っていると感じ、戻ってきて良かったと思っています。パートさんたちと毎日一緒に頑張って夕方、その日に出荷する箱数をカレンダーに記入する時、「今日もこんなに頑張ったんだね」と、やりがいを感じています。

冬の農閑期には趣味で気分転換

農業で利益を出して魅力を感じてもらいたい

―今後の目標や挑戦したいことは?

農業経営の成功モデルになりたいと思います。利益の出るやり方を見つけて、これから農業を目指す人に教えていき、もっと農業に魅力を感じてもらえるようになればと考えています。
また、経営を発展させ、パートの通年雇用に向けて加工品も開発できればと考え、長ネギキムチを試しに自分で漬けてみました。長ネギをそのまま漬けたせいか、ネギの辛さが出てしまいましたが再度、試作してみて将来、商品化も考えていきたいと思っています。

ホームページやチラシを自分で作り長ネギをPR

農業という自営業にぜひ挑戦を!

―就農希望者へメッセージ
農業は続けることが大事です。最初は機械などに投資しているのでなかなか利益が出ないのですが、続けて頑張ることが利益とやりがいにつながります。利益を出しにくい業種だからこそ、そこで結果を出していくと、仕事が楽しくなります。自分は農業をするために岩手に戻ってきたので、農業以外は考えていません。農業経営できちんと利益を出したい人や、自営業を始めたいと思っている人は、ぜひ農業という仕事に挑戦してほしいと思います。

農業経営を軌道に乗せる小原さん

金ケ崎町で農業を始めたいと思ったら

■新規就農の相談窓口
農業体験から就農準備、就農後のサポートまで細やかに対応しています。
岩手県や市町、JA 等の関係機関が連携して就農・農業経営をサポートします。

■就農に関するお問い合わせ
胆江地方農林業振興協議会 担い手育成支援班事務局
(奥州農業改良普及センター 地域指導課)
〒023-1111 岩手県奥州市江刺大通り7-13
電話番号:0197-35-6741 FAX番号:0197-35-6303

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