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9府省連携で中山間地域の“農”への取り組みを支援 登録申請スタート

9府省連携で中山間地域の“農”への取り組みを支援 登録申請スタート

中山間地域は“農”の課題が多々あります。傾斜があって大規模化が難しかったり、物流の効率性が上がりにくかったり。一方で、農業産出額と耕地面積が、それぞれ全国の約4割を占める重要な地域でもあります。しかも日本は国土の約7割が中山間地域。特に人口減少や高齢化も進んでいることもあり、有効活用や積極的な支援は非常に重要といえるでしょう。そこで国としても、中山間地域を応援していこうと、スタートしたのが「デジ活」中山間地域への支援です。

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デジタル田園都市国家構想に位置付けられた「デジ活」中山間地域

2023年1月23日、施政方針演説にて「デジタル田園都市国家構想」が語られました。この構想は、デジタルの力で地域の社会課題を解決していくという一つの方針であり、その中に「デジ活」中山間地域は位置付けられています。
「デジ活」中山間地域とは、農林水産業を軸に「地域資源やデジタル技術を『活』用して地域の『活』性化を目指す!」地域のこと。国は、この地域で意欲的な取り組みをする農村型地域運営組織(農村RMO)などを、9府省の連携によってサポートします。

「デジ活」中山間地域の関係府省
内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、経済産業省、環境省

「デジ活」中山間地域へのサポート内容とは

具体的には、中山間地域での「デジ活」とは次のようなものを指します。

農林水産業のケース


農林水産業のケース
・省力化のためのスマート農林水産業の導入
・農地の環境維持の負担軽減のための自動草刈り機導入
・ICTを活用したスマート鳥獣対策

こうした取り組みを行う地域に対して、関係府省の連携チームがさまざまな支援をします。中山間地域は、広大な平地で農業を営むというより、条件の異なる小さな農地が点在し、それぞれを管理していることが多く、課題もさまざまです。大きな機械や仕組みを一つ入れただけでは解決できない悩みも多いでしょう。
そうしたシーンにも、府省連携による支援は役立つと考えられます。

「デジ活」中山間地域への支援内容は多岐にわたり、例えば環境省からは指定管理鳥獣捕獲等事業交付金、厚生労働省からは生活支援コーディネーターの派遣、国土交通省からはドローンを活用した荷物等配送、総務省からはデジタル人材派遣のための地域情報化アドバイザー制度など、農業と密接に関連した生活面での課題にも取り組みます。ドローンによる配送や、ICTを活用した高齢者の買物支援や見守り、医療・教育の充実なども中山間地域に期待される取り組みでしょう。

登録申請がスタート

「デジ活」中山間地域の登録は、「元気な地域創出モデル支援」(農林水産省担当事業)「農村RMO形成支援」(農林水産省担当事業)など全6事業の申請に合わせて、登録申請を行う仕組みです。国は、このプロジェクトにより中山間が注目され、「スマート農業」についても「中山間におけるスマート農業」が活性化することが期待できると考えています。
申請計画には、農業だけでなく、「野菜を届けるための物流のためにデジタル技術を取り入れたい」といった地域資源を活用したり、生活支援に関するものも対象となります。
つまり、これらの事業に申請する“ついでに”登録申請できるため、比較的手間の少ないことが特徴です。
今年の春頃には、最初に登録される「デジ活」中山間地域が公表される予定です。「デジ活」中山間地域について、詳しくは農林水産省のホームページから確認できます。
これにより、今後ますますスマート農業の分野が活性していくことが期待されます。

「デジ活」中山間地域について(農林水産省)

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