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農業法人のM&Aは盛んなのか

農業法人のM&Aは盛んなのか

農業業界には多くの課題があります。よく知られているのは、「後継者問題」「農業従事者の高齢化と人口減少」「海外の安価な農作物の輸入による国内食料自給率の低下」などです。衰退産業とネガティブに見られることもある農業ビジネスですが、効率的かつ安定的に農作物を生産できる「スマート農業」など、さまざまな課題を解決するための取り組みも進んでいます。本稿では、農業業界の分類や、農業法人のM&Aについて解説します。

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多様な事業・働き方がある農業業界

「農業」というと、作物の栽培や販売のイメージが強いかもしれません。しかし、農業には酪農や畜産、トラクターなどの農機の販売やメンテナンス、穀物の種子や肥料の生産販売、流通などの関連事業も農業業界に含まれます。農業業界は、実は多様な業界なのです。

例えば、以下のような事業が農業に含まれます。

耕種農業:野菜や果物、穀物などを栽培する事業

稲作、畑作、露地野菜、施設野菜、果樹、花きの栽培など。
きのこ類、菜種・生茶・葉タバコなどの工芸農作物、飼肥料用作物の栽培なども耕種農業に含まれる。

畜産農業:酪農や牛や豚、鶏、馬、イノシシ、めん羊、鴨などの家畜・家禽(かきん)の飼育、肥育、ふ卵を行う事業

酪農、肉牛生産(繁殖、肥育)、養豚(種豚、繁殖豚、肥育豚)、養鶏(採卵鶏、食用肉)など。
養蚕、養蜂、毛皮獣、実験用動物の飼育なども畜産農業に含まれる。

耕種農業と畜産農業のほかに、最近では「アグリビジネス」と呼ばれる農業業界の事業領域にも注目が集まっています。アグリビジネスは、「アグリカルチャー」と「ビジネス」を掛け合わせた造語です。

アグリビジネスには、トラクターや田植機、コンバインなどの農機や農業施設を扱う農業資材会社、種苗メーカーのほか、流通や販売などの関連ビジネス全般が含まれています。生産者をサポートするB2B(企業間取引)の仕事や、生産者と消費者の橋渡しとなる流通・販売が主な役割です。

このように、農業業界は多様な事業を含んでいます。また近年は「スマート農業」あるいは「農業テック」と呼ばれるテクノロジーを活用した農業や、「6次産業」と呼ばれる農業などの1次産業が食品加工・流通・販売にも展開している経営スタイルも注目されています。

多角的な視点から農業業界を見れば、シナジー(相乗)効果が期待できる事業領域もあるのではないでしょうか。

多農業法人のM&Aは盛んなのか

異業種から農業業界に参入しようと考えたとき、検討したいのがM&Aによる業界参入です。では、農業法人のM&Aは盛んなのでしょうか。

残念ながら、まだ農業法人のM&Aは他業種と比べて盛んとはいえません。しかし、農地法の改正やスマート農業化、6次産業化によって農業業界への参入を検討する企業、農業業界での起業を検討する起業家は増えているといえるでしょう。

農業法人の買収は、株式譲渡や事業譲渡といった通常のM&A手法を用いることができます。農業法人だからといって、特別な制約があるわけではありません。M&Aというと一般的には株式譲渡が連想されますが、農業業界では比較的、事業譲渡が多い現状があるとはいえるでしょう。

農業法人をM&Aする際に注意しなければならないのは、「農地所有適格法人」という要件を満たすことです。この要件を満たさない農業法人は、農地を所有することができません。事業に制限がついてしまいますので、要件については専門家に相談することをオススメします。


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