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ウマ娘、アイドルマスターなどで活躍。人気声優・Machico(まちこ)さんが農業に感じる課題と可能性

ウマ娘、アイドルマスターなどで活躍。人気声優・Machico(まちこ)さんが農業に感じる課題と可能性

SNS全盛のいま、農業を切り口にしたインフルエンサーや情報の発信役が増えている。『ウマ娘 プリティーダービー』トウカイテイオー役などで人気の声優・Machicoさんも、農業の魅力を世に届ける一人だ。「農業を知れば、食へのありがたみや価値がわかる」という思いのもと、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「農業声優Machicoの週末ノウカー」(AuDee)やYouTubeチャンネルなどで農業の魅力や可能性を発信し続ける理由、その背景にある農業への思いについて聞いた。

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声優と歌手の二刀流目指した学生時代

Machicoさんは、広島県呉市出身の31歳。医療事務の専門学校を卒業後、芸能事務所主催の声優オーディションへ出場したことをきっかけに、2012年から芸能活動を開始した。2013年にソーシャルゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』で伊吹翼役で声優デビュー。『キラキラ☆プリキュアアラモード』の岬あやね役、『ウマ娘 プリティーダービー』のトウカイテイオー役、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』草薙寧々役、『異世界のんびり農家』のセナ役などを演じる。テレビアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』や『プリキュア』シリーズで主題歌を担当するなど、声優・歌手として着実にキャリアを築いている。

画像提供:株式会社スタイルキューブ

―声優や歌手として、各方面から引っ張りだこのご活躍ですが、芸能界を目指された理由を教えてください。

Machicoさん:小さい女の子が「お姫様になりたい」、「お花屋さんになりたい」と憧れを持つことと同じように、物心ついた時からずっと歌手に憧れてきました。漠然と芸能活動に興味を持っていた中、高校生の頃に友人の誘いで声優の専門学校のオープンキャンパスに行ったことで、声優という職業にも強く魅せられたんです。アフレコ体験や声優さんの講演会などを通して、なんて繊細で職人的な仕事だろうと。当時は友人や兄の影響でアニメソングの魅力を知ったことに加えて、もともと歌手になりたいと思っていたこともあり、医療事務の専門学校在学中に声優アーティストを募集しているオーディションをいくつか受けてきました。そこでご縁があって、まずは2012年に歌手デビューしてお仕事をいただくようになったのが始まりですね。

―はじめは歌手として芸能活動が始まったのですね。

Machicoさん:そうなんです! それだけに、ファンの皆さんの間では歌の印象が強いようで、よく「Machicoちゃんの本業は歌手だもんね」というお声をいただくこともあります。ただ、個人的には歌手一本というよりも、声優業も含めて両方やりたいという気持ちが昔から強くあったので、今は声のお仕事の印象も、より持ってもらえるよう頑張っているところです。
声優業としては、アニメの出演作は他の方に比べたら少ない方ではありますが、その分アイドルマスターやウマ娘などの長期で関わらせていただいているコンテンツとのご縁があるので、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、時に技術を盗みながら、自分のペースで経験を積んでいるところです。

幼少期から身近だった農業を声優としての武器に

―声優・歌手として多忙なスケジュールをこなす傍ら、自身のYouTubeチャンネルやラジオ番組などで農業に関する発信もされていますね。もともと、農業とはどのような関わりがあったのでしょうか。

Machicoさん:母の実家が代々続く農家で、祖父母がお米やミカンなどを作っていました。祖父が他界し、5年前の広島豪雨で土砂災害に遭ったという事情もあり、現在はサトイモをメインに栽培しています。
私自身も物心ついた頃からよく農作業のお手伝いや土づくりをしていて、今も実家に帰省した際は農作業を手伝ったり、毎年何らかの形で農業に関わっていますね。むしろ、農業と関わりなく生きてきた時間の方が短いかもしれません(笑)
ちなみに、農業で一番好きな時間は、収穫されたサトイモの選別作業です。農作業ではクワの扱いは上手だと言われることが多いですね。

―こうした経験が、現在の活動につながっているのですね。農業を切り口にしたお仕事や情報発信を始めたきっかけはあったのでしょうか。

Machicoさん:今は声優業もマルチな時代になっていて、声やアーティストの仕事を続けていくにあたって、独自の特色や強みを持ちたかったと考え始めたのがきっかけでした。「○○といえばMachicoだ」というような。他の声優さんたちと比べて何が武器になるかを棚卸ししたときに、私の場合はそれが“農業”だったんです。
そこで、まずは自身のYouTubetチャンネルを立ち上げ、実家での農作業の様子を配信してみることに。アップした動画のコメント欄を見ていくと、「土汚れを気にせず、黙々と作業している姿が印象的だった」、「こうやって作物って作られるんですね。勉強になりました」などのコメントをいただき、楽しんでくれている人がいることを再認識しました。

その後、AuDeeのネットラジオ『農業声優Machicoの週末ノウカー』のパーソナリティを、お仕事として初めて任せていただきました。
冠番組を持ったことで、農業の分野でもどんどん認知が広がっていき、昨年は地元のJAグループ広島さんの広報担当にも起用いただいたほか、直近では農林水産省さんのYouTubeに出演させて頂くなど、いろんなご縁がつながって“農業声優”としての幅が広がってきました。

これからも、農業をエンタメとして皆さんに届けていき、少しでも農業に興味を持ってもらうきっかけ作りができればと思っています。

声優として、歌手として、農家の娘として目指すもの

―多忙な声優・歌手としてのお仕事に加え、農業にまつわるさまざまな活動をしているのですね。その原動力となっているものは何でしょうか。

Machicoさん:もともとは、「じいちゃんやばあちゃんに少しでもラクをしてもらいたい」という思いで手伝い始めた農業ですが、今は人とのつながりが大きな原動力になっています。動画やラジオなどを通して、農業の魅力が少しでも多くの人に伝わり、その人がまた別のところで農業の魅力や楽しさを誰かに届けるような輪が広がっていけばうれしいですね。
私はきっときっかけづくりしかできないですが、そんな小さな力が、みんなと一緒にやるからこそ大きな力に変わっていく様が楽しいから、やってこられているんだと思います。

―農業関係のお仕事をしてきて感じる、農業の課題と可能性は。

Machicoさん:農業は高齢化が進んでいますし、後継ぎ問題は深刻で、いろんな課題を抱えているとは思います。加えて、国産の農産物は高いという理由でなかなか手に取ってもらいにくいという現実もあると思います。
そうした中で、私の動画やラジオを通して「なるほど、安心安全な農産物を作るには、これだけ手間がかかるんだね」、「そうだよね、作物ってすぐにできるわけではないよね。時間がかかっているからこその価格なんだね」と気づいていただけるきっかけになればとも思っています。

私も含めてですが、安くて安全なものが当たり前になりすぎている側面もあると思います。消費者の皆さんに農産物の価値に気づいてもらい、背景を理解してもらえたら、農家さんの収入にもつながり、より魅力的な産業になってくると思っています。

“農業声優”として今後も活躍の幅を広げ、ゆくゆくはディズニーをはじめとした海外作品にも「たとえ何歳になったとしても挑戦したい」と力強く語ってくれたMachicoさん。声優に、歌手に、農業インフルエンサ―に大車輪の活躍の背景には、家族や地域と紡いできた農業の歴史があった。

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