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就農希望者が150超のブースで情報収集。セミナーでは人気俳優による講演も。新・農業人フェア2023「農業EXPO」をレポート

就農希望者が150超のブースで情報収集。セミナーでは人気俳優による講演も。新・農業人フェア2023「農業EXPO」をレポート

東京の池袋サンシャインシティにてこのほど、新・農業人フェア2023「農業EXPO」が開催されました。全国の自治体や就農支援団体などによる152のブースには「農業をやってみたい」「移住したい」など、積極的に情報収集をする来場者の姿が。会場の様子や、当日のセミナーの一部、参加者の生の声など、これから参加しようと考えている人や、農業に関心を持つ人にも参考になる、同イベントの様子をお届けします。

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農業EXPOに多数の来場者


農業について知る・働く・習う・学ぶをテーマにした総合的な就農相談会「農業EXPO」。日本全国の自治体や農業法人など各種団体が出展し、就農希望者が支援制度や研修制度、働き方、移住などについて直接相談できるイベントです(主催:株式会社農協観光)。

7月15日は、東京の池袋サンシャインシティにて開催され、各団体がブースを出展したほか、現役農家が新規就農術や移住のポイントなどを解説するセミナーも実施しました。多くの来場者が積極的に情報収集を行っていました。

ブースや相談コーナーで情報収集

来場者は関心のある地域のブースで新規就農や移住について相談していました。ブース出展者に話を聞くと、来場者の年齢は幅広く、中でも40歳前後の方が多いと回答しました。

各地域によって、相談内容もさまざま。関東近郊の就農支援センターのブースでは、テレワークの普及もあり「半農半X」の相談が多いと言います。一方で、北海道の農業法人や九州の就農支援センターでは移住と就農を併せて相談する人が多いそう。来場者の希望に寄り添いながら、丁寧に支援制度や研修制度を説明する様子が見られました。

専門的で幅広い知識が得られるセミナー

当日は、ベテラン農家や、新規就農と移住を経験した農家が、新規就農のポイントや農業の将来性などを解説するセミナーが開かれました。

実体験がリアルに語られた「たけもと農場」

コメの生産・販売を行う有限会社たけもと農場の竹本彰吾(たけもと・しょうご)さんは、自身の経験をもとに今後の農業の可能性について語りました。主に家族で会社を経営する竹本さんですが、農作業にとどまらず、井関農機や鳥取大学らとの可変施肥田植機開発に参加したり、農業のリアルを語るPodcast(ポッドキャスト)を配信したりと幅広く活動しています。

竹本さんは、消費者数の減少や農業就業人口の減少、資材の高騰といった農業が抱える課題をふまえ、今後は生産だけでなく販売方法も組み合わせて考えなければならないこと、またチャンスとなるのは事業継承であることを語りました。

「現在は、JAのほかにも産直ECや農業体験など、さまざまな販売方法があります。私も自分たちでオンラインストアをつくったり、産直ECサイトをいくつか利用して商品を販売したりしています。自分たちの生産の強みを組み合わせて、販路をどう設定するかがポイントになるでしょう。また、農業界の課題であると同時にチャンスとなるのが事業継承です。農地や設備、ノウハウを持っていても、働き手がいなければゼロにリセットされてしまいます。離農者と新規就農者をマッチングさせることができれば、新規就農者は初期投資が少なくて参入しやすくなりますし、離農者もこれまで培ってきた経験や農地を生かすことができます」(竹本さん)

このセミナーを聴講した兵庫県の30代男性は「新しい考え方を知り勉強になりました。まだまだできることがたくさんあるなと感じました」と、新たな学びがあったという感想が寄せられました。

新規就農で失敗しない方法とは? 「しげきよ農園」からのアドバイス

山口県でイチゴの生産・販売を行う、しげきよ農園の重清信夫(しげきよ・のぶお)さんは、新規就農者に向けて失敗しないための具体的な方法を語りました。重清さんによると、新規就農者のうち、約56.8%が「農業所得だけでは生計が立てられない」そうです。この課題を解決するには、まずは品質や生産量を安定させ「ものづくりを確立させること」が重要。そのためには優先順位をつけ、その中から選択し集中して行うことがポイントだと言います。

「まずは新規就農者向けの補助金や支援策を調べ、それを活用しましょう。参入しやすくなるのはもちろん、就農計画の検証にも役立ちます。また栽培する品目も、就農地域の特産物や推奨品目を作るのがおすすめ。周囲のサポートを得やすく、設備投資も抑えられることもあります。いきなり手を広げるのではなく、まずは品目を絞って安定生産できることを目指しましょう。販路も現在はさまざまな選択肢がありますが、いきなりゼロから開拓するのではなく、先輩の既存販路を活用しましょう。そこでスキルアップしてから自分のやりたいことに取り組んでみてください」(重清さん)

ほぼ満席となった重清さんのセミナー。聴講した神奈川県の40代女性は「私も果物の栽培に興味があります。ポイントを絞って教えてくださってわかりやすかったです。もっと聞きたいと思いました」と感想を話してくれました。

半芸半農、工藤阿須加さんの生の声

俳優業と農業の二刀流に取り組む工藤阿須加(くどう・あすか)さんは、自身の経験をもとに「半農半X」について語りました。工藤さんは2021年に山梨県で農業を始め、今年で3年目を迎えます。1年目は5アールで5種類の野菜を栽培していましたが、現在、農地は30アールに、栽培する種類も10種類に拡大。時期によっては約半月を山梨で過ごし、休みの日はもちろん、平日にも少しでも時間ができれば畑に行くと言います。

プロ野球選手だった父の影響で、もともと食への関心が強かったという工藤さん。応援してくれる人たちに協力してもらいながら試行錯誤を重ね、少しずつ農地を広げてきました。その経験から、大切なことは「一人でやろうとしないこと」だと語ります。

役者と農業を両立することは、双方の仕事に良い影響をもたらしているそうです。今後も「半農半芸」を貫き、将来的には起業や若手の育成にも携わりたいと抱負を語りました。

質疑応答の時間も設けられ、会場からは「山間部で10品目の野菜を栽培されていますが、それは経営的な判断か、リスクを分散させるためか、どちらでしょうか」という質問があがりました。工藤さんは「両方の側面があります」と回答しました。

「正直、広げたい気持ちはありますが、俳優業の仕事のスケジュールを考えると無理をすることになります。半農半芸を続けていくためには、無理をしないのも重要。自分が管理できる広さの中で売り上げを出すための計画を立てて、リスクヘッジをしています」(工藤さん)

活況を呈した農業EXPO

終始にぎわいを見せた今回の農業EXPO。イベント終了間際まで、積極的にブースに足を運び情報収集する来場者の様子が見られました。セミナー聴講中も、メモをとりながら熱心に耳を傾け、質疑応答の時間を利用して疑問を投げかけたり、セミナー後に質問しに行ったりする人もいました。

新・農業人フェアは今後も開催されます。次回の「農業EXPO」は9月30日(土)、池袋サンシャインシティで開催予定。

就農に関するさまざまな情報が得られる貴重な機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

こちらでもイベントレポート公開中

(取材・執筆:三坂輝プロダクション)

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