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ひと目でわかって簡単操作、新開発の3D化遠隔監視システムと圧倒的な環境制御盤で収量・品質アップへ。林福連携もがっちり!

ひと目でわかって簡単操作、新開発の3D化遠隔監視システムと圧倒的な環境制御盤で収量・品質アップへ。林福連携もがっちり!

地元のスーパーに並ぶと飛ぶように売れる菌床しいたけ。生産者は就労支援事業所に通う知的障がい者たちです。まごころファーム川越では、市場で通用するしいたけを周年栽培しようと環境統合制御システムを導入。農業用ハウスに一年中森の中と同じ環境を再現し、現場の職員のデータ分析によって秀品多収につながる制御を編み出しています。そのシステムがアップデートで3D化!サービス責任者に林福連携の取り組みとシステムへの期待を聞きました。

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林福連携で菌床しいたけ栽培事業、秀品の周年生産で障がい者の収入アップへ

「肉厚で弾力があっておいしい!」と評判のしいたけを生産しているのは、埼玉県川越市の多機能型福祉事業所まごころファーム川越です。
知的障がいのある利用者約20人と職員4人が従事し、農業用ハウス4棟で、しいたけ、ジャンボしいたけ、きくらげ、乾燥しいたけを生産。地元のスーパー、JA直売所などで販売し、飲食店にも卸しています。
なかでも、直径10cmほどのジャンボしいたけは、和洋中のシェフに注目され、人気レストランで地産地消されています。

スーパーでは販売面積がどんどん拡大しているそう。どれも味が濃く、リピート買いしたくなる

まごころファーム川越は、障がい者が地域で生活できるようにと、通年収益が得られる事業を検討し、JA関係者から紹介を受けた菌床しいたけ栽培に取り組むことに決めました。代表の倉本 智史くらもと さとしさんと職員数名が群馬県の菌床メーカーで研修を受け、施設に併設した倉庫で2019年12月に栽培を開始しました。

取材日も、まごころファーム川越の利用者の方がしいたけを収穫し、大きさごとに選別していた

「障がい者だからこれでいい、というものづくりはしたくない。障がい者が市場経済を支える事業にするために、群馬県の品評会で見たような秀品を目指す」と決意した倉本代表。ハウスの中に森の環境を再現して制御を自動化し、データに基づいて生産をすれば農業経験が浅くても必ず秀品をつくれると考え、実現できるシステム開発会社を探して約1年。農業WEEKで出会ったのが、株式会社オムニア・コンチェルトでした。

同社に事業計画を話すと「実現できます」という心強い回答。
きのこ類は特用林産物に分類され、その生産は林業にあたります。同法人は、農事組合法人を設立し、林野庁から補助金の交付を受け、しいたけの周年栽培システムを導入し、2022年6月にハウス4棟で林福連携事業を本格的にスタート。そこから飛躍が始まりました。

いつもが旬のしいたけハウス、安定生産を支える環境統合制御システムとは

(株)オムニア・コンチェルトの環境統合制御盤『Concerto(コンチェルト)』は、1台に500のセンサを接続でき、異なるメーカーの各種機器を自動制御できる拡張性が特徴。これによって、棚ごとに細分化したモニタリングと制御が可能になります。
モニタリングしたデータは、遠隔監視制御システム『Sfumato(スフマート)』に送られ、データ活用のプラットフォームとして生産を支えることができます。

上:制御盤『Concerto』 下:遠隔監視制御システム『Sfumato』の画面

データ分析を担当しているのが、サービス責任者の木下 亮きのした まことさんです。現場での栽培管理や利用者の支援にあたりながら、モニタリングした環境データの分析を重ねて、秀品多収につながる制御を模索してきました。

収量が少ない原因が分かれば、制御の改善をオムニア・コンチェルトのエンジニアらと一緒に考え、機器の増設や配管の変更を行い、また必要な場所にセンサを増やしながらベストな環境制御を追求します。
そこで役立つのが『Sfumato』に表示されるグラフやサーモグラフィ。見える化されたデータでダクトの向きを調整したり、ミストによるかん水方法の変更などを試し、1年かけて制御の方法を編み出し、確立させてきました。

3D化されたシステムで、見やすさ・制御操作がバージョンアップ

しいたけ栽培が軌道に乗る一方で、管理するデータが多岐にわたるため分析に時間を要し、制御を実行するまでのリードタイムも課題でした。工数や担当者の負担を減らそうと、(株)オムニア・コンチェルトは『Concerto』で取得したハウス内のデータを『Sfumato』上に3D画像化してリアルタイムで映し出し、画面上で遠隔制御できるシステムを開発!2023年10月にリリース予定で、今までの『Sfumato』ユーザーは無償アップデートで利用できます。

ハウスの様子がそのまま3Dアニメーションで画面上に!

先行するトマトハウスのプロトタイプを見ると、農業ハウスのCGが映し出され、実際のハウス内の配置どおりに各機器やセンサが表示され、制御状況やモニタリング値が画面上で確認できているのが分かります。サーモグラフィから該当箇所をプロットして機械を動かして手動制御することも。まるでゲームのようなUIと直感的な操作で、リアルタイムにデータの確認から制御までをワンストップで操作可能。パソコンだけでなく、タブレットやスマ―トフォンなどのデバイスでも操作できます。

画面上でハウス内を動き回る様子はさながらゲームのよう。ぜひ一度見てほしい

「ハウスの管理がよりスマート化されれば、利用者に対する支援により力を注げます」と、木下さんも期待を寄せます。
(株)オムニア・コンチェルトでは、今後も段階的に収穫予想、人材管理(勤怠管理)、販売管理などの戦略的なデータも『Sfumato』で一元管理できるようにしていく計画です。

しいたけ周年栽培システムで、人と環境の調和もはかる

まごころファーム川越が導入している「しいたけ周年栽培システム」は、統合環境制御技術で複数ハウスの個別管理を実現し、省エネルギー、経済性、CO2循環なども追求したシステムです。

栽培ハウスは、二層の遮光フィルムで空気層をつくり、開閉可能な内張りカーテンで外気を更に遮断。断熱化と完全遮光で菌床栽培に適した環境を整え、独自に開発したLEDライトでしいたけの生長に最適な光照射を行います。特に、CO2濃度制御と熱交換を最適効率化すること(オムニア・コンチェルトのマル秘ノウハウ)でヒートポンプなどの主要機械の台数を減らし消費電力を極力抑える事に成功しました。また制御盤1台で多棟を個別独立制御できるので導入設備コストが大幅に抑えられます。まごころファーム川越では、しいたけ、菌床育苗、キクラゲなどをそれぞれ別のハウスで栽培し、温度、湿度、CO2濃度を個別に制御しています。

温度・湿度・CO2濃度・明るさ等すべてを最適な状態に制御できる

まごころファーム川越代表の倉本さんは、「天候に左右されることなく、環境条件の良しあしをデータで判断して生産計画が立てられます。自動制御が細部まで行き届き、棚ごとに設定を変えて、生産をしながら一部で試験ができました。平均気温が23℃に保たれたハウスは働きやすく、健康やメンタルにもよく、集中力が保てるので、利用者のパフォーマンスが伸びています」とシステム導入メリットの一端を話してくれました。

持続可能な農林業に、オムニア・コンチェルトの統合環境制御

環境制御で品質の高いしいたけを安定生産し、ブランド化にも成功したまごころファーム川越。市場で通用するしいたけを生産していることが、障がい者やその家族の誇りになっています。ここまでしいたけ栽培にこだわるのは、利用者の工賃アップという目的があるからです。

「就労継続事業の全国平均工賃は月額1万5,000円です。工賃を最低でも5万円に上げて、生活のために働いている現状を変え、障がい者にも豊かに暮らしてもらいたい」と木下さん。

現在、国産菌床の不足で30%にとどまるハウスの稼働率を100%にすることが当面の目標。それもまた、(株)オムニア・コンチェルトによる、森林再生などの事業をスタートする企業とのビジネスマッチングで達成のめどが立ってきました。
農林業の持続可能な発展に寄与する(株)オムニア・コンチェルト。その独創的なシステムと圧倒的なスケールを農業WEEKでぜひ確かめてみてください。

展示会情報

チラシ

・遠隔監視制御システム『Sfumato(スフマート)』
・環境統合制御盤『Concerto(コンチェルト)』
・しいたけ周年栽培システム

取材先

まごころファーム川越
〒350-0014埼玉県川越市古市場366-1

お問い合わせ

株式会社オムニア・コンチェルト
〒108-0074 東京都港区高輪3-11-3 イハラ高輪ビル6階
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