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国内で初めて人工培養土に対応した高精度な土壌センサを村田製作所が開発、土壌環境の可視化で実現する栽培管理の完成形

国内で初めて人工培養土に対応した高精度な土壌センサを村田製作所が開発、土壌環境の可視化で実現する栽培管理の完成形

農産物の高品質化や収量増、安定化をはかるために、栽培管理における環境データの活用が重要性を増しています。その基本となる圃場や栽培施設の環境モニタリングは、多くの生産現場で行われてきました。しかし、近年まで正確に測定することができなかったのが『土壌』です。土壌環境のモニタリングとデータ活用で農業はどう変わるのか。電子部品の世界的メーカー・村田製作所が10年かけて開発した、ココピートやロックウールにも対応する高精度な土壌センサで検証します。

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高品質化・収量増加の鍵は、土壌環境の見える化にあり

スマート農業の第一歩として、各種センサで圃場や栽培施設の情報を可視化する、環境モニタリングが普及しつつあります。
気候変動などで環境の不確実性が高まるなか、農産物の高品質化や安定多収をはかるために、データに基づいた栽培管理がますます重視されています。

モニタリングの対象となる環境は、大きく分けて三つ。
空間植物体内、そして土壌です。
これら三つの環境が調和して初めて高品質な農産物を安定的に作ることができると考えられます。

空間環境については、温度、湿度、日射量、CO2濃度などのモニタリングが先行し、自動制御システムの開発も進んでいます。植物体内の環境も画像処理技術などで可視化され、収穫適期の判断などに活用され始めています。
しかし、土壌の環境は、その物性の不確定さゆえに最後まで見えないものとして残されてきました。

土壌環境の主な情報には、EC(電気伝導率)、体積水分率、温度があります。
EC値は土壌の残留養分を示すもので、最適な施肥の量とタイミングを導き出す材料となります。体積水分率もまた、かん水を適切に判断する根拠となります。

作物の生育を左右する重要な情報が、実はまだ土の中に眠っているのです。

正確な値が測れなかったこれまでの土壌センサ

土の中の情報を可視化するツールが、土壌センサです。決して目新しいものではありません。モニタリングの必要性が理解されながらも、積極的な活用に至らなかった理由は、正確なデータ測定の難しさにあります。

土壌の主な構成要素は、土の粒、それを取り巻く水(間隙かんげき水)、その間にある空気層です。
土の中は不確定性が高く、センサの電極の間に石粒や空気が挟まって測定を妨げるため、正確な値の測定が難しいのが実状でした。
また一般的な土壌センサではこれら全ての要素を抵抗体とみなすため、間隙水に溶けているイオンの量(EC値)を正しく測ることができませんでした。体積水分率も同様に、イオンの量や1日の温度変化の影響を受けてしまいます。

ロックウールやココピートでも、正しいデータの測定は大きな課題でした。しかし、これらの人工培養土は繊維質で保水力が高く、90%以上の水を含むことができるため、一般的なセンサのパラメータでは測ることができません。
現行システムにおける水分率計測の方法としては、かん水の前後で培養土バッグの重量を測定するなどの方法が取られていますが、作物自体の生長によっても重量が変化するため正確な値は測れません。EC値に関しても元の養液とその排水のEC値の差で計算されていましたが、排水容器には乾いたイオンが付着していたり、排水が蒸発したりすることによって、実際よりも濃度が高く測定されてしまうことがあります。

こうしたことから、土壌や人工培養土から高精度なデータを得るために、革新的なセンサの開発が待ち望まれていたのです。

ロックウールとココピート対応、村田製作所が高性能な土壌センサを開発

2022年、村田製作所が開発に10年かけてデータ測定の課題をクリアした高性能な土壌センサが、満を持して上市されました。
その特長を紹介しましょう。

不確定性を徹底的に排除した精度の高さ

一般的な土壌センサが二電極であるのに対して、同社の土壌センサは業界初となる九つの電極を用いています。
これによって、あらゆる測定パターンと独自のアルゴリズムで不確定性を排除し、精度の高い計測を可能にしました。土壌中または水中で、EC(電気伝導率)、体積水分率、温度を同時に測定することができ、小型で耐久性にも優れた土壌センサです。

間隙水ECの測定が可能

作物の生長は間隙水中の肥料の量が鍵となります。通常のECセンサでは土壌中の水と肥料の量に影響を受け、間隙水中の肥料イオンの正確な計測が難しい問題がありました。
同社の土壌センサは、独自のアルゴリズムにより肥料の量だけを計測することができます。

ソフトウェアのアップデートで使いやすく

ソフトウェアのアップデートにより、一般土壌だけでなく、ロックウールやココピートなどの人工培養土にも対応が可能になりました。人工培養土で使えるように、電極面の接触を安定化させる専用のアタッチメントも開発されました。
一般土壌とココピートでは土に埋め込むだけ、ロックウールには切り込みを入れて挿すだけで、環境制御システムに接続してすぐに使うことができます。

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専用のアタッチメントを付けて埋め込むだけ

これまで見えなかった土壌情報の可視化は、生産者がわからなかったことを明らかにして、課題解決の糸口になり、やりたいことを実現する一助にもなります。

持続可能な農業の実現に向けて、村田製作所の土壌センサは、すでに全国のさまざまなプロジェクトや実証実験で活用されています。

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ロックウールとステンレスのシートを組み合わせた専用のアタッチメント

土壌センサの資料はこちらから

持続可能な農業と生産者のために、土壌センサができること

干ばつや気候変動により、露地畑では雨頼みではなく積極的なかん水が必要になっています。

北海道でジャガイモの契約栽培をする生産法人は、高品質・安定生産を目指してデータに基づくかん水の最適化に取り組みました。
ジャガイモは生育期に特に水を必要としますが、その時期はちょうど真夏で土壌が乾燥しやすい状態です。土壌の体積水分率をモニタリングして、その変動量に応じたかん水を適切に制御したところ、天候任せでかん水を行わなかったエリアと比べて、ジャガイモのサイズが大きく収量が1.6倍になりました。
その実証実験には、村田製作所の土壌センサが使われました。
(事業主:カルビーポテト、システム:ソフトバンク「e-kakashi」)

IT化は農業者の所得向上にも貢献します。

ピーマンの施設栽培を行う宮崎県の大規模生産法人では、農作物の安定収穫の実現が急務で、収量に影響を与える苗の弱りを早期に判断するために、地上部だけではなく地下部の状態を把握する必要がありました。
従来のセンサの精度に課題を感じていたシステム担当者は、村田製作所の土壌センサを採用します。EC値をモニタリングしたデータを分析し、従来の施肥のタイミングを変更すると収量が安定し、前年比約10%の生産性の向上が見られました。
(事業主:黒生野アグリ研究会、システム開発:テラスマイル)

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他にもココピートを用いたトマトの育苗など幅広く活用されている

土壌センサの活用は、さまざまな作物の生産者にメリットがあります。

果菜類や果樹では、糖度を上げるために水分ストレスをかける栽培方法があります。水分を切りすぎると枯れや収量低下が起こることがあり、水分量の調整は難しい技術ですが、データに基づくことで栽培経験が浅くても高糖度なトマトやメロンを作ることが可能になります。

キャベツやレタスでは、乾燥が続いた後の大雨などによる急速な水の吸い上げが玉割れの原因になるため、土壌モニタリングによるかん水管理で品質の向上につなげています。

肥料価格が高騰するなかで、データに基づいた適切な施肥管理で肥料の余剰排出をなくせば、資材コスト削減と、肥料のやりすぎによる土壌汚染の防止環境負荷の低減を同時に達成することもできるでしょう。

生産者の数だけ課題があります。
土壌センサはその原因を究明して解決・改善につなげ、持続可能な農業を可能にすることに力を発揮しています。

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社のロゴにはResearch(研究)を追究し続けるという村田製作所の情熱が込められている

土壌センサの資料はこちらから

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株式会社村田製作所

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