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今年も鳥インフルエンザの季節が間近に。卵価格に与える影響は?

今年も鳥インフルエンザの季節が間近に。卵価格に与える影響は?

高病原性鳥インフルエンザ(以下、鳥インフルエンザ)は家きん類に重大な影響を及ぼす感染症の一つです。2022年は鳥インフルエンザによって多くのニワトリが殺処分となり、飼料価格の高騰なども相まって卵の市場価格が上がり、今も高い水準を維持しています。もし2023年も鳥インフルエンザが発生すれば、卵の出荷量の減少からさらなる卵の市場価格高騰のおそれも。そこで、最新の鳥インフルエンザの状況について鶏卵の流通関係業者と農林水産省の担当者に取材しました。

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鳥インフルエンザとは?

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鳥インフルエンザは鳥類に影響を与えるウイルス性の感染症です。ニワトリや七面鳥などの家きん類がこのウイルスに感染すると、急死するなどさまざまな健康上の問題を引き起こします。

環境省によると、2023年の国内での鳥インフルエンザは11月20日時点で野鳥において17例(※1)の発生が確認されており、昨年同時期の18例(※2)と比較するとやや遅い進行となっています。

「昨年は9月の時点で1例目の野鳥における発生事例があったが、今年の1例目は10月。昨年よりは1カ月遅いものの、ここ数年単位で考えると、かなり早いタイミングで鳥インフルエンザが発生しているのは確か。昨年よりも遅いスピードだからと安心はできない」と農林水産省の担当者はコメント。鳥インフルエンザにより、今年も複数の農業被害が起こる可能性は否定できないようです。

※1 出典:環境省「令和5(2023)年シーズンの野鳥の鳥インフルエンザ発生状況
※2 出典:環境省「令和4(2021)年~令和5(2022)年シーズン 国内での野鳥における鳥インフルエンザ発生状況

鳥インフルエンザが消費者に与える影響

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採卵鶏を飼養する養鶏場で鳥インフルエンザが発生すると、卵の供給に支障が出ます。家畜伝染病予防法に基づき、発生した農場で飼養される全てのニワトリの殺処分が必要になるからです。実際、店頭で卵が品薄になる事態も発生したことは記憶に新しいでしょう。

JA全農たまごの相場情報をもとにマイナビ農業編集部作成

高病原性鳥インフルエンザが養鶏場で広がり始めた2022年10月からは殺処分が実施され、2023年1月には、過去最大の発生であった2020年度シーズンの殺処分対象羽数を上回りました。

その影響を受け、卵の相場価格は2023年1月の1キロ当たり280円から5月には350円にまで高騰。ニワトリの飼料価格の上昇も卵の値上げ要因の一つですが、鳥インフルエンザの殺処分による影響も十分あったといえるでしょう。

鶏卵の流通関係業者によると「飲食店も価格高騰の影響を受け、卵を使った料理を控えるようになり、卵やマヨネーズを含む商品がメニューから消えたのもこの時期だ」とのこと。

実際、卵が高騰したことを一つの要因として、主要な外食店の約3割が卵を用いたメニューを一時休止しました。

今年、卵の価格はどうなる?

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今年の卵価格は採卵鶏農家での鳥インフルエンザがいつ発生するかにかかってきます。

農林水産省の担当者によると「採卵鶏農家での鳥インフルエンザの発生がまだ確認されていないため、今後も卵の価格が高騰するかは不明」とのこと。現時点では卵の価格の動向については予想はつかない状況です。

ただし今年11月20日時点で、昨年ほどではないにせよ例年よりも早いスピードで鳥インフルエンザが観測されていることを踏まえると、今年も採卵鶏農家で鳥インフルエンザが発生する可能性は十分に予想されます。それに伴う卵の価格の動向も注意が必要でしょう。

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