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里芋の種類10選を特徴や品種別に紹介!よく食べられている里芋は?

里芋の種類10選を特徴や品種別に紹介!よく食べられている里芋は?

里芋は日本の食卓や伝統料理によく使われる食材です。しかし、普段食べている里芋の種類をよく知らないという方も少なくないでしょう。里芋は生産している地域や発祥地の名称が付けられることが多く、土地や気候の影響を受けて固さや粘り気などが異なります。そこで、この記事では、里芋の種類10選やその特徴を紹介します。加えて、よく食べられている品種や生産量の多い地域などの情報も見ていきましょう。

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里芋の種類10選

土垂(とだれ)

土垂は「どだれ」と読み、10月~12月に収穫される里芋です。里芋と言えば土垂の名前が上がるほど全国的に知名度の高いことで知られています。多くが関東地方で栽培されていますが、全国生産されている品種の1つです。サイズは小さく楕円形で、小芋が食用にされています。少し大きい親芋もありますが、食用には適していないため、基本は小芋のみとなります。内部の質感としては粘ばり気があり、煮崩れしにくいため煮物料理に向いています。

石川早生(いしかわわせ)

石川早生は大阪の河南町(旧・石川村)から取った「石川」と収穫時期の早さを意味する「早生」をあわせて名付けられた里芋です。里芋としては時期の早い8月から収穫が可能で、産地は静岡県や宮崎県、千葉県などがあります。形は球状で、サイズに統一感があるのも特徴です。小さめで皮をむきやすいため、調理もしやすいです。少し淡白な味わいで粘りがあるが柔らかいため、口当たりがよいです。煮物や蒸し料理に使えます。

女早生(おんなわせ)

女早生は愛媛県が産地として知られる品種の里芋です。品種としては早生で収穫・出荷が少し早く、10月には売られています。3月までと収穫できる時期の広さも魅力で、冬によく食べられます。小芋は転がるほどの丸さで、中はきめの細かい白色をしています。甘くてもちもちとした食感も魅力です。そのため、別名「栗芋」と呼ばれます。

八名丸(やなまる)

八名丸は、愛知県伝統の品種で知られており、新城市一鍬田地内(旧・八名郡八名村)で生産されている里芋です。収穫の時期は10月~11月で、販売時期は10月~2月が目安です。形は丸く、柔らかさと粘り気があり、独特の舌触りが特徴です。主な料理としては煮物や蒸し料理の「きぬかつぎ」に使われます。

タケノコイモ

タケノコイモは、形状がたけのこそっくりな里芋です。主に宮崎県で出荷されています。別名「京芋」と呼ばれることも。子芋を付けずに親芋が成長し、50cmを超えることもあります。きめ細かな中身で煮崩れせず、食感が良いのが特徴です。

セレベス

セレベスは、インドネシアのセレベス島で生まれた里芋です。少し赤色をまとっているため、別名「赤芽」と呼ばれます。収穫期は10~11月で、食ベ頃としては秋です。ふかした時のほっこり食感が人気で、やや粘質ですが全体的にぬめり感は少なめです。親芋と小芋で形状が異なり、親芋は長球形、子芋はしずく形をしています。食感を生かしたコロッケや含め煮などの料理に使いやすいのが特徴です。

海老芋(えびいも)

海老芋は、唐芋(とうのいも)の品種から特別に栽培された里芋です。旬は11月~2月です。海老のような曲がった形状をしており、栽培され続ける中でそう呼ばれるようになりましたます。主な特徴は、しま模様の外観に、煮崩れしない内部の肉質、きめ細かな点です。小芋や孫芋のほうがサイズが大きいため、一般の方が目にするのは親芋ではなく、小芋や孫芋です。海老芋におすすめな料理は煮物料理か、長時間煮込む必要のあるおでんに使われます。ちなみに海老芋は親芋と小芋の両方が食用として食べられます。

大野里芋(おおのさといも)

大野里芋は福井県大野で収穫される里芋の品種です。親芋にくっついて集合した小芋が周りに連なります。大野市と言えば「上庄」の里芋が人気ですが、大野里芋もそれに匹敵する人気があります。食べる場合は、内部は粘質でねっとりした食感が特徴です。そのため、煮物料理によく使われます。固さと同時に柔らかさもあるなど、大野里芋独自の固すぎない食感を楽しめるでしょう。

八ツ頭(やつがしら)

八ツ頭は、里芋によくある親芋と小芋が別々にあるのとは異なり、2つが合体して一つの形状になっている里芋です。周囲に広がりを見せるような小芋の連なりが特徴です。収穫時期は10月~11月と遅く、旬は11~1月までの期間です。そのため、「八」の形と名称から縁起のよい里芋として知られます。食感はやや粉質で肉質があり、ぬめり感があまりないです。縁起物という点を含めて、その特徴からおせち料理に使われます。

上庄(かみしょう)

上庄は、大野里芋以外の福井県大野で収穫される里芋のことです。収穫の時期が10月~12月となっています。肉質に優れており、ぎっしりつまった固い中身で、煮崩れしないのが特徴です。粘質のあるもっちり食感と歯ごたえから、田楽や煮っころがしの料理に使われます。

よく食べられている里芋は?

里芋にはさまざまな品種がありますが、その中でもよく食べられている里芋があります。「土垂」と「石川早生」です。また、親芋を食べられる「タケノコイモ」、「八つ頭」などの品種もよく食べられている里芋として挙げられます。

中でも石川早生がよく食べられる理由

石川早生は、早い時期から入手が可能なため、夏、秋、冬の料理に使いやすいのがよく食べられている理由になっています。また、里芋としてはクセが少なく食べやすい品種です。さらに、サイズ感が全体的に同じで整っているため、調理する際に皮剥きなどの下処理がしやすいです。これらの特徴から、家庭で気軽に成形でき食べやすいこと、大量に仕込みが出来ることなども人気の理由の1つになっています。

里芋の生産量の多い地域は?

里芋が多く生産されている地域は、千葉県、宮崎県、埼玉県です。特に千葉県と宮崎県は人気の高い石川早生が多く出荷されており、生産量の多さにつながっています。生産量トップの県は年度によって入れ替わっています。その背景として、里芋が全国的に栽培されていて、特定の県が2割以上のシェアを持っていないことが影響しています。2021年の里芋生産量トップは埼玉県の約13%で、千葉県と宮崎県はそれぞれ10%前後です。

里芋の特徴を知り、適した調理に使おう!

里芋は種類によって固さや粘り気、形状などに違いがあります。種類によっては親芋と小芋のどちらか、もしくは両方など、食べられる部分が変わってくることも知られています。里芋は、買ってから料理を決めるのではなく、料理を決めてそれに合う里芋の種類を選ぶのがおすすめです。今回紹介した里芋の特徴を踏まえながら、里芋選びを意識的に行ってみましょう。

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