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自然共生の里・岩手県紫波町でぶどう農家を営む移住就農者の挑戦。新規就農者を支えるアットホームな地域性

自然共生の里・岩手県紫波町でぶどう農家を営む移住就農者の挑戦。新規就農者を支えるアットホームな地域性

岩手県のほぼ中央に位置する紫波町(しわちょう)は、人口約33,000人のまちです。町の中央に流れる清らかな北上川と、美しい山々に囲まれた同町では、自然との共生を大切にしながら、四季折々の恵みを受けた農業が営まれています。地域の人々の暮らしを支える重要な産業である農業の新たな挑戦と、次世代への継承が進む紫波町。そのバトンを受け継いだ若きぶどう農家のヒストリーと共に、紫波町の農業の魅力を紹介します。

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自然と利便性が調和する「紫波町」の魅力

盛岡市と花巻市の中間に位置する紫波町。北上川が中央を流れ、東は北上高地、西は奥羽山脈までの総面積238.98平方キロメートルの町です。町には国道4号のほか、主要道路が南北に縦断。さらに、インターチェンジや3つの駅があるなど、交通網が発展しています。

飲食店や販売店のほかに、クリニック、体育館、ホテル、図書館、町役場、サッカー場、スポーツジム、美容院、複数のレンタルスペース等さまざまなサービス業が集まった複合的な施設「オガール」

この優れた利便性から県都・盛岡市のベッドタウンとして発展する紫波町は、住宅メーカーが調査した岩手県内の居住満足度調査では3位にランクイン。公民連携手法を用いた新たな都市と農村の結びつきを目指す「オガールプロジェクト」をはじめ、町産木材で建築された紫波中央駅舎など、環境や景観に配慮したまちづくりが進められています。

自然との共生を大切にする文化が根付く紫波町では、町の中央部に稲作地帯が広がり、西部地域では全国有数の生産量を誇る高品質なもち米やソバ、麦などの農作物が栽培されています。東部地域はりんごやぶどうの果樹栽培が盛んです。

豊かな土壌で育まれた米や野菜、果物は地域の誇り。畑や果樹園は、そんな魅力に満ちた場所として、就農を志す人からも注目を集めています。そこで今回は、紫波町の農業の魅力を探るべく、福島県から移住就農したぶどう生産者、蒲生 庄平(がもう・しょうへい)さんを訪ねました。

50年続く佐比内のぶどうを継承。独立就農5年目を迎えた新米農家の現在地

      

緑豊かな丘陵地帯が広がる紫波町佐比内地区(さひないちく)は、町内屈指のぶどうの産地です。約50ヘクタールもの広いほ場は「ぶどう団地」と呼ばれ、生産者はそれぞれが所有する区画でぶどうを栽培しています。

「春先の遅霜の影響が心配でしたが、畑が斜面で霜が流れたことに加え、この夏の暑さで盛り返すことができました」と、話す蒲生さんは約90アールのほ場でキャンベルを中心に、約15品種のぶどうを栽培しています。

福島県西会津町出身の蒲生さんが紫波町にやってきたのは2016年のこと。2年間の研修を経て、2019年に独立就農をしました。現在は屋号の与重(よじゅう)を冠した「与重ぶどう園」のオーナーとしてぶどう栽培に情熱を注いでいます。

町内屈指のぶどうの産地「佐比内地区」にある蒲生さんのほ場

「農業に興味を持ったのは、体調を崩して入院した際、リハビリとして農業体験をしたことがきっかけです。太陽の下で汗を流し、土に触れることはとても気持ちが良く、いつか農業を生業にしたいと思うようになりました」

と、話す蒲生さんですが、自身は非農家出身。農林水産省の「農業次世代人材投資資金の準備型(現:就農準備資金)」を活用し、佐比内地区のベテラン生産者からぶどう栽培の技術や営農などを学びました。

「ぶどうは頭上に組んだ棚に枝を伸ばして栽培するため、ほとんどの作業が上向きとなることから、腕を上げた状態が長く続きます。慣れるまでは腕がパンパンになりましたが、四季の移ろいを感じながら仕事ができる農業に面白さとやりがいを感じました」

9~10月にかけて収穫の最盛期を迎える佐比内地区のぶどう栽培は、11月以降は農閑期になります。冬場は剪定作業にあて、シーズンが始まる4月に雨除けのビニールを被覆、5月以降は生育状況に合わせて芽かきやジベレリン処理(※)、病害虫防除、摘粒などを行います。

※種無しぶどうを生産することを目的とした処理。

      

「栽培をするうえで心がけているのは、適期に適切な作業をすることです。これは研修でお世話になった“師匠”からのアドバイスです。作業に追われるのではなく、早めに作業をすることで気持ちに余裕が生まれ、病害虫が発生した場合もすぐに対応することができます」

繁忙期にパートさんを雇う以外は奥様の実家から引き継いだぶどうの木、約300本を1人で作業をする蒲生さん。師匠の言葉を胸に、50年続く屋号「与重」を守り続けています。

未来に向けた希望が広がる農業の世界へ。地域農業活性化に向けた新たな挑戦

      

営農にあたり、蒲生さんが常に意識しているのは栽培方法や販売方法など、新しいことに毎年チャレンジをすることです。その1つが与重ぶどう園のブランディングです。2023年には新たな試みとしてECサイトを開設。6次産業化にも積極的に取り組み、ジュースには与重のロゴがデザインされています。

「ECサイトで自分の名前で販売することは、お客様の声がダイレクトに返ってくる怖さがあります。私のモットーは“自分が食べて美味しいものだけを売る”こと。自信を持ってお届けできるよう、さらに技術を磨き、高品質なぶどうを育てていきたいです」

と、抱負を語る蒲生さんは、紫波町内の若い農業者が中心となり、農業経営をしていくうえでの身近な課題の解決方法を検討したり、消費者やクラブ員同士の交流により元気な農村づくりを目指す組織「紫波町農村青年クラブ」の事務局を務め、農業の活性化に取り組んでいます。

「全国には面白いアイデアを持っていたり、実践している生産者がたくさんいます。紫波町農村青年クラブでの経験を佐比内地域の農業に活かし、未来の農業につなげていけたら面白いですよね」

と、地域農業の将来について語る蒲生さんは「佐比内未来ぶどう会議」(仮称)を企画し、現在発足に向け準備を進めています。地元のぶどう生産者やぶどうに関わりをもつ方たちで構成される会議では、現状の課題を洗い出し、その課題を解決することによって、生産者が営農を継続しやすい環境整備に取り組むことを目的としています。

「例えば、住居が町外にある方は、紫波町で収穫したぶどうを作業場がある自宅まで運んで選果や箱詰めをするため、作業が非効率になってしまう課題を抱えています。これに対し、佐比内の地区内に共同の選果場を作ることで作業効率がアップするのではないか?また、収穫時に手伝いにきてくれる方の宿泊施設を作った方が良いのではないか?といったアイデアも寄せられました。ぶどうに関係する方々が集まり、一緒に知恵を出し合うことって、実は今までやっていなかったんです。そういった場を作ることによって、佐比内のぶどうの未来を「ジブンゴト」として捉える人が増え、魅力的な地域になることで就農を希望される方も増えると思うんですよね」

地域のリーダー的存在とも言える蒲生さんは、佐比内の農業振興にも積極的に取り組んでいる

移住当初から地域の集まりや勉強会、行政が主催する会合などに積極的に参加することを心がけてきた蒲生さんは、行動することでつながりができ、地域に溶け込めると言葉を続けます。

「農業は1人で黙々と作業することが多く、気がついたら1日誰とも会話をしていないということにもなりかねません。一見、農業とは関係のない場所にも出向き、人とつながることで販路が見つかったり、営農のヒントが見つかることがあります。地域に溶け込むためにはまず、動くことが大切だと思います」

地域農業が抱える課題に、アグレッシブに取り組む蒲生さんの存在は、紫波町にとっても頼りになる存在です。紫波町役場産業部農政課で新規就農者や生産者を支援する松田 琴紀(まつだ・ことき)さんも、蒲生さんの活動を次のように評価します。

「若手生産者のリーダー的存在の蒲生さんは、地域の農業をより良くするためのアイデアを次々と生み出し、実現に向けて行動をしています。蒲生さんのように、農業の未来を共に考え、実践する方が紫波の仲間になっていただけたら嬉しいです」

と、松田さんが話すように、蒲生さんのような移住就農者やベテラン生産者が一丸となって地域農業に取り組む紫波町の農業の姿勢は、農村地帯の衰退の歯止めになることが期待されます。

美味しい農産物と温かな出会いが待つ紫波町で新たな一歩を!

蒲生さんの農作業の“相棒”はポッドキャスト。「孤独になりがちな農作業は気分転換が大切」

蒲生さんのように新規で独立就農を志す方に向け、農林水産省では補助金の交付をはじめとしたさまざまな支援を用意しています。蒲生さんが交付を受けた農業次世代人材投資資金の準備型(現:就農準備資金)は、新規就農者を資金面と生活面で支える制度ですが、交付を受けるためには一定の条件を満たす必要があり、中には対象とならない方もいます。

そこで紫波町では、就農準備資金交付の対象外となった方を支援するため、紫波町新規就農希望者支援事業による研修支援を実施しています。

就農希望者への支援内容は、研修支援金や家賃補助などがあり、給付を受けながら農業を学ぶことができます。給付には町内に居住し、研修終了後も町内で3年間以上、就農することが条件となります。

紫波町の就農支援情報はこちら

「初めての土地での暮らしや就農に不安を感じることもあるでしょう。でも、紫波町なら大丈夫。とにかく町の方は良い意味でおせっかいです。困っていること、不安なことがあれば必ず力になってくれますよ」

と、紫波町の暮らしに太鼓判を押す蒲生さん。最後に、新規就農を希望する方に向け、アドバイスを伺いました。

取材に訪れた8月下旬。収穫期を迎えたキャンベルが芳醇な香りを放っていた

「農業は自分のペースで作業ができる仕事です。楽しみながら農業をするためには自分を追い詰めないことが大切です。理想を追い求めるばかりでいると疲れてしまうこともあるので、自分の中に“逃げ道”を作ってみてくださいね。家族と過ごす時間、農業とまったく関係のない趣味を持つことなど、方法は何でもいいと思います。農業を楽しむ気持ちを忘れないでいただきたいです」

町内に広がる畑や果樹園で育まれた美味しい農産物で満ちた紫波町は、農業を通じて心温まる出会いや、喜びを感じることができるまちです。

ぜひ、紫波町で新たな一歩を踏み出してみませんか?紫波町の素朴な魅力と人々の温かな笑顔が、あなたのスタートを応援してくれることでしょう。

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■お問い合わせ■
盛岡地方農業農村振興協議会(盛岡農業改良普及センター)
〒020-0023 岩手県盛岡市内丸11-1
TEL:019-629-6727 
FAX:019-629-6739
E-mail:CE0015@pref.iwate.jp

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