和歌山で収穫される梅は気候や土壌条件に秘密アリ!
「紀州南高梅」は温暖な気候と農家の技術の結晶
和歌山が梅王国である理由はその気候や土壌条件にあります。
梅の生産が多く行われている和歌山県中部・南部では年間を通しての気温差が小さく温暖で日照時間が長いことに加え、水はけのよい土壌条件にめぐまれていて、梅の栽培に非常に適しています。
特に生産量の多い、みなべ町や田辺市も和歌山県中部・南部に位置しています。
こうした気候や土壌条件に加え農家の方々が受け継いできた技術が最高品質の紀州南高梅を育てています。
歴史は続く!梅づくりのルーツを探ってみよう
世界農業遺産にも認定された「みなべ・田辺の梅システム」
400年前の江戸時代初期、現在の田辺市とみなべ町にあたる田辺領は、石ころも多く、荒れた土地に、斜面の多い山々、決して稲作に恵まれた土地ではありませんでした。
しかし、紀州藩田辺領において年貢に苦しんでいる農家を助けるために、やせ地が免祖地となることに注目し、そこに梅を栽培しようと領主の安藤直次が推奨したことが本格的な梅栽培の始まりと言われています。
現在でも田辺市やみなべ町の梅の多くは、山の斜面で育てられていますが。
梅園の周辺にあるのは、ウバメガシ(備長炭の原料)などの薪炭林。
薪炭林を残すことで崩落を防止するだけでなく、水の確保にもつながります。
また、薪炭林に住むニホンミツバチに梅の受粉を手伝ってもらう自然の力とサイクルを利用した和歌山の梅生産。こうした梅栽培を中心とした循環システムが「みなべ・田辺の梅システム」として国際連合食料農業機関(FAO)に認定されています。
ブランド梅「紀州・南高梅」を始めとした豊富な梅の種類
様々な用途で食生活にも彩りを加えてくれる梅
和歌山県では、1960年頃から優良品種の「南高梅」「古城梅」が誕生し、その後の健康食ブームなどにより、梅の需要が伸び、栽培面積も増加しました。
質・量とも日本一となった和歌山で栽培されている代表的な品種をご紹介します。
- 【小梅】:果実が朱色に着色しやすい紅王、梅干し用の衣笠。白王の枝替わりで、梅酒、梅シロップにするときれいな赤い色になるパープルクィーンなどがあります。
- 【古城梅】:木の勢いが強く、大梅の中では収穫時期が早いのが特徴。「青いダイヤ」とも呼ばれる梅で、実が崩れにくくエキスがよく出るため、梅酒、梅シロップに適した品種です。
- 【南高梅】:木の勢いが強く、たくさん実がなります。紀州産の梅干しはほとんどがこの南高から製造されています。また梅酒や梅シロップ、梅ジャムなどさまざまな用途に使われます。
梅の収穫時期は?青梅と完熟梅で異なる収穫方法
梅の収穫は5月下旬~7月中旬が最盛期!求人も多数増えます
梅の実は、花の後すぐに膨らみ始め、5月下旬から収穫が始まります。
収穫の時期は品種や梅の実の状態が「青梅」か「完熟梅」かで異なります。
「青梅」は、実が青い状態で一つ一つ手で収穫され、フレッシュで梅らしい香りが特徴です。
「完熟梅」の収穫時期は、基本的に6月下旬~7月上旬頃です。青梅の時期をすぎると、実が熟し始めます。南高は日光のよく当たる部分が鮮やかな赤色に色づく特徴があり、触って柔らかくなれば完熟のサインです。
完全に熟した状態の梅の実は、自然と落下するようになっています。そのため、完熟梅の収穫は樹の下にネットを張って、完熟して自然に落ちてくる実を傷つけないようにそっと受け止めそれを回収する方法で行われています。
収穫作業も方法が明確になっているため未経験の方でも仕事がしやすくなっています。
和歌山県で梅の農作業を手伝う
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