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アザミウマ類の対策・駆除方法は?生態・被害・おすすめ殺虫剤など紹介

アザミウマ類の対策・駆除方法は?生態・被害・おすすめ殺虫剤など紹介

野菜、果樹、花などさまざまな植物を餌として発生するアザミウマ類。生育が早く繁殖力が強いため、この小さな害虫に悩まされる方は決して少なくないでしょう。この記事では、アザミウマ類の生態や特徴、対策方法を説明します。アザミウマ類についての基礎知識を備えた上で適切な防除を行い、農作物を保護しましょう。

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アザミウマって?

アザミウマ類の写真と概要

アザミウマは、体長は1~2mm程度(成虫)と小柄で、細長いフォルムが特徴的な昆虫です。
アザミウマは漢字で「薊馬」と書き、英語では「スリップス(Thrips)」と呼ばれることもあります。

体の色は種類によって異なりますが、基本的には黄色・褐色・黒色などが多いとされています。
繁殖力が高く、10日~2週間程度で卵から成虫まで成長するため、対策が遅れるとあっという間に増殖してしまうやっかいな害虫のひとつです。

成虫の寿命は種類や気温によって差がありますが、おおむね20~45日前後と言われています。
作物の葉の中に1つずつ卵を産み付ける習性があり、幼虫は土の中など人目に付かない場所でサナギになるので存在に気が付きにくいという点も悩ましいポイントです。

発生時期は冬場以外、4~10月と比較的長いシーズンに活動しています。
2024年1月時点で確認されているのは200種類程度ですが、特に注意しておきたいのが以下の4種です。

アザミウマの種類と生態は?

アザミウマの写真と種類・生態

農作物を加害する代表的な種を紹介していきます。

ミナミキイロアザミウマ

ミナミキイロアザミウマはアザミウマ類の中でも特に寒さが苦手であり、露地で越冬しにくいため冬場はハウスなどの施設内で発生する傾向があります。
冬に育苗したものを定植する際に露地へ広がるケースがあるので注意しておきましょう。

ミナミキイロアザミウマは春に葉裏・葉脈に産卵して幼虫が葉裏に寄生し、葉や果実を吸汁することで被害を与えます。2齢幼虫が成熟すると地面に落下し、落ち葉や土の中でサナギとなって成虫への羽化に備えるのです。
気温が高いほど羽化までのスピードが早くなり、25℃程度だと2週間程度で羽化してしまいます。
このペースだと年10回以上発生する可能性があり、入念な対策が求められるでしょう。

ミカンキイロアザミウマ

ミカンキイロアザミウマのオスは成虫が体長1.4〜1.7mmとアザミウマ類の中では比較的大型です。

体は基本的に橙黄色ですが、冬場になると褐色の個体が増えるという特性があります。
雑草などに寄生している場合も多く、露地でも越冬できる種です。
農地に作物が無い場合でも周囲の雑草などで冬を越し、春先から育てられた農作物に寄生するので注意が必要です。

ネギアザミウマ

ネギアザミウマは成虫の体長は1.5mm前後と中型程度で、アザミウマ類の中でも寒さに強い点が特徴です。

幼虫期は葉茎上に寄生して根際で蛹になるのが基本ですが、ネギの葉の隙間・雑草の株元などで成虫のまま露地で越冬することもあります。

チャノキイロアザミウマ

チャノキイロアザミウマは体長0.8~0.9mmと小振りなのが特徴で、体色は比較的明るめの黄色です。

成虫またはサナギの形態で地表面の落葉下・樹皮間隙・浅い土中などさまざまな場所を越冬の寝床とします。
卵→幼虫(2齢)・ サナギ(2齢)→成虫という生育サイクルを持ち、年間の発生回数は5~8回程度です。

アザミウマ類の被害は?

アザミウマ類の写真と被害について

アザミウマ類による作物の被害は、幼虫期・成虫期・作物によって異なります。
アザミウマ類は早期の対処が重要です。早く気が付けるように、アザミウマ類による具体的な被害について詳しく確認しましょう。

ミカンキイロアザミウマ・ミナミキイロアザミウマの被害

ミカンキイロアザミウマとミナミキイロアザミウマは、主にナス科やウリ科の野菜に寄生して被害を及ぼします。

例えばナスの場合は、葉にかすり状の白っぽい斑点が見られるようになり、被害が進むと次第に褐変していくのが特徴です。実に寄生されると褐色の傷が発生し、果実が肥大する前に被害を受けると傷が全体に広がっていきます。

キュウリ・メロン・スイカ・ピーマンなどは実への被害が顕著で、肥大前に寄生されると傷が付くだけでなく奇形の原因にもなるので留意しておきましょう。

また、ミカンキイロアザミウマはトマトを好む習性があります。葉表に黄色い斑紋や褐変、葉裏の光沢を帯びた黒い小規模斑点が確認されたらミカンキイロアザミウマによる被害を疑ってください。実に寄生すると黒いそばかす状の汚れが現れ、黄化えそ病を媒介することでも知られています。

ネギアザミウマの被害

ネギアザミウマはその名の通り、ネギやタマネギなどネギ類の作物に寄生することが特徴です。

寄生すると葉の全体に白いかすり状の斑点が見られるようになり、被害が進んで重症化すると枯れてしまうこともあります。
葉の表面よりも内側に寄生しているケースが多いので注意しましょう。
また、採種用のタマネギは花部に寄生されることがあり、被害が進行した株は実がなりません

他にはトマト・キャベツといった野菜や、ダリア・カーネーションなどの花もターゲットにされます。

チャノキイロアザミウマの被害

チャノキイロアザミウマが加害する農作物は柑橘類・柿・ブドウといった果物が多く、お茶・アジサイ・イヌマキなどに寄生することもあります。

柑橘類は5月下旬から6月下旬に果実とがく(へた)の隙間からチャノキイロアザミウマが侵入することが多いです。
果実が吸汁加害されると果皮にリング状、あるいはがくによく似た形で灰白色の傷ができます。

寄生時期が7月から10月だと症状が異なり、果頂部を中心に灰白色・茶褐色で雲状の傷ができるので覚えておきましょう。

果梗部の被害は大体6月上旬から7月まで、果頂部の被害は8月から9月までに寄生されたことによる被害と考えてください。

果頂部の被害をさらに細かくわけると、果頂部前期の被害(灰白色)は8月から9月中旬まで、果頂部後期の被害(茶褐色)が9月下旬以降に該当します。

アザミウマ類の発生時期における注意点

先に述べたように、アザミウマ類の基本的な発生時期は4~10月の比較的暖かいシーズンです。
冬場は落ち葉や作物の根付近で越冬するケースが多いですが、これはあくまでアザミウマ類が露地で生息していることを前提としています。

一方で、ビニールハウスなどで栽培する作物の場合、室内の気温を一定以上に保つことも珍しくありません。

アザミウマ類にとってハウス内は居心地の良い環境となるため、ハウスなどの施設を利用して作物を育てる場合は通年にわたって発生に注意が必要なのです。

アザミウマ類の対策・駆除方法は?

アザミウマ類の写真と対策・駆除方法について

アザミウマ類の被害を防ぐためには、その特性を理解した上で適切な対策を講じる必要があります。

防虫ネットを張る

例えばハウスなどの温暖な施設を利用している場合は、年間を通じて防虫ネットを張って侵入を防ぐようにしましょう。
アザミウマ類が赤色を認識できないという特性を利用して、赤い防虫ネットを張ると効果的です。

紫外線除去フィルムを設置

また、アザミウマ類の多くは近紫外線の多い環境に誘引される傾向があります。
したがって、紫外線除去フィルムを施設に設置することもアザミウマ類の侵入を防止する効果が期待できるでしょう。

障壁作物による侵入防止

露地での対策としては、ソルゴーなどの障壁作物を周囲に植え、侵入を防止することがおすすめです。
障壁作物を設置するスペースが確保できない場合などは、作物の畝間にアザミウマ類の天敵(スワルスキーカブリダニ・タイリクヒメハナカメムシなど)を寄生させるバンカープラントとして植えるのも良いでしょう。

殺虫剤を用いた効率的な防除

物理的な防除方法として、粘着テープ・粘着板といったトラップを設置するのも有効ですが、侵入を許してしまったアザミウマ類に対しては殺虫剤を用いるのが効率的です。

アザミウマ類のおすすめ殺虫剤は「ファインセーブ®フロアブル」

ファインセーブフロアブルのパッケージ

害虫駆除に殺虫剤を用いる場合は、対象に有効な成分が含まれていることが重要です。
他の害虫に有効だとしても、アザミウマ類に効くとは限りません。
殺虫剤のなかでもアザミウマ類の駆除におすすめなのは、日本化薬株式会社の「ファインセーブ®フロアブル」です。

既存の殺虫剤に耐性が付いてしまった害虫に対しても有効

ファインセーブ®フロアブルは、「フロメトキン」を有効成分とする殺虫剤で、アザミウマ類に対して優れた殺虫効果を発揮します。
また、「フロメトキン」は殺虫剤分類34にカテゴライズされている唯一の有効成分であり、既存の殺虫剤に耐性が付いてしまった害虫に対しても有効とされています。

天敵や訪花昆虫などの有用生物への影響が小さい

ファインセーブ®フロアブルは、アザミウマ類への速効性・残効性に優れるだけでなく、カブリダニ類などの天敵や、ミツバチなどの有用生物に影響が小さいという点も大きな特長です。

高い耐雨性から梅雨や秋雨の時期の露地作物でも使い易い

有効成分が植物のクチクラ層にしっかり付着するため、薬液散布後一旦乾けばその後に降雨があっても安定した効果を示し、2週間程度の残効が期待できます。

ファインセーブ®フロアブルの使い方は?

ファインセーブ®フロアブルは、害虫との接触または摂食により効果を発揮するため、希釈した薬液を作物の茎や葉へ散布して使用します。
植物への浸透移行性および浸達性がないため、散布ムラのないよう丁寧に散布してください。
特に葉の裏側は散布漏れが発生しやすいので注意しましょう。

また、均一に薬剤を付着させるために濡れ性に優れた展着剤を加用することが推奨されています。

アザミウマ類へ高い効果があるほか、タバココナジラミ類や、小型チョウ目害虫であるコナガ・アオムシにも有効です。

ファインセーブ®フロアブルが効果的な作物は?

ファインセーブフロアブルのパッケージ

トマト・ナス・イチゴなどの果菜類

ビニールハウスで栽培されることも多いトマト・ナス・イチゴは、収穫前日まで使用可能です。
天敵への影響が小さいという特長から、アザミウマ類の天敵を導入している作型で特に有効と言えます。
また、訪花昆虫の放飼はファインセーブ®フロアブルの散布翌日から可能です。

ネギ・たまねぎ

ネギ・たまねぎの場合は、収穫3日前まで使用できます。
これらの作物は生育初期が梅雨に該当しますが、ファインセーブ®フロアブルの高い耐雨性を活かせばアザミウマ類による被害を早い段階から予防可能です。
初期段階からしっかり生育できるようにするのが主な目的と言えるでしょう。
なお、収穫前となる秋雨シーズンに作物を加害されないようするための仕上げ剤として使用もおすすめです。

かんきつ

アザミウマ類・ミカンサビダニの防除を目的として、かんきつに使用する場合は、害虫発生の初期段階で使用すると効果が安定するので早めの対応を心がけましょう。
展着剤を使用する場合は、濡れ性の良いものを選んでください。害虫の抵抗性発達防止の観点から、異なる薬剤とローテーションを組むとより一層効果的です。

かんきつにはチャノキイロアザミウマの他にもミカンサビダニ・チャノホコリダニといった害虫も寄生する可能性がありますが、ファインセーブ®フロアブルならこれらの害虫に対しても高い効果を発揮します。
かんきつへの散布は収穫7日前まで可能で、天敵への影響が小さく耐雨性も高いことから果樹にも使用しやすいのは大きなポイントです。

アブラナ科の野菜

キャベツをはじめとするアブラナ科野菜には、アザミウマ類の他にアオムシやコナガといった害虫が寄生します。
この中で特にキャベツへ寄生しやすいコナガに対してもファインセーブ®フロアブルが有効です。
ファインセーブフロアブルはコナガの卵・幼虫に効果が期待でき、播種から定植までの間・収穫前(3日前まで)の2回に分けて散布するのが基本となります。
コナガは卵の状態で約3日間・幼虫で約9日間を過ごしますが、ファインセーブ®フロアブルなら2週間の残効性でしっかりとカバー可能です。

ファインセーブ®フロアブルのよくある質問は?

ファインセーブフロアブルのパッケージ

Q.ファインセーブはどのように効果を発揮しますか?摂食、接触、吸入?

A.ファインセーブ®フロアブルは害虫に接触または摂食することで殺虫効果を発揮します。
 浸透移行性、浸達性が無く、主に薬剤が掛かった箇所が保護されますので散布ムラのないように薬液を散布して下さい。
 花弁や果実のヘタの中に侵入している害虫には効果が劣る場合があります。

Q.カブリダニ類への影響日数を教えてください。

A.ククメリスカブリダニ、スワルスキーカブリダニへの影響日数は0日です。その他のカブリダニ類への影響日数はこちらをご確認ください。

Q.ミツバチへの影響日数を教えてください。

A.セイヨウミツバチ、クロマルハナバチ、セイヨウオオマルハナバチへの影響日数(訪花活動に対する影響)は1日です。

Q.お勧めの展着剤を教えてください。

A.濡れ性のよいものを選んでご使用下さい。
 なお、濃く展着剤を使用した場合に、展着剤の成分がファインセーブ®フロアブルの有効成分を洗い落としてしまい効果が発揮されないことがありますのでご注意ください。

Q.ファインセーブ®フロアブルはきゅうりには使えないのですか?

A.きゅうりには薬害が出易いため、農薬登録を取得しておりません。

Q.混用薬害事例について教えてほしいです。

A.混用薬害試験事例についてはこちらからご確認ください。

大切な作物をアザミウマ類から守ろう!

繁殖力の高さと寄生の気付きにくさが厄介とされているアザミウマ類ですが、生態や被害内容をしっかり押さえておけば対策は難しくありません。
それでも侵入を許してしまうことはありますが、ファインセーブ®フロアブルを使用すれば天敵や有用生物を守りながら効果的にアザミウマ類を防除できるでしょう。

愛情を込めて育てた大切な作物たちを守るために、ファインセーブ®フロアブルの導入を検討してみてください。

ファインセーブ®フロアブルの詳細はこちら

ファインセーブは登録商標第5543984号

【お問い合わせ】
日本化薬株式会社 アグロ事業部
電話:03-6731-5321(平日9:00〜17:30 ※土・日・祝日及び当社休業日を除く)

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