マイナビ農業TOP > 就農 > みんなに「カッコイイ!」と思ってもらえる農家を目指して

タイアップ

みんなに「カッコイイ!」と思ってもらえる農家を目指して

みんなに「カッコイイ!」と思ってもらえる農家を目指して

陸前高田市は、岩手県の沿岸南部に位置する中山間地域です。ほかの地域と比べて農地面積が少なく、限られた土地を最大限に活用して農業生産性を高める取組を行っています。水稲と高収益作物を組み合わせた「陸前高田型農業」のほか、市独自の助成や補助が充実。今回は、そんな陸前高田市で2022年に就農した小金山忍さんをご紹介します。

twitter twitter twitter

取材協力いただいたピーマン農家/小金山 忍さん

小金山 忍さん

【プロフィール】
・年齢:41歳
・就農年数:3年目(2022年就農)
・出身地:岩手県陸前高田市
・地域:岩手県沿岸南部 ・陸前高田市
・規模:ピーマン22a、スイートコーン(大和ルージュ)10a、しょうが(黄金しょうが)10a
・活用資金・事業:新規就農者育成総合対策/経営開始資金(農林水産省)・担い手育成特定資産事業(公益社団法人岩手県農業公社)
・営農形態:1人(本人)
・暮らし:実家近くで妻と4人の子どもとの6人暮らし
※2024年7月現在

手探りで飛び込んだ農業の世界

――陸前高田市で就農したきっかけを教えて下さい。

高校を卒業してすぐに、自動車整備士の学校へ通うため県外へ行き、バイク屋に就職しました。その後、東日本大震災をきっかけにUターンし、自動車学校で働きました。でも30代半ばを過ぎた頃に脳梗塞を患い、今まで通りに働けなくなってしまったんです。もともと実家が兼業農家だったことから、自分も始めようと一念発起。新規就農者として、新しいスタートを切りました。

「太陽の光をたっぷり浴びる農業は、体と心の健康につながります」と語る小金山さん

新規就農の不安は情報収集で解消!

――就農する際に悩んだことはありますか?
一番悩んだのは、収入面についてです。家族がいますし、ちゃんと生活していけるか心配でした。でも国や市の補助金を活用したり農協に相談しに行ったりして、一つずつ不安を解消していきました。インターネットで調べるだけでなく、自分から動いたことで得た情報もたくさんあります。

――最初の栽培作物として、ピーマンを選んだ理由を教えて下さい。
就農後の3年は、設備などの費用がかかり収益が出しづらいです。そのため、まずは一人で栽培できる体制を作りたいと考えていました。陸前高田市ではピーマンのほか、トマトやきゅうりなども振興作物になっていますが、それぞれの作業時間を照らし合わせた結果、ピーマンが一番条件に合っていたんです。
1年目で1,200本(11a分)、2年目で1,600本(15a分)の苗を定植。3年目の今年(令和6年度)は2,300本(22a分)を目指していて、来年(令和7年度)は3,300本(31a)が目標です。これは、気仙地区でトップクラスの規模になります。
※気仙地区とは、大船渡市、陸前高田市、住田町の範囲

朝一番で収穫したピーマンは、みずみずしくて生で食べてもおいしい

農福連携で生まれた新たなつながり

――農福連携にも力を入れていると伺いました。
陸前高田市には、地元の農家と福祉関係事業所をマッチングする「タカタアグリコンソーシアム」という団体があります。そこを通じて、昨年から就労継続支援B型事業所の皆さんにピーマンの選別作業を手伝ってもらっています。それまでは徹夜仕事も珍しくなかったので、とても助かっています。

福祉施設の利用者に説明しながら一緒に作業を行う

これまでの経験を生かして作業効率をアップ

――選別作業の効率化を図るため、特殊な機械を使っているそうですね。
これまでピーマンの重量選別は、一つずつ計りに乗せて重さをチェックしていました。
例えば1年目の頃は、朝3時から14時頃まで収穫すると収量は120キロほど。そこから一人で選別作業をすると、終わるのは明け方の4時頃になります。選別機を導入したくても、ピーマン専用のものは中古品が出回らないみたいで…。試しに似た形のサクランボ選別機を改良してみたら上手くいって、作業時間が大幅に短縮できました。バイク屋で培った技術が、こんな風に役立つなんて思いませんでした。

――もともとチャレンジ精神が旺盛なタイプですか?
昔から変わらないのは、「まずはやってみる」というスタンスです。今はピーマンのほ場で使うアーチパイプも、単管パイプを曲げて自作しています。使用する本数が多く、既製品を購入すると経費がかさみます。自分で作ることで、コストカットにつながりました。

試行錯誤してたどり着いた理想のアーチパイプ

また、ピーマン以外の作物にも挑戦しています。一つはスイートコーンの「大和ルージュ」で、たまたまSNSで見かけたのをきっかけに作り始めました。「大和ルージュ」は実も芯も赤く、旨味が濃いのが特徴です。また「黄金しょうが」も作っていますが、こちらはしょうがシロップに加工したものも販売しています。

この地域で「大和ルージュ」を栽培したのは小金山さんが初めて

就農してから感じる暮らしの変化

――就農後、変化したことはありますか?
家族との時間が増えたことが大きな変化ですね。以前は朝早く家を出て夜遅くに帰宅する生活だったので、子どもと顔を合わせる時間がありませんでした。でも今は、子どもたちと一緒に朝ご飯を食べたり学校に送り出したりしています。あとは暇さえあれば、趣味の海釣りに出かけます。ここは海が近いので、早朝や夜間に気軽に行くことができて良い気分転換になっています。

――今後の目標について教えてください。
法人化することと、地域の農業を集約化して農業共同体みたいなものを作りたいと思っています。遊休農地を活用して、みんなで農業ができるようにしたい。あとは、みんながカッコイイと思える農家を目指しています。しっかり売り上げを立てて、周囲から「農業って面白そうだな」と思ってもらえるようになりたいです。

「自分が作った野菜をブランド化するのが目標です」と教えてくれた小金山さん

就農に悩んでいるなら、まずはチャレンジ!

――最後に、新規就農を検討している人に向けてメッセージをお願いします。
農業の魅力は、なんといっても成果が目に見えてわかることです。やればやった分だけ、結果が出ます。また、この地域は小さい規模でも農業を始めやすく、助けてくれる先輩農家がたくさんいます。実際にやってみて初めてわかることも多いので、興味があるならぜひチャレンジしてほしいです。

陸前高田市の就農支援情報はこちら

岩手県の就農支援情報はこちら

インタビュー動画公開中!

お問い合わせ
大船渡地方農業振興協議会(大船渡農業改良普及センター)
〒022-8502 岩手県大船渡市猪川町字前田6-1
TEL. 0192-27-9918
FAX. 0192-27-9936
MAIL. CE0021@pref.iwate.jp

タイアップ

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する