焼却炉の設置はルールに則る必要がある
農作業の中で出てきた産業廃棄物は、廃棄物焼却炉を導入することで処理に掛かるコストダウンや省力化が期待できます。しかし、焼却炉でゴミを燃やす際には環境への配慮が必要。煙などの排出には基準が設けられている他、焼却炉を設置する際にも、さまざまな法律や地域の条例などに則る必要があります。
焼却炉に関連する法律
本章では、焼却炉を設置するに当たって関連する、代表的な法律を紹介しましょう。
大気汚染防止法
まず、事業場などから排出される大気汚染物質については、大気汚染防止法でその基準が定められています。焼却炉の場合は、火格子面積 2平方メートル以上、焼却能力 200㎏/h以上の場合に適用を受けます。燃やすときに発生する「ばい煙」(いおう酸化物・ばいじん(スス)・有害物質)が排出基準に適合しない場合、罰則が課されます。
ダイオキシン類対策特別措置法
焼却炉の火床面積が0.5平方メートル以上、または焼却能力が50kg/h以上の場合、適用されます。これに当てはまる焼却炉を新設する場合は、工事着手の60日前までに都道府県知事に届出を提出する必要があります。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、産業廃棄物を出す事業者が守らなければならないルールのことで、廃棄物処理法や廃掃法などともよばれます。作物残さをはじめとする農業ゴミの他、焼却炉でゴミを燃やした際に発生した灰も燃え殻として産業廃棄物に該当するため、適切に処理をしなければなりません。
焼却炉の構造基準も決められている
廃棄物処理法の施行規則では、焼却炉の構造基準が定めています。
例えば、「空気取入口と煙突の先端以外に焼却設備内と外気とが接することなく焼却できること」、「燃焼ガスが800℃以上の状態で焼却できること」などの基準があり、これらに適合するものでなければなりません。
野焼き(屋外での焼却)は原則禁じられている
焼却炉の話題からは少し外れますが、廃棄物処理法では、屋外で廃棄物を焼却する野焼きを原則禁じています。一方、農業を営む上でやむを得ないとされる焼却は例外とされており、例えば、農地での刈草の焼却などは認められています。ただし、ビニールや廃プラスチックなどの焼却は野焼きの例外として認められていないため、使い終えた農業用ビニールなどはルールを守って廃棄しましょう。
また、例え法律上の例外とされてはいても、近隣住人から煙や臭いを嫌がられる場合も少なくありません。トラブルを避けるためにも、風向きを考慮したり、燃やす量を少なくするなどの配慮が必要です。
消防法
建物の内外に一定規模以上の焼却炉を設置する際には、消防署長などに届け出る必要があります。地域により基準が異なるため、地域の消防署などへ事前に確認すると良いでしょう。
その他の関連法規
焼却炉を設置する際に大きな騒音や振動を起こすような工事の場合は、騒音規制法や振動規制法が関連します。この他、建築基準法により、6mを超える煙突は建築確認を受けなければなりません。
焼却炉の規模や目的によっては届出が必要
上記で紹介したように焼却炉の設置については、いくつかのルールが関連します。設置の前に届け出や許可を得る必要なものもありますので留意しておく必要があるでしょう。これらに違反した場合は罰則が課される可能性があるため、注意が必要です。
不明な点などは、設置する地域の自治体などに問い合わせるようにしましょう。
法律 | 対象 | 備考 |
---|---|---|
大気汚染防止法 | 火格子面積 2平方メートル以上 焼却能力 200㎏/h以上 |
環境省ホームページにて届出先を確認できる |
ダイオキシン類対策特別措置法 | 火床面積が0.5平方メートル以上 または焼却能力が50kg/h以上 |
工事着手の60日前までに都道府県知事に届出を提出 |
消防法 | 地域ごとに異なる (東京都の場合、据付面積1平方メートル以上) |
法律の基準に適合した、小型高温焼却炉がおすすめ
生産者が焼却炉を導入するに当たっては、法律の基準に則っていることはもちろんのこと、環境に配慮された設計であることも検討材料の一つになるでしょう。
さまざまな基準をクリアし、簡単に設置・利用でき、環境にも優しい-。そうした製品をお探しの方には、朝田ケミカル株式会社の小型高温焼却炉がおすすめ。1951年創業の株式会社朝田商会に端を発する同社は、機能性肥料『こっこりん®』を手掛ける企業としても知られます。
ここでは、同社が手掛ける小型高温焼却炉の特徴について見ていきましょう。
焼却炉の設置、廃棄物処置に関する法律に適合
同社の小型高温焼却炉「ACE0.5型焼却炉」は、火床面積が0.5㎡以下、処理能力50kg/h以下であるため、大気汚染防止法やダイオキシン類対策特別措置法の対象外。廃棄物処理法で定められている手続きも不要であるため、簡単に設置できます。
環境にやさしい
環境に配慮されている設計も大きな特徴です。
同社の小型高温焼却炉の炉内温度は1000℃以上という高温。高温での焼却が可能となることで、廃棄物を徹底的に燃やします。ダイオキシン類を分解するばかりでなく、酸性雨の要因となる一酸化炭素や多数の有毒ガスの放出防止にも一役買います。
補助燃料に廃油を利用可能
燃焼室は同社独自の構造により、ばい煙や悪臭を低減。更に、短時間で高温にするための補助燃料に、廃油(潤滑油やテンプラ油)の使用もできます。これによりランニングコストを抑えられることもうれしいポイントです。
高い耐久性と安全性
燃焼室には、溶鉱炉にも採用される超高温用耐久材を使用。また、独自の構造による断熱効果や熱膨脹への対処などから、炉外への熱放射がほとんどないそう。それでいて部品点数を減らしたシンプルな構造のため、万一の故障の際にも交換部品が少なくて済むといいます。
ルールに則り、コストダウン・省力化の実現を
近隣の住民への配慮という身近な視点でも、地球環境という広い視野でも、環境に優しい農業は今後ますます重視されるでしょう。同時にコストダウン化を図ることも、経営の観点では無視できません。焼却炉の導入は、この点で選択肢になり得るでしょう。
法律に則り、そのうえで更に環境への配慮がある焼却炉を導入してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
朝田ケミカル株式会社
https://asada-chemical.co.jp/
TEL:03-5962-9901/FAX:03-5539-4242