マイナビ農業TOP > 生産技術 > スプラウトの育て方。必要なアイテムや栽培のコツを家庭菜園愛好家が解説

スプラウトの育て方。必要なアイテムや栽培のコツを家庭菜園愛好家が解説

itoh.tomohiro

ライター:

スプラウトの育て方。必要なアイテムや栽培のコツを家庭菜園愛好家が解説

健康志向の高まりとともに野菜の新芽「スプラウト」が大きな注目を集めています。ブロッコリーの新芽に含まれる「スルフォラファン」という成分がラットのがん発生・増殖を減少させたことが25年ほど前に報告され、これを機にアメリカで大きなブームに。その後、日本にも上陸してさまざまなスプラウトが商品化されるようになってきました。日本でもなじみ深い「かいわれ大根」もスプラウトの一種。本記事ではさまざまな種類のスプラウトを詳しく解説するとともに、筆者の経験に基づいたスプラウトの育て方についてもお伝えしていきます。

twitter twitter twitter

スプラウトとは?

スプラウト(sprout)とは、植物の新芽のこと。さまざまな料理に活用できて家計を助けてくれる「もやし」のほか、料理のあしらいや薬味としてよく用いられる「かいわれ大根」などがスプラウトの代表選手といえるでしょう。

植物の種が発芽して成長を始めると、種の状態では存在しなかったさまざまな栄養成分を自分で合成するようになります。ビタミンやミネラル、タンパク質などが豊富に含まれるスプラウトは「天然のサプリメント」と呼ばれることもあるほど栄養価に優れた食材。日本で普及しているスプラウトの種類はわずかですが、世界で食されているスプラウトは40品種以上にも上ります。

スプラウトの種類

スプラウトには、植物を暗室で育てる「もやしタイプ」や発芽した後に明るい環境で育てる「かいわれタイプ」、かいわれタイプよりも早く出荷する「中間タイプ」、玄米などをスプラウトにした「発芽玄米タイプ」などがあります。それぞれ詳しく解説していきます。

もやしタイプ

主にマメ科の種子を発芽させ、茎が太めで種子を頭につけたまま伸びていくのが「もやしタイプ」のスプラウトです。緑豆もやし、大豆もやし、黒豆もやし、アルファルファ、フェヌグリークなどがあります。栽培日数は3日程度。ずっと暗室で育てるので全体が白っぽいのがもやしタイプの特徴です。

かいわれタイプ

アブラナ科を中心とした種子を発芽させたものが「かいわれタイプ」のスプラウトです。かいわれ大根をはじめ、ブロッコリー、ムラサキキャベツ、マスタード、クレス、豆苗、ソバ、カラシナ、シロガラシなどがあります。茎が伸びるまでは暗室で育て、明るい環境に移して緑化を促します。栽培日数は5〜10日程度です。

中間タイプ

もやしタイプとかいわれタイプの中間にあたるのが「中間タイプ」のスプラウトです。暗室で発芽させてから数日後に光をあて、緑化したらすぐ収穫します。村上農園社製の「ブロッコリースーパースプラウト」は、成熟したブロッコリーの20倍以上もの高濃度スルフォラファンを含みます。

発芽玄米タイプ

発芽玄米、緑豆、アズキ、ケツルアズキ、レンズマメ、ヒヨコマメなど、発芽後すぐに種ごと食べるのが「発芽玄米タイプ」のスプラウト。玄米はビタミン・ミネラルをはじめ、たんぱく質や食物繊維が豊富ですが、発芽することで「GABA」という健康成分が増加することが注目されています。

スプラウトでとれる栄養素

スプラウトは、それぞれの野菜の種子に凝縮された栄養と、光合成による野菜の栄養を併せ持っています。たとえばブロッコリースプラウトはβ-カロテンや、ビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維などを多く含み、成長したブロッコリーの約3倍ものβ-カロテンが含まれています。

栄養を逃さない食べ方

さまざまな栄養成分やファイトケミカルが詰まっているスプラウト。サラダにトッピングするのが最も手軽な方法です。それ以外にもさまざまな料理のあしらいやトッピングに活用いただけます。ビタミン類を多く含むため、加熱せずにそのまま使うのが栄養を逃さない食べ方のコツといえるでしょう。

実際にスプラウトを育ててみた

スプラウトを気軽に育てられる栽培キットなら、家庭でもスプラウトを育てることができます。ここでは筆者の栽培レポートを通じて、上手に育てるコツやポイント、スプラウトが育っていく経過などをお伝えしていきます。

スプラウト栽培キットを購入!

インターネット通販でスプラウトの栽培キットを購入しました。
今回は1000円ほどのポットのみを購入。野菜の種までセットになった商品も販売されており、家庭菜園初心者の方に特におススメです。

栽培キットは水をはる容器とタネを並べるザル。栽培のための丁寧な解説カードも入っていました。ザルの一部に注水口がついていたので水の量を調整しやすかったです。

タネを探しに園芸店へ

大きめの園芸店に足を運ぶと、スプラウトのタネコーナーができていました。計16種ほどのオーガニックの種子が解説コメントとともに並んでおり、ワクワクしますね。

今回は1番人気のブロッコリースプラウトを購入。300円台の価格帯で何度も栽培できるので、スーパーなどでスプラウトを購入するよりおトク感がありますね。

スプラウト栽培の手順

種まきして、容器に水を注ぐ

カゴ部分の穴がちょうどいい大きさなので、適当にパラパラとまくだけで穴にすっぽり収まりました。注水口もついているので便利ですね。

スプラウトの栽培適温は18℃〜22℃。多湿になる場所やエアコンの風が直接当たる場所、直射日光が当たる場所などは避けてください。

容器の横に注水の目安ラインがあり、水の量もちょうどよく調整できる工夫がされていました。

タネが水につくかつかないかという程度でそのまま置いておきます。

実験したのが夏だったこともあり、わずか1晩で発芽しました!

スプラウトの成長過程

3日もするとスクスクと育ちはじめます。
水は新鮮な状態を保てるよう、毎日交換していました。

夏場は腐りやすいので注意して風通しの良い場所で育て、冬場は温かい場所に置くのが栽培のコツです。

上に伸びるだけでなく、根もグングン伸びていきます。透明なキットなので観察がとても楽しいです。お子さまの食育にも役立ちそうですね。

アイキャッチ

一週間ほどでカゴから飛び出す長さまで成長しました。

根っこもかなりの長さになってきました。そろそろ収穫のタイミングです。

ハサミで根っこのギリギリをカットして収穫です。サラダにトッピングしておいしくいただきました。想像していた以上に香りが高く、強い甘みを感じたのが印象的でした。
収穫したら容器を洗い、次のタネをセットします。土などで汚れることもなく1日1回水を替えるだけなので気軽に栽培を楽しめますね。

スプラウトの成長を楽しみながら栄養接種!

今回の記事ではスプラウトが秘めている健康パワーと実際に育てる楽しみの両方をご紹介していきました。

簡単なキットを準備して水替えをするだけで栽培できるスプラウトは、家庭菜園の最初の一歩としても魅力的ですし、小さな種から目がグングンと伸びていく様子を観察するのは非常に楽しい経験になります。

収穫したスプラウトを料理にあしらうことで食卓がより華やかになりますし、その健康パワーをあますことなく摂取することができます。ぜひ毎日の食事にスプラウトを取り入れ、ご自身で珍しいスプラウト栽培にチャレンジしてみてください!

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

公式SNS

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する