キュウリってどんな野菜?
キュウリは、夏を代表するウリ科キュウリ属の野菜です。「黄瓜」と書くように、完熟すると黄色くなる野菜で、昔は完熟したものも食べられていましたが、現在は若い緑色の状態で収穫するのが一般的です。
代表的なキュウリの種類には、表面にいぼがある「白いぼキュウリ」と「黒いぼキュウリ」があり、日本では病気に強く生食に向く「白いぼキュウリ」が主流です。また、表面の粉(ブルーム)がないタイプが現在では一般的で、歯切れの良さが人気を集めています。キュウリは95%以上が水分で、カリウムやビタミンCなども含まれており、夏の水分補給にぴったりの野菜です。
家庭菜園でのキュウリの栽培方法
キュウリは家庭菜園初心者にもおすすめの野菜です。
種まきは4月から5月が適期ですが、初めての人は苗から育てるのが手軽で失敗しづらいので、おすすめです。5月ごろから植え付けを行いましょう。支柱を立てて、つるを誘引することで、水はけを良くし、病原菌や害虫の接触を防ぐことにもつながります。キュウリは水分を多く必要とするため、土が乾かないよう水やりするのが重要です。
また、キュウリは実の成長が早いので、収穫のタイミングも重要です。20センチほどまで成長したらすぐに収穫しましょう。放っておくとどんどん大きくなって皮が硬くなってしまい、生で食べるのが難しくなります。
一般的には6月〜8月の間収穫できます。
キュウリの代表的な種類4選
白いぼキュウリ
白いぼキュウリ | |
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特徴 | 国内流通の大半を占めるキュウリ 歯切れが良く、アクが少ない |
旬の時期 | 7月〜9月 |
代表品種 | アンコール 夏すずみ Vシャイン さつきみどり 四川(しせん)など |
白いぼキュウリは国内流通の大半を占めるキュウリで、皮が濃い緑色で、小さな白いトゲ(いぼ)が特徴です。この白いいぼは鮮度のバロメーターで、ピンととがっているものほど鮮度が良いです。
鮮やかな緑色で皮が薄く、果肉はみずみずしく柔らかで歯切れが良く、アクが少ないため、万人に好まれる味わいです。
市場に多く出回っているのは「アンコール」や「夏すずみ」などの品種で、サラダや和え物、漬け物など幅広い料理に利用されます。
黒いぼキュウリ
黒いぼキュウリ | |
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特徴 | かつては全国的に主流だったが現在は貴重 皮が厚くしっかりとした歯応えがある |
旬の時期 | 6月〜9月 |
代表品種 |
加賀節成(かがふしなり) 落合節成(おちあいふしなり) など |
黒いぼキュウリは、厚い皮と黒いトゲ(いぼ)が特徴の昔ながらのキュウリで、かつては全国的に主流でした。皮が厚くしっかりとした歯応えがあり、味が濃厚なので、炒め物や煮物などの加熱料理にぴったりです。
しかし、1960年代以降、サラダなど生食に適した歯切れの良い白いぼキュウリが主流となり、黒いぼキュウリの栽培は少なくなりました。現在では、主に九州や四国など限られた地域でわずかに生産されている貴重な品種です。
いぼなしキュウリ
いぼなしキュウリ | |
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特徴 | トゲがないキュウリ スティック野菜としておすすめ |
旬の時期 | 6月〜9月 |
代表品種 | フリーダム ラリーノ など |
いぼなしキュウリは、表面がツルツルしており、一般的なキュウリにあるトゲ(いぼ)がないのが特徴です。皮は濃い緑色で光沢があり、歯切れが良く、シャキッとした食感が楽しめます。
いぼがないため加工がしやすく、トゲが取れた部分から雑菌が入りにくいので、業務用としても人気です。代表品種には「フリーダム」やミニサイズの「ラリーノ」があり、どちらも生食に最適。サラダやスティック野菜としての利用がおすすめです。
半白キュウリ
半白キュウリ | |
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特徴 | 緑から白へグラデーションする皮が特徴 みずみずしさとパリッとした歯応ごたえが魅力 |
旬の時期 | 6月〜9月 |
代表品種 | 半白節成(はんじろふしなり) 相模半白節成(さがみはんじろふしなり) 馬込半白節成(まごめはんじろふしなり) 高井戸半白キュウリ 半白きゅう太郎 など |
半白キュウリは、皮が緑から白へのグラデーションが特徴の伝統的なキュウリで、古くから日本で親しまれてきました。現在では、主に九州や奈良県葛城市などで地域ブランド野菜として栽培されており、「大和野菜」としても有名です。
味わいはキュウリ本来の風味が強く、みずみずしさとパリッとした歯応えが魅力で、漬物やサラダにぴったり。皮が柔らかく歯切れが良いため、薄切りや生で食べるのもおすすめです。
その他の国内のキュウリ
花丸胡瓜
花丸胡瓜 | |
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特徴 | 3センチほどの小さな黄色の花がついている 花も食べられる |
旬の時期 | 6月〜8月 |
花丸胡瓜は、キュウリを花のついた幼果のうちに若採りしたもので、3センチほどの小さなサイズで先端に黄色の花がついているのが特徴です。可愛らしい見た目を生かし、料理の飾りやお弁当などの彩りとして使われます。
味は一般的なキュウリと大きく変わらず、若干の苦味があり、みずみずしい食感が魅力です。炒め物や漬物にも使えるほか、花も食べられるので、花をつけたまま調理することで一層華やかな一品に仕上がります。主に愛知県の東三河地域で収穫され、愛知県の特産として知られています。
鵜渡川原(うどがわら)きゅうり
鵜渡川原きゅうり | |
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特徴 | 果実は短く、淡い緑色で太め、黒いいぼが特徴 生産量が限られており希少 |
旬の時期 | 7月〜10月 |
鵜渡川原きゅうりは、山形県の酒田市亀ヶ崎地区で古くから栽培される小型の伝統野菜で、方言で「小さい、かわいい」を意味する「めっちぇこ」という言葉を使った「めっちぇこきゅうり」という名前で商標登録もされています。
実は短く、淡い緑色で太め、黒いいぼが特徴です。生食ではほのかな苦味が感じられますが、特に漬物にすると抜群の歯応えとパリパリ感を楽しめます。
生産量が限られており、指定の農家のみで栽培されています。鮮度が落ちやすいため、収穫後は迅速に出荷される希少な品種です。
加賀太キュウリ
加賀太きゅうり | |
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特徴 | 一般的なキュウリの4〜5倍もある大きさ 果皮は硬く濃緑色、果肉は厚く柔らか |
旬の時期 | 5月〜10月 |
加賀太きゅうりは、石川県の伝統野菜「加賀野菜」の一つで、その特異な大きさが特徴です。一般的なキュウリの4〜5倍もある直径6〜7センチ、長さ22〜27センチの俵型で、重さは600g以上になります。
果皮は硬く濃緑色、果肉は厚く柔らかで風味豊かです。食味が良く、煮物や漬物、酢の物に使われ、日持ちがするため保存性にも優れています。昭和初期から改良を重ねて現在の姿になり、和洋さまざまな料理に活用される加賀特産のキュウリです。
まとめ
キュウリはさまざまな品種があり、それぞれに特徴と栽培の適性があります。日本では白いぼキュウリが主流ですが、加熱料理に向く黒いぼキュウリや、ツルツルしたいぼなしキュウリも魅力的です。また、加賀太きゅうりや鵜渡川原きゅうりなど、地域に根付いた伝統的な品種も注目されています。お気に入りの品種を見つけて、ぜひキュウリの魅力を味わってみてください。
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