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クボタが全地形型車両(KATR)を開発 果樹栽培の省力化に産地と共に挑む

クボタが全地形型車両(KATR)を開発 果樹栽培の省力化に産地と共に挑む

中山間地などの不整地でも荷物が運べる全地形型車両『KATR(キャトル)』。キャトルの利用で農業はどう変わるのか。キャトルのコンセプトに共感し、開発に協力している広島県・大崎下島のレモン産地を訪問し、お話を伺ってきました。記事の後半ではキャトルの無料試用キャンペーンについて紹介します。

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愛とレモンで島おこし!?「とびしま柑橘倶楽部」の取り組み

今回お話を伺ったのは、「とびしま柑橘倶楽部」(株式会社クレセント)の代表、秦利宏さんです。かつてレモンの生産地として名を馳せた広島瀬戸内海に浮かぶ島々を、レモンで再興させたいとの思いから同団体を立ち上げ、「黄金の島再生プロジェクト」に取り組んでいます。

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秦さんが経営するカフェレストラン「とびしま839」。地元産レモンやジビエを使った料理の提供で地域から愛される店となっています

「きっかけはある生産者から持ち込まれた、廃棄予定の柑橘です。パンやケーキを製造・販売する当社の工房に持ち込まれたその柑橘を、何かに役立てることはできないか?というところからスタートしました。生産者との交流の中で、高齢化や後継者不足、過疎化など地域の未来に危機感を持ち、2010年にとびしま柑橘倶楽部を立ち上げました」と、秦さんは当時を振り返ります。

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「とびしま柑橘倶楽部」(株式会社クレセント)の代表 秦利宏さん

レモン需要が高まる昨今、農家の高齢化や後継者不足が課題

広島県のレモン栽培量は4000tを超え、国内シェア率65%と全国トップの生産量を誇っています。なかでも、大崎下島は広島県内のレモンの約50%を出荷する一大産地。近年、レモンを使用したアルコール飲料などのブームもあり、レモンへの需要は非常に高まっています。

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「国産品へのニーズの高まりもあり、引き合いは多い」と秦さん

「一方で、柑橘の生産者の平均年齢は75歳に手が届き、畑は最盛期の3分の1程度まで減少しています。とびしま柑橘倶楽部では定期的に生産者とミーティングを行い、6次産業化や販路拡大などを一歩ずつ進めてきました。荒れ地となったレモン畑の再生も活動の一つです。傾斜のある石段の畑は水捌けが良く、味の良い柑橘が実りますが、その分作業は大変なので、次世代に向け、新たな農業の形を目指す必要があると考えていました」と、秦さんはプロジェクト成功に向け、中長期的な視点で話します。

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現在整備を進めるレモン畑。急こう配の坂を上った先にあり、畑に向かうだけでも一苦労です

目指すは地形を生かした農業 クボタの新農機『KATR』との出会い

ITやIoTを取り入れた農業の必要性を強く感じていた秦さんは、5年ほど前に大崎下島の抱える課題をクボタに投げかけました。その中で、傾斜地や凹凸のある路面で高い走行性能を発揮する車両『KATR(キャトル)』に出会います。

大崎下島の急傾斜で狭小な畑でも、このくらい小型であればスムーズに作業できるのではないか。秦さんとクボタは話し合いを重ね、2020年に大崎下島で長年柑橘を栽培する「下田農園」にて初号機での実証実験を開始。現場の要望に合わせて改良が加えられたキャトルは現在、荷物の運搬以外に農薬散布などのさまざまなオプションも開発中です。

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全地形型車両『KATR(キャトル)』

クボタの機械総合研究ユニットに所属する平岡実さんは、
「全幅1160mmサイズのキャトルは、軽トラックや商用バンに乗せて移動させることができます。小回りが利くため、車で入れなかった狭小地でも活躍でき、大崎下島のような傾斜地で栽培される果樹園などの需要に応えられる農機だと思います」と自信を見せます。

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株式会社クボタ 機械総合研究ユニット 平岡実さん

車輪や脚の角度が自動で変わり、デッキ部を水平に保ったまま、最大で240kgの積載が可能です。急坂でも器用に脚を曲げ伸ばしてバランスを取って走行します。走行中、デッキ部分が傾くこともなく積み上げたレモンのコンテナは荷崩れしません。

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収穫した作物をスムーズに運搬できます

農家の声をしっかり反映。オプションも充実

実際にキャトルを使用した実証実験が行われた、柑橘農家の下田農園の下田さんにもお話を伺いました。下田農園では4.5反の敷地に、レモンやミカン、不知火、八朔などの柑橘を育てています。とびしま柑橘倶楽部の活動を通じて秦さんと知り合い、意見交換をするようになったといいます。

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下田農園。奥の傾斜にはミカン畑が広がっています

「今は基本的に私と娘の二人で農作業を行っています。収穫時には1杯18kgにもなるコンテナを、1日に24杯も車まで運ぶんですよ。年齢もありますし、本当に大変です。最初に秦さんからお話をいただいて、農園内をキャトルが動いているのを見た時は、凸凹の傾斜地でもこんなに器用に動くんだと驚きました。高齢化の進むこの島でこういった機械があれば重いコンテナを運ぶ作業が楽になりますし、若い人が農業に入って行きやすくなればいいなと思います」と下田チサコさん。

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下田農園 下田チサコさん

キャトルは手元のレバーで操作、もしくはリモコンで遠隔操作が可能です。また、レバーに繋がるひもを軽く引っ張って、追従させるように動かすこともできます。

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専用のひもを取り付けることで機械を直接、楽に動かすことができます(左)キャトルによる防除作業のデモンストレーションの様子(右上)シンプルな操作パネル(右下)

「下田さんや秦さんからは、実証実験中にさまざまなお声をいただきました。当初は収穫コンテナの運搬をメインに想定していましたが、もっと高さのある苗や農機具など運搬するための柵や、防除のための噴霧装置などいろいろな利用方法に合わせ、オプションを追加できるようになりました。今後もさまざまな生産者の方に利用いただき、使い勝手のいい製品へと改良を加えていければと思います」と、平岡さんは話します。

秦さんも、「もちろんキャトルが通れない道幅の畑もあるので、この1台で全てが解決できるわけではありません。機械に合わせた畑の整備、あるいはもっと機械自体を小型化するお話も出てくるかもしれません。今後も向き合うべき課題は山積みですが、今までと同じやり方では衰退していくばかりなので、知恵を絞りながら頑張っていきたいですね」と前向きです。

さまざまな課題を抱える生産者を、新たな機械や仕組みでサポートしていこうという「とびしま柑橘倶楽部」とクボタの取り組みは、これからも一歩ずつ解決に向けて進んでいくことでしょう。

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左から下田さん、クボタの機械総合研究ユニットに所属する陣内さん、池田さん、道正さん

キャトルを無料試用できるチャンス!

キャトルの実証実験は今後も継続予定ですが、クボタの行っている農機のシェアリングサービスのラインナップにも実証的に加わる予定です。

「クボタ農機シェアリングサービス」は、24時間・1時間単位で、スマホから予約可能。必要な時に必要な時間だけ、農機を利用できるサービスです。初期費用がかからずトライしやすい点からも人気を集めています。

農機シェアについてはこちら

今回、キャトルのシェアリング拠点となる保管場所(車庫・倉庫・納屋など)を貸し出していただける方を、台数限定で募集しています。

募集要項

対象
・拠点となる保管場所を貸し出していただける方
・保管場所に空きスペースがあり、キャトルを試用してみたい方
保管場所をお貸出しいただく期間
1年間(※)
※上記は目安です。期間中のサービス利用実績などを踏まえ、期間の変更についてご相談させていただきます。
特典
ご協力いただける方には、キャトルを一定時間(※)無料で利用できる権利をプレゼントいたします。
※無料利用可能な時間については、20時間以上を予定していますが、審査後に決定します。
応募からサービス開始までの流れ
(1)応募(締切:2025年1月31日)
(2)審査
(3)協議
(4)サービス開始(2025年4月1日を予定)

KATRのシェアリング企画への応募はこちら

また、キャトルは土砂災害や傾斜地での救助作業時の資機材運搬等への活用に向け、大阪の堺市消防局と連携し、実証に取り組んでいます。「こんな活用もあるのでは?」というご意見も大歓迎。キャトルや農機シェアに関心を持たれた方はぜひ気軽にお問い合わせください。

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株式会社クボタ イノベーションセンター 農機シェアリングサービス運営窓口

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