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部屋が癒しの空間に!丈夫で育てやすいカポック(シェフレラ)の魅力と育て方

itoh.tomohiro

ライター:

部屋が癒しの空間に!丈夫で育てやすいカポック(シェフレラ)の魅力と育て方

筆者がはじめて購入した観葉植物がカポック(シェフレラ)です。大学に進学して一人暮らしを始めた6畳ほどのワンルームに小ぶりな鉢植えを迎え入れました。まだインターネットも浸透していない時代でしたが、どんどん葉を増やしていくその成長スピードに驚いたのを、つい昨日のことのように思い出します。冬が近付いて元気が無くなってくると慌てて書店に駆け込み、観葉植物の育て方を学びました。
近年では100円ショップの園芸コーナーにも並ぶなど、より身近な存在になったカポックの特徴や育て方のコツや豆知識、楽しみ方などをご紹介していきます。

カポック(シェフレラ)とはどんな植物?

本章では、カポック(シェフレラ)の特徴や原産地、生育に適した環境などを解説していきます。観葉植物として人気の理由も併せて見ていきましょう。

カポックの特徴

カポックは、とても丈夫で育てやすい観葉植物。艶のあるグリーンの葉が手のひらを広げるように伸びていく様子が楽しめ、新芽が次々と出てくる成長の速さも魅力です。こまめに剪定しながら育てることで樹形を自由に整えられ、初心者にも上級者にも人気があります。

「シェフレラ」とも呼ばれる理由

実は、カポックと呼ばれる植物には2種類あります。元々はアオイ科セイバ属の「パンヤ」という植物がカポックと呼ばれていたのですが、ウコギ科の「シェフレラ」も姿形がとても似ているため「ホンコンカポック」として売り出されたという歴史があります。

園芸店ではシェフレラの方が流通量も種類も多いため「カポック(シェフレラ)」と表記されることもよくあります。ちなみに「パンヤソウ(宿根パンヤ)」という多年草の草花もあります。ちょっと紛らわしいですね。

カポックの原産地・生育環境

熱帯〜温帯の地域が原産で、主に東南アジアやオーストラリアに広く分布しています。種類も600種ほどと多様性があり、白い模様の入ったものもあります。園芸店では手のひらサイズの小物から背の高い鉢植えまで購入できます。
高温多湿な環境を好みますが、耐陰性があるので室内や半日陰でも十分元気に育ちます。室内栽培する時は、窓際のような明るい場所が理想的。寒さにも比較的強いのですが、霜に当たると枯れる可能性があるので冬場は注意が必要です。

観葉植物としての人気の理由

育てやすさと装飾性の高さが人気の理由です。耐陰性があって室内でも成長し、丈夫で病害虫にも強いのが特徴です。花言葉は「真面目」や「実直」で夫婦円満のシンボルとして親しまれています。風水の世界では「調和」「繁栄」「金運アップ」につながり、玄関に飾れば良縁を引き寄せると言われています。

カポックの育て方の基本

カポック(シェフレラ)は初心者にも育てやすい観葉植物です。適切な置き場所や水やりの頻度、肥料など基本的な育て方を紹介します。

適切な置き場所の選び方

強い日光が当たると葉焼けするため、レースカーテン越しに光が当たる窓辺や半日陰の場所が最適です。乾燥に弱い植物なのでエアコンの風が直接当たる場所も避けましょう。柔らかい自然光が届く場所に置くと黄緑の葉がより美しく育ちます。

季節ごとの水やりと温度管理

鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるのが水やりの基本です。冬場は成長が緩やかになって根からの吸水量も少なくなるので、土が完全に乾いてから水やりしてください。また、冬は冷たい水が根を痛める原因になるため、気温が下がる夕方の水やりは避け、天気の良い日の午前中に水やりを行なってください。カポック(シェフレラ)の様子を観察しながら、季節によって水やりの頻度調整を行うことが大切です。

剪定や枝の手入れ方法

剪定を行うことで風通しが良くなり、病害虫のリスクも減らせます。しかし、生育が穏やかな冬場に剪定を行うと弱ってしまったり乾燥で枯れ込む可能性があるので必ず成長期の5月〜10月に行うことが大切です。伸び過ぎた枝や葉、混み合った部分をカットして好きな樹形に整えましょう。カポック(シェフレラ)は生命力がとても強く、剪定枝を水に挿しておくだけで比較的簡単に発根します。水挿しする場合は、清潔なカッターなどで切り口を斜めにカットしてください。

冬越しの方法

カポック(シェフレラ)は熱帯地域が原産の植物で、温暖な地域に自生しています。耐寒性もある植物ではありますが、霜が降りるような0℃を下回る環境は避けましょう。一度寒さにやられた葉は修復が難しく、黒ずんだり落ちてしまいますので、冬になる前に暖かい室内に移動して冬越しさせてください。一方で冬場は乾燥しやすいため、葉水を定期的に行います。冬場は元気が無くなったように見えますが、休眠期のため肥料を与える必要はありません。

肥料の与え方とそのタイミング

観葉植物の栽培には肥料焼けのしにくい液体肥料か観葉植物用の緩効性肥料を使うのがおすすめです。カポック(シェフレラ)は適切に肥料を与えることで葉が元気に保てます。成長期の4月〜11月に掛けて、液体肥料は1週間から10日に一度のペースで、緩効性肥料は効果が薄れる2カ月ごとに施肥するのが理想です。有機肥料は匂いや虫の発生源になる可能性があるため観葉植物にはあまりおすすめしません。

おすすめの肥料3選

ハイポネックス原液

扱いやすく肥料焼けのリスクも少ないのが液体肥料の魅力です。カポック(シェフレラ)に元気が無い時は特に固形の肥料より液体肥料の方が栄養分を吸収しやすくおすすめです。液体肥料は500倍に希釈して1週間から10日に1回の頻度で与えます。このハイポニックス原液は観葉植物はもちろん、花壇の花や家庭菜園の野菜にも使うことができますよ。

>>詳細はこちら

「MY PLANTS」長く丈夫に育てるタブレット

扱いやすいタブレットタイプの肥料です。観葉植物の株元の土にタブレットを置くだけで、水やりのたびに肥料がゆっくり溶け出し、カポック(シェフレラ)を元気に保ちます。効果が約2カ月持続するので、2カ月おきに追加します。パッケージもおしゃれなのでワクワク感がありますね。

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花ごころ 室内・観葉の肥料

効き目がゆっくり現れる遅効性化成肥料です。株元から2〜3cm離して肥料を置きます。錠剤タイプは扱いやすく、室内観葉植物に合わせた肥料なので匂わず虫もわきにくいのがおすすめポイントです。肥料焼けのリスクを避けるため、緩効性化成肥料は植え替え直後には使用せず2週間ほど経ってから施肥しましょう。

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植え替えの必要性と手順

カポックは成長速度が速いので、鉢内が窮屈になって根詰まりを起こすことがあります。根詰まりすると元気が無くなるので、1〜2年に1回のペースで植え替えを行いましょう。植え替え適期は成長期の5月〜10月ごろ。一回り大きな鉢を選び、排水性の良い土を使用します。室内で育てる場合は虫がわきにくく鑑賞性も高い観葉植物専用の用土を使うのがおすすめです。植え替え後しばらくは直射日光を避けた場所に置きます。

直射日光と葉焼けの防止方法

カポック(シェフレラ)は半日陰や間接的な光が当たる環境が適しています。強い直射日光は葉焼けの原因となるため、窓際に置く場合はレースカーテンなどで日差しを和らげる工夫をしてください。

よくある害虫や病気と、その予防法

カポック(シェフレラ)は病害虫にも強い植物ですが、カイガラムシやハダニが付くことがあります。カイガラムシやハダニが付くと葉が黄色くなって全体の元気が無くなります。カイガラムシやハダニは薬品への耐性も強いため、被害にあった葉や枝ごと取り除いてしまうのがおすすめ。また、ハダニは水を嫌うので葉水を定期的に行いましょう。

過湿・乾燥を避けるための工夫

根詰まりなどが原因で鉢内が過湿状態になると根腐れを引き起こし、元気を失います。その一方で乾燥が続くと枯れる原因になるため、鉢の状態を確認しながら水を与えるようにしましょう。表面が乾いてからたっぷりと水を与えるのが水やりの基本。小さい鉢で育てる時は特に注意して見守ってあげましょう。冬場は水やり頻度は少なくなりますが空気が乾燥しがちなので定期的な葉水で乾燥から守ります。

カポック(シェフレラ)の楽しみ方

相性の良いインテリア

お部屋のイメージに合わせてシンプルなものからインパクトの強いものまで選べるのがカポック(シェフレラ)の魅力です。カポック(シェフレラ)は、手のひらサイズのハイドロカルチャー(水耕栽培)から背の高い鉢植えまで、バラエティ豊かなアレンジが行えます。剪定枝を水に挿して窓辺に置いておくだけでも癒しの空間が演出できますよ。

挿し木で増やす

春から夏の成長期に剪定を行い、その枝を挿し木で増やすことが可能です。元気な枝を選んで清潔なカッターなどで切り口を斜めにします。水に挿して根が出るのを待ちましょう。水を清潔に保つために珪酸塩白土(ソフトシリカ)などを加えるのもおすすめです。

カポック(シェフレラ)についてよくある質問

葉が黄色くなってきました。

水のやりすぎで根が痛んだ時、肥料が足りない時、日光不足の時、病気にかかった時などに葉が黄色くなります。まずはカポック(シェフレラ)の状態をよく観察してみましょう。

葉が落ちるのはなぜですか?

上記の理由で葉が黄色くなった後に落ちてしまうことがあります。購入後や移動後の環境に慣れずに一時的に葉を落とすこともありますし、室温が10℃以下になっても葉が落ちやすくなります。

カイガラムシが発生してしまいました。どうすれば良いですか?

見つけたら湿らせた布で拭き取るか、葉裏にシャワーをかけて洗い流します。ひどい場合は園芸用殺虫剤で駆除できますが、薬品耐性もあるので過度の使用は避けましょう。

カポック(シェフレラ)に毒性はありますか?

全葉にサポニンや不溶性シュウ酸カルシウムが含まれます。ペットや小さな子供が誤って食べると有害(軽い嘔吐や下痢を引き起こす可能性あり)ですので、手の届かない場所に置くなど注意してください。

カポック(シェフレラ)シェフレラが斜めになります。

カポック(シェフレラ)の枝は真上に伸びず、斜めに曲がって伸びる性質があります。支柱や剪定作業で樹形を整えてあげてください。

カポック(シェフレラ)で癒しのある日々を楽しもう!

園芸店やホームセンター、100円ショップなどで気軽に入手でき、とても丈夫なカポック(シェフレラ)は、初心者の方に特におすすめの観葉植物です。原産地では樹齢100年以上の大木になるほど長寿命で、虫も付きにくく剪定をして好きな樹形に整えるのもそれほど難しくないので、観葉植物の育て方を学ぶのに適した品種のひとつでもあります。
お部屋やインテリアのイメージに合わせて、ハイドロカルチャーや鉢植えなどスタイルを変えて栽培することも可能ですし、これからの成長期は艶のある葉がどんどん育っていく様子が見られますので、ぜひ手に取ってみてください!

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