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都会人驚愕!プライバシーにまつわる田舎の仰天エピソード6選

都会人驚愕!プライバシーにまつわる田舎の仰天エピソード6選

現代は監視社会――。どこで何を買ったか、どのサイトを見たか、あなたの興味関心、政治的思想までもがスマホを通して筒抜け……と恐れている人も少なくないでしょう。でも、ちょっと待ってください。人類というのは、はるか昔からずーっと「誰かに見られている」社会で生きてきたのではないでしょうか?
プライバシーという概念がようやく誕生したのはここ最近のことですが、それを当たり前と思って生きてきた都会人にとって、田舎はまるで別世界かもしれません。
今回は、そんな田舎でのプライバシー丸見えな日常について、実体験をもとにお届けします。これから移住を考えている人は、ぜひ記事を通して新生活をイメージしてみてください。

送り主不明のサプライズ野菜

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出かけて帰ってくると、玄関になぜか大量の野菜が置いてあります。しかも驚くことに、玄関先ではなく、玄関の中に置いてあるのです。実はこれ、最もポピュラーな田舎暮らしあるあるの一つ。注文すらしていない荷物が、伝票も手紙もない状態で届く、メルカリもびっくりの「完全匿名配送便」です。

送り主が分からなければ、当然ながらお礼を言うことはできません。それでも、お礼を伝えないと“無礼者”扱い。なかなか詰んでいます。
我が家ではこの道50年の義母が特定班として鮮やかに送り主を判定してくれますが、新規移住者にとっては至難の業でしょう。ご近所さんの畑の作物を暗記すれば、少しはヒントになるかもしれません。しかし、お裾分けの更にお裾分けという線もあるため、推理は難航を極めるでしょう。

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これまで、近くの農家さんから数々のお裾分けをもらってきたナガオ。 そんな経験からか、気が付けばある特殊能力?が身についていました。

いつでも誰かが、あなたを見ている

European girl in checkered shirt, chatting sweetly with man neighbor

田舎の集落では似たような軽トラや軽ワゴンばかりが走っていますが、顔を覚えるのと同じ感覚で車のナンバーも覚えられます。「さっき佐藤さんの車が山田さんちに止まってたよ。あの二人、ケンカしてたんじゃなかったっけ?」みたいな会話が、二人の知らない間にどこかでサラッと交わされることが珍しくありません。

それだけであればまだ良いほうで、「佐藤さんは山田さんちに謝りに行って、どうにか仲直りできたらしいよ」なんて尾ひれが付いて拡散されることも。そもそもケンカしていたかどうかも未確認です。中には、ケンカはまだしも不倫を疑われるというとんでもないケースも!当事者からしたら、たまったものではありませんね。

光より速い!? 爆速イナカーネット

未来のデータ処理空間

私の“ヨメ友”の名言、「田舎の噂(うわさ)は光回線より速い。イナカーネットやで」。あまりに正確すぎて震えました。一度放たれた情報は、誰が伝えたか不明のまま、一瞬で集落内を駆け巡ります。嘘も真実も等しく伝播するあたりは正にインターネット!更に自分自身も知らぬ間に中継地点にいたりしてゾッとするのです。昨日聞いた加藤さんのナイショ話があちこちに広まっている。私は誰にも言っていないのに。と、いうことはあの時一緒に居た田中さんがまさか……。

人の噂話は楽しいものです。娯楽の少ない田舎においては貴重な、「自給自足できるエンターテインメント」でもあります。もちろん、インターネットやテレビでも芸能人のゴシップが日々話題になっているように、人の噂話が好きなのは田舎に限ったことではありませんが。

みんなで共有!個人情報

田舎における個人情報とは守るものではなく回覧されるもの、もはや「公共財」です。名前・住所・電話番号は当然として、年齢、家族構成、職業、進学先、勤務先、前職、出身校、実家の親の職業まで……あらゆるスペックがあっという間に集落内でオープンソース化されます。

え、怖い?でもこの情報共有システム、実は集落の治安維持や相互扶助に長年貢献してきた実績があるのです。江戸の下町人情なんかに結構近い、というと良いイメージが湧くかもしれません。食料が乏しい時代も、戦火の中でも、きっとそうやってお互いを助け合ってきたのでしょう。現代社会にフィットしているかはさておき、メンバーが何者であり、どこで何をしているか全員で共有することは村の秩序の礎です。

「で、子どもはまだ?」悪意のない干渉

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「子は宝」。それ自体は美しい価値観ですが、「早く作れ」という圧力が混ざっていたらどうでしょう。
平均年齢70歳の集落において、LGBTQやDINKSといった価値観にピンとこない人々が大半なのは致し方のないことです。それ故に、「結婚して一人前」「結婚したら子どもを持つのが幸せ」という人生設計の旧来型テンプレがド直球で飛んでくることは少なくありません。そして相手に悪気はなくても、日常的に繰り返されると心がすり減るのも事実です。

都会にもそのような価値観の人はもちろん居るはずですが、口には出さないのが都会人のたしなみ、といったところでしょうか。プライバシーの概念、「個人が他人から干渉されずに自分を守る権利」というのは、まだ未搭載の地域もあることを覚えておいてください。

幻のプライバシー

田舎に数年暮らして、ふと思います。「プライバシーは都市伝説だったのかもしれない」と。
一人に話せば翌日にはみんなが知っていて、個人情報保護法というより個人情報拡散法があるのではと錯覚するほど。詮索や干渉もナチュラルすぎて、「私のことも知ってるんだからあなたのことも教えてね」という感覚に慣れちゃいそうな自分が居る。

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そして気付いたのです。田舎の基本理念は「知る権利>>>>プライバシー」。「みんなのことを把握しておかんと!」という義務に近い意識が、共同体を守るための務めとして何千年も前からどっしりと根を下ろしているのでしょう。この価値観は、現代都市に広がる個人主義・自由主義的なスタイルとは対照的です。むしろ家や伝統を重んじる、集団主義・権威主義的な文化が今も息付いています。窮屈さや息苦しさを感じることもあるけれど、それと引き換えに、温かくて頼もしい人間関係という、都会の希薄さに疲れた人にとっては憧れとも言える、田舎特有のセーフティネットがそこに存在しています。

セキュリティ対策で楽しい田舎暮らし

ここまで、プライバシーにまつわる田舎あるあるをご紹介しましたが、やはり、プライバシーはとても大切です。だからこそ近年になって法律でも保護されるようになったわけです。プライバシーを握られることは支配されることであり、プライバシーが無くなると精神的なストレスを受け、自由に動けなくなることもあります。

では、田舎暮らしを楽しむためにはいったいどうすれば良いのか。ここで重要になるのが、セキュリティ対策です!集落の一員として、ある程度の自己開示はどうしても必要です。ならば、初めから個人情報開示ラインを決めておけば良いのです。あなたの思想でも家族関係でも、ここまでなら集落全員に知られても大丈夫!という範囲を定めて、それ以上は言わなくて済むように常に会話を操縦する。誰かたった一人でも知られたくない人が居るような情報は話さないことです。そのたった一人にも伝わってしまうのがムラという共同体なのですから。踏み込んでほしくない領域は自分で守るしかありません。ただ、思っているより広めに公開範囲を設定しておかないと、いけ好かないヤツになる可能性はあります。人情とプライバシーの間でうまくバランスが取れれば、きっと田舎のハッピーライフが待っているはずです。

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