タカミメロン
タカミメロンの特徴
タカミメロンは、「貴味メロン」とも表記されることがあるネット系メロンで、1990年に登場した品種です。甘さ・香り・食感のバランスに優れた品種として、千葉県を中心に全国各地で栽培されており、年々その人気を高めています。
まろやかな甘さと、なめらかな口あたり
タカミメロンの魅力は、何と言ってもその味わい。糖度は15〜16度ほどと高く、それでいてくどさのない、まろやかな甘さがあります。果汁もたっぷり含まれており、ひと口食べると、みずみずしさと優しい香りが口いっぱいに広がります。果肉はきれいな黄緑色で、肉質は緻密。程良い硬さがあり、しっかりとした食べ応えもあります。
見た目の特徴
タカミメロンはネット系メロンの一種で、濃い緑の皮に灰色の細かな網目が広がるのが特徴です。マスクメロンのように盛り上がった派手な網目ではありませんが、その分、果肉の味わいや香りにはしっかりとした魅力があります。
タカミメロンの旬の時期
タカミメロンの旬は、一般的に5月下旬から8月ごろまで。中でも最も出荷量が多く、おいしさのピークを迎えるのは6月から7月に掛けての初夏です。全国各地で栽培されているため、地域によって収穫のタイミングに多少の違いがあります。
関東地方では6月から出荷が本格化し、夏本番になるとスーパーや直売所でもよく見かけるようになります。タカミメロンはしっかりとした果肉と日持ちの良さから、夏の贈り物としても人気です。
おいしいタカミメロンの選び方
網目の細かさと均一さをチェック
タカミメロンを選ぶ際にまず見てほしいのが、果皮に広がる網目模様です。タカミメロンはマスクメロンのように網目が盛り上がってはいませんが、細かく均一な網目が全体に現れているものは、内部の品質が良く、甘さも期待できます。
ずっしりと重みのあるものを選ぶ
同じ大きさなら、手に取って重く感じるものの方が、果汁を多く含んでいる傾向があります。タカミメロンのように果肉がしっかりした品種は、重さの違いがそのまま味わいの違いにつながることもあります。
香りとお尻の弾力で食べ頃を見極める
店頭に並んでいるタカミメロンは完熟前のものが多く、買ってから追熟させるのが一般的です。すぐに食べたいときは、お尻の部分をそっと押してみて、少し弾力があるものを選びましょう。また、甘い香りがしっかりと漂ってくるものも食べ頃のサインです。
タカミメロンの栽培方法
タカミメロンは家庭での栽培がやや難しいとされますが、コツをつかめば挑戦も可能です。ここでは基本的な栽培の流れやポイントをご紹介します。
栽培に向いている環境
タカミメロンはハウス栽培向きのネット系メロンで、日当たりが良く、風通しの良い環境を好みます。水はけが良く、有機質を多く含んだ土壌が理想ですが、浅く根を張る性質があるため、排水性と保水性のバランスも大切です。
定植のタイミングと準備
定植（苗を植えるタイミング）は、最低気温が14℃以上、最低地温が16～18℃以上になる頃が目安です。地域によって異なりますが、トンネル栽培では4月中旬ごろからが一般的。定植前には地温を上げるため、事前にトンネルなどで保温しておくと安心です。
仕立て方と整枝のポイント
タカミメロンは子づる2本仕立て・4果どりが基本です。本葉が4〜5枚の段階で親づるを摘芯し、元気な子づるを2本選んで伸ばしていきます。余分な側枝は早めに取り除き、栄養が実に集中するように管理します。
交配と摘果のタイミング
タカミメロンは着果性が高い品種のため、ミツバチによる自然交配でも安定して実が付きます。人工交配する場合は、開花から数日以内に行うのが理想。果実がピンポン玉から鶏卵ほどの大きさになったら、1株当たり最終的に4玉を残すよう、それ以外の果実を摘果していきます。
なお、タカミメロンは整枝時の摘花で着果数を調整すれば、後の摘果作業を省くことも可能です。特に大規模栽培では、この方法で省力化を図るケースが増えています。
収穫の目安とタイミング
開花後50〜60日が収穫の目安です。果皮に現れる網目の盛り上がり具合や、果梗（かこう）部の変化、果肉の香りを確認しながら、最適なタイミングで収穫しましょう。タカミメロンは収穫後に追熟することで、さらに甘さと香りが引き立ちます。
まとめ
タカミメロンは、上品な甘さと日持ちの良さから、家庭用はもちろん贈答用にも人気の高いメロンです。これからの季節、スーパーや直売所などで見かける機会も増えてくるはず。ぜひ今回の内容を参考に、旬のタカミメロンを選んで楽しんでみてください。また、育て方のポイントを押さえれば家庭菜園でタカミメロンの栽培にもチャレンジ可能です。食べる楽しさだけでなく、育てる喜びもぜひ体験してみてくださいね。
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