【注意】無許可での害獣駆除・捕獲は法律違反
害獣が発生した際にまず知っておくべき大前提として、アライグマやハクビシン、コウモリなどをはじめとする多くの害獣は、「鳥獣保護管理法」によって保護されています。
鳥獣保護管理法では、対象となる鳥獣(鳥類及び哺乳類)を無許可で捕獲・殺傷することを禁止しており、違反した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
忌避剤などを用いて追い払うことはできますが、その際に傷つけたり追い詰めたりすると法律違反になる可能性があるため、無理に自力で解決しようとせず専門の害獣駆除業者に依頼しましょう。
なお鳥獣保護管理法では、ネズミ類を除くほぼ全ての害獣が保護対象に指定されています。保護対象外となる鳥獣は以下のとおりです。
- 野生ではない動物(家畜・家禽・ペットなど)
- 環境衛生の維持に支障を及ぼす動物(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)
- 他の法令で保護管理されている動物(ニホンアシカ・アザラシ5種・ジュゴン以外の海棲哺乳類)
参考文献:鳥獣保護管理法
自宅に侵入した害獣の駆除方法3選
ここからは自宅に侵入した害獣に対する具体的な対処法として、傷つけずに追い払う方法や、法律に違反することなく退治する方法の以下3点を詳しく解説します。
- 自分で追い払う
- 許可を得て自分で捕獲する
- 害獣駆除の専門業者に依頼する
害獣を放置していると、騒音や糞尿被害だけでなく、人の健康や日常生活にも支障を及ぼす可能性もあります。なるべく早期に解決し、安心して暮らせる環境を取り戻しましょう。
1.自分で追い払う
自分でできる駆除方法としてまず挙げられるのは、害獣の嫌がる音やニオイ、煙や強い光を発する道具を設置して追い払うことです。
害獣は基本的に警戒心が強く、大きな音や強い光、慣れない臭いを嫌う傾向があります。
そのため通販やホームセンターで手軽に購入できる超音波器やセンサーライト、煙を発するくん煙剤、ハーブや唐辛子を原料とする忌避剤などを侵入箇所に設置しておくと、効果的に害獣を追い払うことが可能です。
ただし自分で追い払う方法は、完全に駆除できるわけではなく、一時的な効果に留まる可能性が高いです。再び戻ってきたり、家の奥に隠れてしまったりするリスクもあるので、長期に渡って継続することが前提となります。
2.許可を得て自分で捕獲する
鳥獣保護管理法によって駆除が禁止されている害獣でも、自治体に申請し、都道府県知事などの許可を得ることで害獣を捕獲することが可能です。捕獲許可の申請には、基本的に以下の資格及び書類が必要になります。
- 狩猟免許
- 実施者名簿
- 鳥獣の捕獲等許可申請書
- 捕獲場所が分かる図面など
原則として狩猟免許が必要となり、許可が下りるまでには約1週間以上の期間が掛かります。多くの手間と時間が掛かる上に、実際の捕獲作業には怪我や事故を伴う危険性もあるため、個人で害獣にお困りの場合は専門業者へ依頼することを強くおすすめします。
なお捕獲許可申請の届出先や必要書類は地域によって異なる場合があるため、詳しくはお住まいの自治体HPをご確認ください。
3.害獣駆除の専門業者に依頼する
害獣が自宅に侵入した場合や既に大きな被害を受けている場合は、害獣駆除の専門業者に依頼するのが最もおすすめです。
専門業者に依頼すれば、高度な知識・技術や豊富な現場経験を持つ害獣駆除のエキスパートが、法律や業界基準を遵守した作業を行ってくれるため、自分で対処するよりも遥かに安全・確実、そしてスピーディに問題を解決できます。
また駆除作業だけでなく、侵入防止対策や清掃・消毒、作業後数年間のアフターフォローなどを一貫して対応してくれる業者も多く、再発リスクや作業後の不安を大幅に減らすことも可能です。
特に広範囲・大規模な害獣被害を受けている場合や、自力での追い出しや捕獲に少しでも不安を感じる場合は、専門業者に依頼することを強くおすすめします。
害獣駆除を業者に依頼した場合の費用相場
害獣駆除を専門業者に依頼した場合の費用は、動物の種類や建物の面積などに応じて変動しますが、一般的な戸建て住宅で5万〜30万円ほどが相場とされています。
被害状況によってはそれ以上掛かることもありますが、自分で駆除した場合の怪我や感染症、不十分な対策による施工不良や法律違反などといった手間やリスクを考えると、専門業者に依頼するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
とはいえ、上記の金額はあくまで目安です。正確な費用は実際に見積もりを取るまで分からないため、まずは調査・見積もりを依頼して自宅の害獣駆除に掛かる適正費用を把握しましょう。
なお害獣駆除業者の選び方や相場、おすすめサービスについては、下記の関連記事で詳しく解説しています。気になる人は併せて参考にしてください。
市役所や保健所は害獣駆除に対応してくれる?
結論から言うと、市役所・保健所などが害獣駆除に対応してくれることはほとんどありません。
ただし多くの自治体には害獣駆除の相談窓口が設置されており、以下のようなサポートを受けることが可能です。
- 害獣に関するアドバイス
- 駆除・捕獲の許可審査
- 罠や捕獲器の貸し出し
- 害獣駆除業者の紹介
- 補助金・助成金の支給
注意点として、窓口での相談やアドバイス以外のサポートでは、申請・手続きに日数を要します。土日祝日は基本的に営業しておらず、相談することもできないため、即日対応や迅速な解決を望む人は専門業者に直接相談しましょう。
なお市役所で受けられるサポートは、地域によって異なる場合があります。詳しくはお住まいの自治体HPをご確認ください。
自分でできる害獣の予防・対策方法
ここからは、自分で手軽にできる害獣の予防・対策方法を3つ紹介します。
- 餌や巣材になるものを除去する
- 忌避剤や超音波を設置する
- 侵入経路になる穴や隙間を塞ぐ
害獣被害を防ぐためには、そもそも家に侵入させないことが最も重要です。これらの手軽にできる予防策をしっかり実践することで、害獣が寄り付きにくい環境を作り、害獣被害を最小限に防ぎましょう。
餌や巣材になるものを除去する
害獣は食べ物や安全な棲み家を求めて建物に侵入するため、害獣にとって魅力的な環境を作らないことが予防・対策の基本となります。
具体的には、害獣の餌となる食べ物や生ゴミ、ペットフードなどはしっかり片付け、庭に落ちた果実や木の実などもこまめな清掃が必要です。また、段ボールや新聞紙、断熱材などは害獣の巣材になるため、庭や倉庫に放置せず早めの処分を心掛けましょう。
上記のように、建物の周辺をこまめに清掃・整理整頓し、清潔な環境に保つことで、害獣が寄り付く原因を根本から断つことが重要です。
忌避剤や超音波を設置する
害獣が嫌がるニオイや音を活用する方法は、「害獣を自分で追い払う方法」として上述しましたが、予防策としても非常に効果的です。
ハーブ類や唐辛子、木酢液などを原料とする「忌避剤」や、動物の動きを感知して起動する「超音波」や「センサーライト」などを、害獣の侵入経路や通り道になりそうな場所に設置することで、屋内への侵入を未然に防ぐことが可能です。
ただし、害獣が刺激に慣れてしまったり、効果が薄れて再び戻ってきたりすることもあるため、あくまで補助的な対策として考え、その他の予防策と組み合わせて行うことをおすすめします。
なお、上記のような害獣対策グッズの効果は、効果の持続期間や対象害獣が限られている場合があります。製品の説明をよく読んで、自分のケースに適したものを選びましょう。
侵入経路になる穴や隙間を塞ぐ
害獣の予防・対策として最も効果的な方法は、害獣の侵入経路になる穴や隙間をしっかり塞ぐことです。侵入経路は、害獣の種類によっても異なりますが、以下のような場所は特に注意しておきましょう。
- 屋根裏・床下の通気口
- 窓・戸袋・屋根の隙間
- 換気扇・室外機の隙間
- 排水管・配線の引き込み口
- 外壁・基礎の穴や亀裂
これらの穴や隙間は、金網やパンチングメタル、パテなどを使って塞ぐのが効果的です。ただし、木材や薄い金属を食い破ったり、電柱や樹木を伝って侵入したりする害獣もいるため、一度塞いだら終わりではなく、毎日の戸締まりや定期的な点検を心掛けましょう。
とはいえ、害獣は体が非常に柔らかく、身体の小さな動物であればわずか1〜2cmほどの隙間からでも侵入するため、専門知識を持たない個人が全ての侵入経路を塞ぎきることは現実的ではありません。
そのため、他の予防策と組み合わせて実践すること、また侵入経路を塞ぐのが難しい場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
害獣を確実に駆除するなら専門業者に相談しよう
本記事では、害獣の駆除方法や相談先、費用相場や自分でできる予防策などを解説しました。
害獣を自分で追い払うことや予防することは可能ですが、害獣を傷つけたり追い詰めたりする行為は法律違反に当たる可能性があるため、実際に行う場合は細心の注意が必要です。
また、自分でできる駆除・予防方法は、あくまで一時的な効果しか得られないことも多く、根本的な解決には繋がらない可能性も。
特に「棲み着いてしまって追い出せない」「どんな害獣か分からない」「自分で駆除するのは難しい」という場合は、無理に自分で解決しようとせず、害獣駆除の専門業者に相談することを強くおすすめします。
なお、多くの害獣駆除業者は、相談から現地調査・見積もりまで完全無料で依頼可能です。契約前であればキャンセル料も基本的に掛からないため、まずは気軽に相談して、自分の状況に合わせた最適なアドバイスをもらいましょう。