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7月が旬の果物は? 「走り」「盛り」「名残」で夏をおいしく、心地よく

7月が旬の果物は? 「走り」「盛り」「名残」で夏をおいしく、心地よく

本格的な夏が始まる7月は、果物も夏真っ盛り。水分や栄養をたっぷり含んだ果実が多く出回り、豊かな味わいでのどや体をやさしく潤します。「旬」には「走り(はしり)」「盛り(さかり)」「名残(なごり)」の三つの段階があり、それぞれに異なる味わいや楽しみ方があります。今が食べごろの果物を知って、夏の味覚をよりおいしく楽しむヒントをお届けします。

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旬とは?

果物の旬とは、その果物の味が最も良い食べごろの時期で、栄養価も高くなります。収穫がピークを迎え、スーパーや直売所などに出回る量も多くなるので安い価格で、おいしく栄養価の高い状態の果物を手に入れることができます。また、貯蔵されて食べごろを迎えた果物も、その時期が旬と言えるでしょう。

旬の走りの果物は、みずみずしくフレッシュな味わいで、生食や水分を生かした調理法がおすすめです。盛りはベストタイミングで、さまざまな食べ方で楽しめます。名残の果物は味が凝縮され水分が少なめなので加熱調理にも向いています。

7月が「走り」の果物

本格的な夏が始まる7月は、売り場にも季節の走りを告げる果実が登場します。みずみずしく初々しい味わいが楽しめる「走り」の果物は、夏の始まりならではのおいしさ。モモの仲間「ネクタリン」、聖書にも登場する古代果実「イチジク」、爽やかな香りの「青ユズ」など、この時期ならではの味覚をひと足早く味わってみませんか。

イチジク

クワ科イチジク属の果物で、原産地はアラビア半島周辺とされ、古代から人々に親しまれてきました。旧約聖書の「アダムとイブ」の物語にも登場するほど歴史ある果実です。日本には江戸時代に伝わり、当初は薬用植物として利用されていました。 イチジクには、前年に付いた実が夏に熟す「夏果」と、その年に伸びた枝に実る「秋果」があり、7月は夏果の旬が始まる時期です。日本で多く流通しているのは「桝井ドーフィン」という品種で、夏果は150~200gと大ぶりに育ち、果汁をたっぷりと含んでいて、みずみずしさが際立ちます。主な産地は愛知県、和歌山県、福岡県などです。

栄養

水溶性食物繊維のペクチンが豊富で、腸の働きを整える効果が期待されます。また、タンパク質分解酵素も含まれており、消化を助ける働きもあります。

食べ方

果肉が柔らかく甘みもあるため、生食はもちろん、ジャムやシロップ漬け、ドライフルーツにも適しています。濃厚な味わいはデザートや前菜にもぴったりです。

選び方

全体的にふっくらとして丸みがあり、皮に傷のないものを選びましょう。お尻の部分(果頂部)が裂けているものは熟しすぎて傷みやすいため避けるのが無難です。

保存方法

とても傷みやすいため、ビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存し、できれば当日〜翌日には食べきりましょう。食べきれない場合は、ジャムやコンポート(シロップ煮)などに加工しておくと日持ちします。

調理例

イチジクとモッツァレラチーズの冷製カプレーゼ、冷やしイチジクの白和え、フローズンイチジクのバルサミコ&こしょうがけ

ネクタリン

バラ科モモ属の果樹で、モモの一変種にあたります。果皮に産毛がないのが特徴で、和名では「ズバイモモ(滑桃)」とも呼ばれています。日本で多く栽培されている品種は、果皮が黄色地に赤みを帯び、果肉は鮮やかな黄色をしています。モモとの交配で誕生した品種も多く、モモに比べて果肉が締まり、しっかりとした食感があり、甘みに加えてほどよい酸味も楽しめます。主な産地は長野県で、生産量は全国トップ。早生(わせ)品種の「サマークリスタル」が7月中旬ごろから出回り、晩生(おくて)の「秀峰(しゅうほう)」は9月中旬ごろまで楽しめます。

栄養

モモと同様に、カリウムや食物繊維、ナイアシンが含まれています。さらに、果皮にはポリフェノールの一種であるアントシアニンも含まれ、抗酸化作用が期待できます。

食べ方

皮に毛がなくえぐみも少ないため、皮ごとそのまま食べられます。もちろん、皮を剥いてもOK。生食はもちろん、ジュースにすれば濃厚な味わいが際立ちます。

選び方

全体にしっかりと色づいており、果皮に傷がなく、ふっくらとして適度にかたく、香りの良いものが食べごろです。

保存方法

未熟なものは新聞紙に包んで冷暗所で追熟します。完熟したものは引き続き乾燥を防ぎつつ、冷蔵庫の野菜室で保存し、できるだけ早めに食べきりましょう。

調理例

ネクタリンと生ハムの夏サラダ、完熟ネクタリンのヨーグルト添え、ネクタリンのハニーロースト

青ユズ(青柚子)

ミカン科ミカン属の香酸かんきつ類で、中国原産。飛鳥時代から奈良時代にかけて日本へ伝わったと考えられています。 青ユズは、11月ごろに黄色く熟すユズの未熟果で、青く若い実を初夏から夏にかけて収穫します。果汁はフレッシュで爽やかな酸味があり、完熟の黄ユズよりもシャープで清涼感のある味わいが特徴です。皮には芳香があり、青唐辛子と合わせて作る「柚子胡椒」の材料としても知られています。主な産地は高知県や徳島県などです。

栄養

クエン酸が豊富で、疲労回復や食欲増進に役立つとされています。ビタミンCやカリウムも多く、さらに抗酸化作用のあるポリフェノールを黄ユズよりも多く含んでいます。

食べ方

料理やドリンク、スイーツの香りづけに活躍する他、柚子胡椒やジャム、シロップ漬けなど加工用途も豊富。果皮をすりおろして冷たい麺類や焼き物に添えれば、夏らしい爽やかさが引き立ちます。

選び方

皮にツヤと張りがあり、色鮮やかで香りがしっかり立っているものを選びましょう。ヘタの切り口が新しく、変色していないものが新鮮な証しです。

保存方法

乾燥を防ぐため、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。皮をすりおろして冷凍保存しておくと便利です。

調理例

青ユズ香る冷やしそうめん、青ユズと白身魚の昆布じめカルパッチョ、青ユズシロップの炭酸割り

7月が「盛り」の果物

丹精込めて育てられた果物が実りの時を迎える7月。ブルーベリーやアンズ、スモモ、モモ、スイカ、マンゴーなど、多彩な果物が出そろい、まさに旬の盛りです。品種も豊富に出回り、食べ比べもこの時期ならではの楽しみのひとつ。みずみずしい生食はもちろん、冷たいスイーツや爽やかな料理にもぴったりな夏の果物をたっぷり楽しんでみてください。

ブルーベリー

ツツジ科スノキ属の落葉低木とその果実で、熟した実がアントシアニンにより青紫色に色づくことから「ブルーベリー」と呼ばれます。 国内では1980年代から本格的に栽培されるようになり、現在では大きく3つの系統(ノーザンハイブッシュ系、ラビットアイ系、サザンハイブッシュ系)に分類され、品種はおよそ150種にものぼります。それぞれに粒の大きさや甘さ、酸味のバランス、香りが異なり、旬を迎える7月は食べ比べに最適な時期です。 主な産地は茨城県、千葉県、長野県など。近年では観光農園でのブルーベリー狩りも人気で、6月の走りから秋口の名残まで、長い期間楽しめる果物として定着しています。

栄養

目の健康をサポートするとされるポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含みます。ビタミンCや食物繊維も豊富です。

食べ方

生でそのまま食べる他、ヨーグルトやパンケーキのトッピング、ジャムやジュース、焼き菓子などにも使われます。

選び方

果皮にブルーム(白い粉)が均一に付いていて、色が濃く張りのあるものが新鮮です。つぶれていないものを選びましょう。

保存方法

日持ちは2〜3日程度と短いため、早めに食べるのが理想です。保存する場合は洗わずに冷蔵庫へ。冷凍すれば長期保存も可能です。

調理例

ブルーベリーマフィン、ブルーベリーとルバーブのジャム、冷製チキンのブルーベリーソース

アンズ(杏)

バラ科サクラ属の果樹で、英名はアプリコット。ネパールから中国北部の山岳地帯を原産とし、特に中国では種子を乾燥させた生薬「杏仁(きょうにん)」として利用するために、古くから栽培されてきました。日本でも平安時代には薬用として利用されていた記録があり、長い歴史を持つ果物です。 長野県では約300年前から栽培が始まり、現在も全国有数の産地として知られています。アンズには生食用、加工用、そして兼用品種があり、加工用は酸味が強く、ジャムやシロップ煮などの加工に適しています。果肉は柔らかくて香りが高く、酸味と甘みのバランスが魅力です。 生のアンズが市場に出回るのは、6月下旬から7月上旬にかけてのわずかな期間。まさに今が旬の盛りの果物であり、この時期ならではの味わいを楽しめます。

栄養

βカロテンやカリウムに加え、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸も豊富。体の調子を整える働きが期待されます。ドライフルーツに加工することで、さらにβカロテンや食物繊維、鉄分が増し、栄養価が高まります。

食べ方

皮ごと食べることができ、生食以外では、ドライフルーツやジャム、コンポートなどに加工され、スイーツや料理に幅広く活用されます。また、種子は「杏仁豆腐」の原料にも使われます。

選び方

果皮にツヤと張りがあり、濃いオレンジ色で全体に色づいているものが食べごろ。傷や変色がなく、表面にブルーム(白い粉)が付いているものが新鮮な証拠です。

保存方法

未熟でかための果実は常温で追熟させます。完熟したものは乾燥を防ぐためビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。冷凍保存する場合は、あらかじめコンポートやピューレに加熱調理しておくと、風味や食感を保ちやすくなります。

調理例

生アンズの焼きタルト、アンズのコンポート、生アンズと小豆の寒天

スモモ類

スモモはバラ科サクラ属の果樹で、その果実は主に中国原産の日本スモモ(プラム)と、コーカサス地方原産の西洋スモモ(プルーン)に大別されます。
プラムは主に生食用として親しまれ、鮮やかな果皮とみずみずしい果肉が特徴です。一方、プルーンはドライフルーツとしての印象が強いものの、生食用としても多くの品種が栽培・出荷されています。出荷時期はプラムの方が早く、7月が最盛期。8月にかけて「大石早生(おおいしわせ)」の他、「ソルダム」「貴陽」「太陽」などの多様な品種が出そろいます。食べ比べができるのも、盛りの時期ならではの楽しみ。主な産地は、生産量全国トップの山梨県をはじめ、山形県、長野県などです。

栄養

生のスモモには、βカロテン、カリウム、葉酸、ペクチン(食物繊維)などが含まれ、果皮には抗酸化作用のあるアントシアニンも豊富です。乾燥させたプルーンには、鉄分やカルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルが多く含まれ、栄養価がさらに高まります。

食べ方

プラムはそのまま生食でき、好みに応じて皮ごと食べることもできます。また、ジャムやジュース、コンポートなどの加工にも適しており、熟した果実の甘酸っぱさが生きたスイーツにも活用されています。

選び方

皮に張りと弾力があり、全体に色づきがよく、甘い香りが立っているものが食べごろです。表面にうっすらと付着している白い粉(ブルーム)は水分の蒸発を防ぐ天然成分で、新鮮さの証しとされています。

保存方法

未熟な果実は常温で追熟させ、食べごろになったら紙袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。傷みやすいため、できるだけ早めに食べ切るのがおすすめです。

調理例

スモモと生ハムのマリネサラダ、スモモの冷製スープ、スモモのスパークリングゼリー

モモ

バラ科サクラ属の果樹で、原産地は中国。古くから長寿や魔除けの象徴とされ、日本には弥生時代にはすでに伝わっていたと考えられています。現在では全国各地で栽培され、初夏から秋口にかけて多様な品種が出回る夏の代表的な果物のひとつです。 7月下旬から8月上旬はモモの盛りの時期で、味・香り・果肉の質が最も充実する季節。代表的な「あかつき」は果汁たっぷりで甘みと酸味のバランスがよく、日持ちもしやすいため贈答用としても人気です。また、見た目のインパクトがある「蟠桃(ばんとう)」は扁平な形が特徴で、濃厚な香りと甘みで近年注目を集めています。 その他にも、「白鳳」「川中島白桃」「清水白桃」など、地域や収穫時期によって多くの品種が登場し、それぞれの食べ比べも盛りの楽しみのひとつです。主な産地は山梨県、福島県、長野県など。

栄養

水分が多く、夏の水分補給にも適しています。カリウムや食物繊維を含み、整腸やむくみ予防に役立つ他、ビタミンCやナイアシンも含まれています。

食べ方

皮をむいてそのまま食べるのが一般的ですが、ヨーグルトやサラダに加えたり、冷凍してシャーベット状にしたりと、アレンジの幅も広い果物です。

選び方

全体的にふっくらとして丸みがあり、果皮にうっすらと白い粉(ブルーム)が残っているものが新鮮。品種によって柔らかめ、かため、白肉・黄肉など食感や風味の違いがあるため、好みに合わせて選ぶのがコツです。

保存方法

常温で風通しの良い場所に置いて追熟させます。完熟後は冷蔵庫の野菜室に入れ、できるだけ早く食べきりましょう。冷やしすぎると甘みを感じにくくなるため、食べる1~2時間前に冷やす程度がおすすめです。

調理例

モモの冷製カッペリーニ(パスタ)、丸ごとモモのコンポート、角切りモモのミルクシャーベット

スイカ

ウリ科スイカ属の一年草で、原産地はアフリカ南部・カラハリ砂漠とされています。スイカには大玉種と小玉種があり、近年は家庭向けに扱いやすい小玉スイカ(1〜3kg)も人気ですが、この時期の主役は、やはり夏の風物詩の大玉スイカ。一般的に5〜10kgほどのサイズで、果肉のシャリ感と甘み、見た目のインパクトも楽しめます。なかでも盛りの7月〜8月は大玉スイカが豊富に出回ります。代表的な品種には、甘みと歯ごたえのバランスに優れた縞模様の「祭ばやし777」、黒皮の「ブラックジャック」、黄色果肉で爽やかな甘みが特徴の「金色羅王」などがあり、それぞれに個性豊かな味わいがあります。主な産地は千葉県、山形県、新潟県、神奈川県、茨城県などです。

栄養

スイカの90%以上は水分で、水分補給に適しています。利尿作用や体を冷やす効果もあります。カロテン、カリウム、リコピンを含んでいます。

食べ方

生食が最もおいしいですが、ジュースにもおすすめ。冷やすと甘みが増します。

選び方

果皮に張りとツヤのあるものが新鮮です。見た目よりも重いものを選ぶと、水分と糖分を多く含み、おいしく感じられる可能性が高いです。カットスイカは、果肉が締まっていてくっきりとした赤色、種は黒いものが良質です。果肉と果皮の色の境目がはっきりしているかも確認しましょう。

保存方法

丸のままなら風通しの良い冷暗所で10日間ほど保存できます。冷やし過ぎると甘みが落ちるので、食べる1~2時間前に冷蔵庫へ入れましょう。カットしたものは切り口をラップで覆って冷蔵庫で保存します。

調理例

スイカとミントのスパークリングジュース、スイカとキュウリのマリネ、スイカとヨーグルトのスムージー

マンゴー

濃厚な甘みととろけるような果肉で人気のマンゴーは、南国を代表する果物の一つ。ウルシ科マンゴー属の植物で、インドやミャンマー、マレー半島が原産地とされ、中でもインドでは500種類以上の品種があると言われています。 日本では沖縄県、鹿児島県、宮崎県が主な産地で、果皮が赤く色づく「アップルマンゴー」が代表格。夏の初めにピークを迎えますが、8月下旬以降は、果皮が緑色で果肉の甘みがより濃厚な「キーツマンゴー」が出回りはじめ、名残の味わいとして楽しまれています。キーツはアップルマンゴーに比べて流通量が少なく、まろやかなコクと芳醇な香りが魅力の晩成品種です。

栄養

βカロテンやビタミンC・Eが豊富で、美肌づくりや抗酸化作用が期待されます。カリウムや葉酸、食物繊維も含み、栄養バランスの良い果物です。

食べ方

完熟果は冷やしてそのまま楽しむのが王道。濃厚な甘さは、シャーベットやスムージー、パフェにもぴったりです。未熟果はピクルスやチャツネなどの調味料にも使われます。カットするときは平たい種に沿って三枚におろし、格子状に切れ込みを入れて皮を押し出すと、見た目も華やかに仕上がります。

選び方

果皮にツヤと張りがあり、甘い香りがして、手に取ったときにやや弾力を感じるものが食べごろです。ずっしりと重みのあるものを選びましょう。

保存方法

未熟なものは常温で追熟を。完熟したらラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。香りや風味が落ちやすいため、できるだけ早めに食べきるのがおすすめです。

調理例

マンゴーとモッツァレラチーズのカプレーゼ、マンゴーの甘酢ピクルス、マンゴーラッシーアイスキューブ

7月が「名残」の果物

夏のはじまりを彩った果物が、名残の時期を迎えています。パイナップルやパッションフルーツ、メロンなど、まろやかな甘みと芳醇な香りをまとった果実を、冷たいデザートや料理に仕立てて、季節の余韻を楽しんでみてはいかがでしょう。

パイナップル

アナナス科アナナス属の多年草とその実で、熱帯アメリカが原産地です。その名称は、松ぼっくり(パイン)に似た果物(アップル)に由来し、「パインアップル」とも呼ばれています。1830年ごろに日本へ伝わり、亜熱帯の沖縄などで栽培されるようになりました。
ちぎって食べられるスナックパインのボゴット(品種:ボゴール)、果肉が乳白色のピーチパイン(品種:ソフトタッチ)に加え、6月から7月上旬にかけて果肉が黄金色で糖度が高い希少品種のゴールドバレルが出荷され、国産パイナップルは旬の盛りを迎えます。

栄養

ビタミンA・B群・C、食物繊維などの栄養成分が含まれ、特にビタミンCが豊富。タンパク質分解酵素が含まれているので肉料理との組み合わせに最適です。

食べ方

生食の他、肉料理の付け合わせ、シロップ漬け、ドライフルーツに利用します。葉と底を切り落として皮をむき、次に芯を切り取り、食べやすい大きさにカットします。スナックパインは、底をカットして一節ずつ手でちぎって食べます。

選び方

葉が濃い緑色で、皮に張りとツヤがあるものが新鮮です。

保存方法

丸ごとであれば新聞紙に包んで、カットしたものはラップに包んで冷蔵庫で保存します。

調理例

パイナップルとキュウリのヨーグルトサラダ、パイナップルと鶏肉のグリル、パイナップルとビーフパティのバーガー

パッションフルーツ

トケイソウ科トケイソウ属の多年草で、ブラジル原産のトロピカルフルーツ。日本には明治時代に導入され、現在では沖縄県や鹿児島県・奄美諸島をはじめ、東京都の島しょ部や八王子市でも栽培されています。 果実は直径5〜7センチの卵型で、果皮は柔らかくナイフで簡単に切ることができます。中にはゼリー状の果肉と黒い小さな種が詰まっており、種ごとスプーンですくって食べられるのが特徴です。 甘酸っぱく濃厚な果汁と、華やかで南国らしい香りは夏の風物詩のひとつ。出回りのピークは6〜8月ですが、東京都八王子市など本州内陸の産地では8月下旬から9月にかけて収穫される「名残のパッションフルーツ」もあり、秋の入り口で楽しめる貴重な味わいです。熟すにつれて果皮に自然なシワが寄り、香りと甘みがいっそう引き立ちます。

栄養

βカロテンやビタミンCが豊富で、抗酸化作用が期待されます。さらに、カリウムや鉄分、ナイアシン、葉酸なども含み、栄養価の高い果物として注目されています。

食べ方

スプーンですくってそのまま生食する他、ジュースやゼリー、シャーベット、ヨーグルトのトッピングにも。芳香を活かしてソースやカクテルにもアレンジできます。

選び方

果皮に傷や割れがなく、重みのあるものを選びましょう。追熟が進むと、果皮に自然なシワが入り、食べ頃のサインとなります。

保存方法

未熟な果実は常温で追熟させます。完熟したら、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、できるだけ早めに食べ切りましょう。

調理例

パッションフルーツとリンゴ酢のサワードリンク、蒸し鶏のサラダ・パッションフルーツドレッシング、パッションフルーツ風味のフローズンヨーグルト

メロン

ウリ科キュウリ属の果物で、古代ギリシャ・ローマ時代にはその祖先種が栽培されていたと考えられています。日本では明治初期から洋種メロンの栽培が始まり、現在では多くの品種が全国で生産されています。 果肉の色によって「青肉」「赤肉」「白肉」に分類され、皮に網目模様のあるものは「ネットメロン」と呼ばれます。青肉系の「アールス」(マスクメロン)や、赤肉系の「クインシー」などが高級メロンとして知られ、温室から露地栽培へと切り替わる中で、露地もののネットメロンや地方品種が名残の味わいとして出回ります。 この時期のメロンは、完熟に近づいたまろやかな甘みと、ややしっかりとした果肉感が特徴。気温が少しずつ下がり始める中で、冷やしすぎず常温に近い温度で食べると、より甘みを感じやすくなります。 この時期の主な産地は山形県、千葉県、静岡県、茨城県、北海道などで、秋口まで地域リレーで出荷が続きます。

栄養

カリウムやビタミンCを比較的多く含み、体の熱をやさしく冷ます働きがあります。赤肉系のメロンには、抗酸化作用のあるカロテンも豊富に含まれています。

食べ方

完熟したものはそのままカットして生食で食べるのがおすすめです。ジュースやゼリーなどにも展開しやすく、名残のメロンは果肉を凍らせてシャーベットやスムージーにしても美味。お尻が柔らかくなり、甘い香りが立ってきたら食べ頃です。

選び方

つるが細く枯れているものは完熟のサイン。青くみずみずしいものは未熟なので、追熟が必要です。網目模様がくっきりと浮かび上がり、ずっしりと重みのあるものを選びましょう。

保存方法

追熟が必要な場合は常温で保存し、食べる2〜3時間前に冷やすのがおすすめです。カット後は種とわたを取り除き、ラップをして冷蔵庫へ。なるべく早めに食べ切りましょう。

調理例

メロンと生ハムの温サラダ、メロンのミルク煮、メロンジャム

味わい豊かな国産果物で夏を乗り切る

夏本番を迎えて、7月の果物売り場はみずみずしさ全開。水分をたっぷり含んだ果物は体をやさしく潤し、この時期に必要な栄養を具え、味わいも豊か。ネクタリンやイチジクの「走り」、モモやスイカの「盛り」、パイナップルやメロンの「名残」など、季節の移ろいとともに食卓の彩りも変化します。

こまめに果物をとることは、水分補給やビタミン・ミネラルの摂取につながり、体調管理にも効果的。朝食や間食、食後のデザートなど、日常の中に自然に取り入れられるのも果物の魅力です。今しか味わえない旬の果物を楽しむことが、国産果物を応援する一歩にもなります。季節の恵みをおいしく取り入れて、健やかな夏を過ごしましょう。

ウリ科のスイカやメロン、国産のトロピカルフルーツが勢ぞろい

参考書籍
からだにおいしい野菜の便利帳(板木利隆監修|高橋書店発行)
草土花図鑑シリーズ4 花図鑑 野菜+果物(芦澤正和、内田正宏、小崎格監修|草土出版発行)
新食品成分表FOODS2023(新食品成分表編集委員会編|東京法令出版発行)

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