初心者にもオススメ!夏のベランダでも元気に育った作物ランキング
過酷な夏のベランダでも、暑さに負けず元気に育ってくれたオススメの作物をランキング形式で紹介します。手を入れなくても意外と上手に育ってくれた作物、難しいと思いきや、長期にわたってたくさん収穫できた夏野菜など、初心者の方でも楽しめる作物をセレクトしました。
第1位:バジル
難易度★★☆☆☆
水さえ切らさなければ真夏でも元気に育ちます。鉢植えでも、水耕栽培でも大丈夫。剪定枝を水に挿しておくだけで発根するので“増やす楽しさ”も存分に味わえます。深く大きなプランターで育てると株が大きく育ちすぎるため、浅めのプランターで育てるのが私の好み。強い味わいを求める場合は土耕栽培で、やわらかな食感を求める場合は水耕栽培で育ててくださいね。
ワンポイントアドバイス
葉の裏側まで定期的に葉水をすることで、ハダニ対策になりますよ!
バジルを使ったオススメ料理
ガパオライス
夏のランチにピッタリのメニューですね。バジルは熱を加えるとかさがすごく減るので、大量にとれた時は炒める系の料理がオススメ。ちなみに、上に乗っているのはバジルの花です。
第2位:ピーマン
難易度★★★☆☆
定番夏野菜のひとつですが、小さめのプランターでもすずなりになって秋までたくさん収穫できました。暑さにも、病害虫にも強いのであまり悩むことなく栽培ができました。多肥性の野菜なので肥料を切らさないよう液肥を定期的に施肥し、梅雨のジメジメした時期にはうどんこ病に注意して食品原料由来の殺虫殺菌剤を予防的に使いました。
ワンポイントアドバイス
最初に咲く一番花は摘んだほうが、その後の実なりがいいようです!
ピーマンを使ったオススメ料理
ピーマンとチクワのきんぴら
青々としたピーマンの香りとシャキシャキ食感にチクワのクニュっとした食感がとても合います。お酒のつまみにもなりますし、ご飯のおかずとしても活躍してくれますよ!
第3位:小ネギ
難易度★☆☆☆☆
小ネギの生命力はすさまじく、底面給水タイプの小型プランターで育てれば無肥料で何年も育ちます。暑さにも寒さにも強く、収穫してもしばらくすると新葉がぐんぐん伸びてくるので、ぜひ育ててみてください。スーパーなどで買ったネギの根っこを小型のプランターに植え付けるのもオススメ。サステナブルなリボベジ(再生野菜)を気軽に楽しめますよ。
ワンポイントアドバイス
水やりをさぼって葉が茶色になっても、バッサリカットすれば大丈夫!
小ネギを使ったオススメ料理
薬味づかい
刻みネギにすると大きさが揃いやすく、とても上品なイメージを演出できます。お味噌汁や冷や奴など、和食の薬味として使うのが一番のオススメです。
第4位:きゅうり
難易度★★★☆☆
ベランダの壁に網をかけて、きゅうりの水耕栽培にチャレンジしました。想定していたよりもグングン育って立派な実もできたのですが、株が育ちすぎたのが裏目に出て、網が重さに耐えきれずに支えられなくなってしまいました。葉っぱが白く粉がふいたようになるうどんこ病やハダニにも悩まされるなど、病気には強くないため、栽培する際は葉の様子をよく観察するとよいでしょう。
きゅうりを使ったオススメ料理
蒸し鶏の麻辣ソースがけ
蒸した鶏胸肉にピリ辛の麻辣ソースをたっぷりかけて、スライスきゅうりをトッピングしていただきます。青々としたきゅうりの香りとシャキシャキ食感がアクセントになっておいしくいただけます。冷めてもおいしいメニューです。
第5位:オクラ
難易度★★★☆☆
アフリカ原産で古代エジプトでも育てられていたオクラは夏の陽射しにも負けずにスクスクと育ってくれます。根をしっかり張るので深めのプランター栽培がオススメ。下から順番に結実していくので長きにわたって収穫を楽しめ、大柄の花も食べることができます。オクラは収穫してからの劣化が早いので、採れたてピカピカの状態で食卓に並べられるのは贅沢でした。タイミングを逃すとすぐ固くなるので、やわらかいうちに収穫をするといいですよ。
オクラを使ったオススメ料理
ぶっかけ素麺
星型のオクラが入った爽やかな素麺です。ゆがいた素麺を氷水でしっかり締めて、ミニトマトやミョウガ、オクラ、すりおろしたショウガなどをトッピング。めんつゆに煮干しと昆布を加えると旨みがアップするのでお試しください。
第6位:唐辛子
難易度★★★☆☆
唐辛子も病害虫に強く、プランターでも育てやすい野菜です。根を浅く張るので水切れには要注意ですが、次々に実が色づいていくのがとても楽しい野菜です。真っ赤になってから収穫してもいいですし、緑色の若い実を摘んで、鮮烈な辛さを体感できるアジア料理に使うのもオススメです。「鷹の爪」などの品種は完熟させて種取りを行えば、翌年も植え付けができますよ。
ワンポイントアドバイス
強い風で茎が折れることがあるので、支柱をつけてあげると安心です。
唐辛子を使ったオススメ料理
水キムチ
お米の研ぎ汁にさまざまな野菜を入れて、乳酸菌発酵させる韓国料理。赤いキムチの20倍もの乳酸菌があるということで、ダイエット食品としても注目を集めています。手軽に作れて、暑い夏の日にもさっぱりといただける料理です。
第7位:ミント
難易度★☆☆☆☆
ベランダ栽培ができるハーブの中でも生命力が最強クラスなのがミントです。家庭菜園などで地植えにすると繁殖しすぎて困るくらいの勢いがあり、ベランダはもちろん室内の窓際でも栽培が可能です。病害虫にも強く、水やりさえきちんとすれば肥料もほとんど必要ありません。
ミントを使ったオススメ料理
ミントティー
ストレスや疲労感の軽減につながるリフレッシュ効果に加え、消化促進や鎮静・鎮痛、花粉症の緩和なども期待できるミントティー。体調がすぐれない時や寝る前にパッと摘んで、お湯を注いでいただいています。
第8位:シソ
難易度★★☆☆☆
和食を彩るシソもプランターで簡単に育てられます。真夏の強い陽射しに当てると葉が固くなるので、半日陰の環境で育てるのが理想です。病害虫には比較的弱いため、アブラムシやハダニ、アザミウマなどの害虫対策にネットをかけたり、病気の予防を行ってください。真夏の水切れにも要注意です。
シソを使ったオススメ料理
鶏唐揚げのしそおろしポン酢
子どもにも大人気の夏メニュー。鶏胸肉の唐揚げに、大根おろしとシソをたっぷり加えてポン酢で味を整えます。シソは刻んでトッピングに活用すれば大量消費できますよ。おろしそハンバーグなども夏にオススメです。
第9位:パクチー
難易度★★★☆☆
好みが分かれるハーブですが、大好きな人にとってはパクチーがすぐに摘める状態にあるのは幸せです。種まきから発芽まで10日ほどかかり、発芽率もあまり高くないのでご注意を。種まき前に一晩水に浸しておくのがコツです。あえて花を咲かせて種取りするのも家庭菜園ならではの楽しみでしょう。香りは少なくなりますが、とうが立っても葉の柔らかい部分や花を食べることができます。
ワンポイントアドバイス
夏のイメージがある野菜ですが、実は真夏の暑さが苦手。直射日光は避けたいですね。
パクチーを使ったオススメ料理
生春巻き
夏のホームパーティーの一品にぜひ!焼きそばやラーメン、カレーなどにどっさり入れるのもいいですが、生春巻きにすると食卓が華やいでみんなが盛り上がります。ライスペーパーの扱いが難しそうですが、いざやってみると驚くほど簡単に作れます。
定番なのに難しい。ベランダ菜園に不向きだと感じた作物
ホームセンターにも多彩な苗が並ぶのですが、ベランダ栽培がなかなか難しい3種をご紹介します。しっかり根を張る野菜のため、ベランダで扱えるような小ぶりのプランターだと収量が極端に減ってしまいました。
ミニトマト
難易度★★★★☆
夏野菜の大定番なのですが、ベランダで育てると収穫期間も思ったより短く収量も少なめ、固くて味もイマイチな結果に。大きく育てるには大型のプランターや水耕栽培キットの導入が必要です。収穫が終わって片付けをする頃にはプランターに根がパンパンに張るため、後処理にもなかなか骨が折れるんですよね。いっぱい収穫したい場合は、とにかく大きなプランターで栽培するのが無難でしょう。
ミニトマトを使ったオススメ料理
カルパッチョ
採れたてミニトマトをスライスして魚介類と合わせます。味付けは市販のイタリアンドレッシングだけで大丈夫。ミニトマトの爽やかな酸味と魚介類の旨みが出会い、うれしい相乗効果が得られます。
ナス
難易度★★★★☆
ナスもミニトマトと同じように、ベランダで使えるサイズのプランターだと収量が少なく、小ぶりで期待するような瑞々しさも得ることができませんでした。実家で家庭菜園をしている母のナスは毎年見事な出来なので、環境の要素が大きい気がします。
ナスを使ったオススメ料理
ナスの直火焼き
小ぶりのナスをガスコンロで豪快に焼き上げます。金網は100円ショップで手に入るもので大丈夫。換気扇だけはしっかり回して、汁気が出てくるまでしっかりと焼き上げてショウガ醤油などで食べましょう。
枝豆
難易度★★★★★
ベランダで栽培すると徒長してヒョロヒョロになることが多く、太く立派な株に育てるのが難しかったです。乾燥に弱く、ハダニやカメムシなどの害虫にも悩まされました。豆類は根っこに根粒菌を住まわせることで養分を確保するのですが、肥料をあげすぎて窒素過多になったのかもしれません。
ワンポイントアドバイス
花が咲く時期は水切れに特に注意してください。こまめな水やりが重要です。
枝豆を使ったオススメ料理
焼き枝豆
枝豆は、茹でるよりフライパンで蒸し焼きにするほうが好みです。部屋中に香ばしい香りがただよい、口の中で塩味と穀物のうまみが爆発します。食べ出すと止まらなくなるおいしさです。
ベランダ栽培・夏場を乗り切る4つのコツ
実際にベランダで栽培を始めてみると、あまりの暑さや病害虫の発生など、野菜づくりの難しさに直面することがしばしばあります。ベランダ栽培で夏場を乗り切る4つのコツを紹介します。
エアコン室外機に要注意
おそらくですが、あなたのベランダにもエアコン室外機が鎮座しているはず。ここから出る熱風が大事な作物に当たってしまうと、葉が傷んだり枯れてしまいます。室外機から離れた場所にプランターを置いたり、熱風が直接当たらないよう風の流れをコントロールするなどの工夫が重要です。
水切れ対策は万全に!
照りつける陽射しと室外機の熱風によって、夏場のベランダは植物にとって過酷な環境が続きます。そんな環境で水が切れると作物は一気に枯れてしまいます。私は水切れ対策に底面給水タイプのプランターを使ったり、週末に出かける際には特大サイズの鉢皿に水を張って備えるなどの工夫をしています。
夏に発生する病害虫に備えよう
梅雨から夏にかけて、カビ・ウイルス由来の病気やアブラムシ・ハダニなどの害虫が頭を悩ませます。その一方で、家族の口に入るものなので強い薬剤は使いたくありません。私は食品原料由来の殺虫殺菌剤などを上手に用いて病害虫の発生をできるだけ防いでいます。また、蚊の存在が気になる場合は早朝の作業がオススメです。
肥料は液肥がオススメ!
夏場は作物にかかるストレスも大きいため、吸収しやすく肥料焼けのリスクも少ない液肥タイプの肥料がオススメです。家庭菜園なので有機肥料を使いたい気持ちも湧き上がるかと思いますが、有機肥料は強いニオイや虫が発生するリスクが高いので、ベランダでは化学肥料が無難だと思います。
自分で育てて料理するって、やっぱりうれしい。
家庭菜園は思い通りに収穫できることもありますが、管理不足や病害虫、突発的な風雨などが原因で枯らしてしまうこともあります。
いちおう実がなっても、スーパーで売られているような立派なサイズと形にならないこともしばしばですが、それでも作物が日々成長していく姿を間近で感じ、自然の恵みを自分で料理して食卓に上げるのは、とても贅沢で楽しいものだと感じます。特に夏野菜はグングン成長する様子を見るのが楽しみになります。
都市部の小さなベランダでも、工夫次第でさまざまな作物を育てることが可能です。最初から完璧を求めずに、まずはゆるい感じで家庭菜園にチャレンジしてみてください。