
「ゴミを資源に」が合言葉。富士山のふもとで循環型社会を目指す
静岡県富士宮市は国内有数の酪農地帯であると同時に、世界遺産富士山をいただく観光地でもある。
特に富士山に近い朝霧高原周辺には年間約150万人が訪れるため、酪農による臭気や水質汚染などは、イメージ低下につながりかねない。
同地にある株式会社アサギリは、1990年に酪農業から産業廃棄物処理業に業務転換。
今では富士宮市で発生する牛ふんの約3分の1程度を受け入れ、堆肥に変えて販売している。
「牛ふんを主原料に、食品残さや下水汚泥なども受け入れ、完熟発酵させた堆肥が『アサギリMIX』シリーズです。土壌を改良する堆肥なので、どの作物にもご使用いただけます」

株式会社アサギリ 代表取締役 簔 威賴(みの たけより)さん
代表取締役である簔 威賴さんによると、60℃で24時間以上発酵させることで人体に有害な各種病原菌は死に絶え、
有用な菌のみが残る「完熟発酵」状態になり、臭いも少なくなるという。
まず東京ドーム約1個分の広大な敷地内に有機廃棄物を集積。時間を掛けて1次発酵、2次発酵させた上で、完熟発酵させた堆肥を山梨工場に運び、袋詰めして出荷する。
生産管理を担当する岩田宏樹課長によると、発酵には約6カ月かかり、時期によっては集積から出荷まで1年掛かることもあると言う。

地域で排出された食品廃棄物を堆肥に加工する。
堆肥が農地にまかれ、肥沃(ひよく)な土地で育った作物が再び地域の食卓に並ぶ。
アサギリでは「ゴミを資源に」を合言葉に、有機資源循環サイクルの構築を目指している。
弱った農地に、異常気象に。悪条件下でも頼れる完全有機質堆肥
牛ふん、食品廃棄物の他に、下水汚泥が含まれるのが『アサギリMIX』シリーズの特徴だと、簔代表は語る。
「『下水汚泥』と聞くと不安に思われるかもしれませんが、品質管理された下水汚泥には牛ふんだけでは得られない成分が含まれています。
弊社では、安全性担保のため、3カ月ごとに有害物質の分析検査を実施しており、過去12年間一度も法律の基準値を超えたことがありません」

(左)アサギリMIX PELLET15kg(右)アサギリMIX PELLET800g
堆肥に下水汚泥を入れるのは、作物が必要とする鉄分やミネラル分などを豊富に含んでいるためだ。
一般的な化学肥料には、窒素、リン酸、カリウムの三要素しか含まれていない。
農業生産性を重視して化学肥料だけを使用すると、作物は育つために必要な栄養分を土壌から吸収する。
それを繰り返すことで土は栄養を失って固くなり、水はけも水持ちも悪くなってしまう。
『アサギリMIX』をまくことで、下水汚泥に含まれた鉄分やミネラルなどが、痩せた土壌に力を与えてくれるのだ。

「天候が安定しているときであれば、化学肥料だけの農業でも問題はないでしょう。しかし異常気象の続く過酷な環境下では、地力のない土地で作物は育ちません。水はけがよく、水持ちも良い肥沃な土壌は、悪条件の下でも作物を強く育ててくれるのです」
更に株式会社アサギリでは、常に農家の要望を取り入れ、商品の改良を繰り返している。
難しい牛ふんのペレット化に成功したのも、「散布しやすい商品にしてほしい」との声を受けてのこと。

ペレット状にしたことにより、取り扱いやすく、さらには飛散しにくいよう工夫がされている
ペレット化によって化成肥料散布機械での散布が可能となり、農業生産性の向上と設備投資コストの削減にも貢献した。
簔代表は語る。
「産業廃棄物処分場は、できれば自宅の近くにあってほしくないもの。だからこそ私たちは、処理を適正に行い価値のある商品を作り続けることで、地域や社会に必要とされる企業を目指すべきなのです」
スペック情報
社名
株式会社アサギリ
企業HP
商品名
『アサギリMIX』
『アサギリMIX PELLET』
住所
〒418-0102
静岡県富士宮市人穴203-51
お問い合わせ
電話番号:0544-52-0212
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