JAあきた白神の取り組みと「夏扇パワー」導入の背景
産地紹介
秋田県北西部に位置する〈あきた白神農業協同組合〉は、能代市と藤里町を管内とし、世界自然遺産「白神山地」のふもとに広がる地域です。冬は日本海側特有の強い季節風が吹きますが、積雪は比較的少なく、ネギ栽培に適した環境です。
この地域でネギが本格的に栽培され始めたのは1950年頃。畑地造成や機械化の進展により、作付面積と生産者数は年々増加しています。

生産者の齋藤洋さん(左)と佐藤重樹さん(右)
「白神ねぎ」の取り組み
市場評価の向上と、部会員の品質に対する意識改革と底上げを狙った週一抜き打ち品質検査の開始や、作付面積の単純増反と太物需要があり高値販売が期待できる端境期の出荷を可能とした越冬早どり作型の導入など、「白神ねぎ」としての産地化を推し量るための取り組みを行ってきました。そのおかげで、少しずつではありますが面積の増反や販路拡大が知名度の向上に繋がっています。
2013年からはさらなる産地としての飛躍をはかるとともに有利販売を展開し、10億円販売達成を目的として「白神ねぎ」10億円販売達成プロジェクトチームが発足しました。作付面積の増反推進、販売単価のさらなる向上・維持、営農指導活動の強化・徹底の3つの方針を打ち立て活動したことで、2015年に目標を達成、その後、名称を「白神ねぎ」20億円販売達成プロジェクトチームに変更し、新たに販売金額20億円の目標を定めましたが、それも2024年に達成しています。
「夏扇」シリーズ導入の経緯、評価
1997年ころに「夏扇」シリーズの試作が始まり、2006年以降は「夏扇パワー」が主力品種として定着。
「夏扇パワー」は、当地では、夏ネギの走りである越冬早どり作型のメイン品種であり、「夏扇4号」と比較しても根量が多く、干ばつにも強いことから、夏から秋冬にかけて幅広く使われています。 また、一発肥料の台頭で追肥をほとんどしなくなったことも、「夏扇パワー」が幅広く使われている要因です。
一方、「夏扇パワー」は葉鞘(ようしょう)内にヌメリ(ノロ)が多いため、水切り作業の簡略化を求めたり、夏場の腐敗対策に重点を置いたりされる生産者には「夏扇4号」が根強く選ばれています。また、冬期間の雪中ネギ(囲いネギ)では葉鞘(ようしょう)部が凍結するリスクを避けるため、「夏扇タフナー」を用いる生産者もいます。
2025年夏の栽培状況リポート:乾燥条件下でも安定の評価
2025年の能代市では、7〜8月の降水量がわずか16mmという乾燥年となりました。高温・乾燥条件下ではネギの生育が停滞し、十分に太らないことも多い中、「夏扇パワー」はその力を発揮。想定より遅れはあったものの、しっかりと伸び・太りを見せ、出荷をすることができました。
7月下旬~8月上旬の厳しい栽培条件下においても「夏扇パワー」は青果物の評価をいただいております。安定した出荷が難しい栽培環境でも出荷ができることは「夏扇パワー」を導入している大きな利点といえます。

「白神ねぎ」ブランドとして出荷
やっぱり夏ネギのスタートは「夏扇パワー」!
異常気象が常態化する中、夏ネギのスタートにおいて「夏扇パワー」は頼れる存在です。では、夏ネギ栽培で「夏扇パワー」の力を最大限に引き出すには、どんなポイントを押さえるべきでしょうか?
押さえておきたい「夏扇パワー」栽培ポイント
▶早生・早太り型で、根が強く高温下でもスタミナを発揮
・最終土寄せから1カ月以内(軟白2週間程度)での収穫が適期です。
※適期を過ぎると伸長が止まり、襟割れや降雨による軟腐のリスクが高まります。

左:収穫適期 中:収穫遅れにより襟割れが見られる 右:襟割れから株の腐敗が始まる
・多肥には注意が必要です。
葉の過剰伸長や残肥によって在圃性が低下する恐れがあります。
▶ 管理反応が早いため、焦らず・放置せず、こまめな対応を
・高温期でも休眠しにくい性質のため、在圃型ではなく“攻め”の管理が有効です。
・ “襟すくみ”を防ぐため、随時土寄せを行い、成葉4〜5枚を残します。
▶ 水揚げが強く、みずみずしく張りのある肉質が特徴
・高温乾燥には強い一方で、多湿には弱いため排水対策が重要です。
・ 葉身にノロが多いため、葉切り後はしっかりと水切りを行いましょう。

出荷前に念入りにノロぬき作業
こんな生産者さんにおすすめ!
✔ 高温期でも安定した評価、収穫を目指したい方
✔ 作型を広げて収穫期を分散したい方
「夏扇パワー」だからこそ、できる夏ネギ栽培。高温乾燥条件に負けないスタートダッシュを、ぜひこの品種で体感してください。
お問い合わせ
株式会社サカタのタネ 野菜統括部
〒224-0041
神奈川県横浜市都筑区仲町台2-7-1
TEL 045-945-8802

















