首に装着するのではなく、耳に装着するイヤタグセンサーの登場で導入決意
数多くの受賞歴を誇る佐賀牛の肥育農家でU-motionが導入されたと聞き、佐賀県西北部の上揚地域で牧場を営む宮崎陽輔さんを訪ねました。宮崎さんは、佐賀牛を肥育する宮崎牧場の2代目。約850頭の牛を肥育しており、宮崎さん家族と常勤5名、非常勤(パート)4名を含む12名体制で日々の業務に取り組んでいます。以前は、雄牛と雌牛を半々で肥育していましたが、『これからは雌の時代』と聞き、現在は、雌牛専門の肥育農家として知られています。

「餌を食べて、寝ることの繰り返し、という快適な毎日を牛に過ごしてほしい。牛が落ち着いて過ごせる環境を当たり前につくることが私たちの仕事です」と宮崎さん
「こだわらない」のがこだわり
宮崎さんは、自らの仕事を「特別なことをしているわけではない」と言います。「当たり前を徹底すること。こだわらないことが、私のこだわりです」牛と真摯に向き合い、スタッフには「普通のことを普通にやる」ことを求める。派手さはなくとも、その積み重ねが牧場を支え、結果として佐賀牛ブランドの信頼につながっています。
とはいえ、突発的な事故に対応するのは非常に困難でした。夜中に見回りをしていても、翌朝スタッフが出勤した際、倒れて動けない牛を発見したときには悔しい気持ちで一杯になっていたそうです。「とにかく事故を減らしたいというみんなの願いが強かったですね」と宮崎さん。

肥育農家さんからの声から生まれたイヤタグセンサー。角のない丸みのある優しい形状で、世界最軽量の23gの軽さです。
スタッフより長く牛の世話をしてきた宮崎さんだけに、牛を見ただけで、「少し体調が悪いかも」「このままだと体調が悪くなるだろう」と早い段階で気づけることも多くありました。スタッフの経験が浅いと病気のサインを見逃すこともあり、個人の経験則に頼らず、データで把握できるようにしたいと考えたことも導入理由でした。
「事故防止のためにU-motionを導入しましたが、起立困難アラートが鳴る牛はその前から行動が半分に減ったこともわかり、体調の見える化につながりました。導入4日目には、スタッフから『ありがとうございます』と感謝されました」と笑顔の宮崎さん。

U-motionを導入したことで、牛の行動を可視化ができるようになり、スタッフの判断力や分析力も磨かれていると宮崎さん。
以前だと、どの牛が餌を食べていないのか知るすべがなく、見当外れの治療をしていたこともあったかもしれません。データ上で散布図や行動管理ができるようになったことで、事故防止以外にも肥育に活用できる可能性や期待感を強く感じたそうです。
起立困難アラートで死亡事故0を達成。出張中のストレスも大きく軽減
導入前は創業者であるお父様と手分けして夜中に見回りをしていたそうですが、それでも1%の事故を減らすことができずにいました。
「牛にとって最高にリラックスできる環境をつくろうとお世話しているので、ゆっくり寝てくれるのはいいことなのですが、横向きで寝てしまう牛もいます。そうすると、ガスが溜まってしまうので6時間がリミット。肥育が順調な牛ほど余計に起き上がれなくなり、死亡事故の割合を大きく占めてしまっていました」と宮崎さん。牛に良い環境を与えられている反面、事故率が高まるリスクを背負ってきた宮崎牧場の皆さん。U-motionの起立困難アラートのおかげで、導入後はなんと事故率0%をキープできているそうです。
「導入後の約3カ月間、夜中にアラートが鳴ったのは20数回。アラートがきちんと鳴ってくれるので本当に助かりますし、駆けつけたところ、牛が座っていただけだったとしてもスタッフには手当を出すようにしています。夜中に出動する大変さはありますが、事故が起こるよりもずっといいので、スタッフもみんな喜んでいます」

タイムラインで各種アラート情報等を確認することができ、対処情報の管理にも役立ちます
また、宮崎さん自身にも大きな変化がありました。これまで出張中も何かと心配が多く、朝いちばんにスタッフから電話をもらうのが憂鬱だったという宮崎さんですが、今ではどこにいてもスマホ1つで牛の様子がわかるため、ストレスが大きく減ったそうです。何か異常があったとしても、スタッフによってどんな治療がされたのかなどすべてを共有できるため、出張先でも安心して過ごせるようになりました。
さらに宮崎さんが注目するのは、疾病アラートです。とくに子牛時代の病気を早期に治療することで、後に重い病気になることを回避できることもあり、獣医担当のスタッフが中心となって疾病アラートを管理。異常があれば早い段階で獣医を呼び、早期介入することで重症化を防ぐことができています。過去の疾病に関するデータもすべて一元管理できることから、肥育中期や後期の重要な判断材料にもなっています。
データ活用により肥育や選畜の精度を高める
事故率を下げるために導入したU-motionでしたが、データを多く得られたことで牛の体調管理だけでなく、それぞれの肥育期にどのような行動管理ができたら良いのかなど、データを見ながら肥育に取り組めるようになったと宮崎さん。「1年、2年と長くデータを蓄積することで、出荷時や品評会の選畜の精度を高められるだけでなく、裏付けまでできるのではと考えています」と期待が膨らみます。

牛の肥育とスタッフ育成の両方で、取得したデータを活用している宮崎さん
導入後のサポート体制についても質問してみました。「デザミスさんから『勉強会をしましょう』とご提案いただき、オンラインでU-motionの使い方を学ぶことができました。熱心な指導から、もっと使いこなしてほしいという思いが伝わってきましたし、わからないことがあればすぐに質問できます。『使いにくいかも…』と感じていたところが早々に改修されていたこともあり、ユーザーの声に耳を傾ける姿勢も素晴らしいと思います」と高評価をいただきました。

デザミスの菊池さん(手前)今さん(奥)農家さんの声を大事にしながら、より良いU-motionを目指す
宮崎牧場の覚悟と取り組み
佐賀牛を名乗れるのは、厳しい基準を満たした牛だけ。その名を背負う責任は大きく、「佐賀牛のブランドを守り、さらに高めたい」という思いが宮崎さんの根底にあります。「牧場名が消費者に届くのは先でもいい。まずは佐賀牛というブランドを確立し、先人たちが築いてきた想いを受け継ぎたいんです」佐賀牛を世界に広げていく覚悟をにじませます。
「誰にでも“おいしい”をつくるのは難しいですよね。人によって好みも違えば、調理法でも味は変わりますから。ウチの牛の魅力は、味が濃いこと。佐賀牛というブランドが登場して40年が経った今、先人たちの想いを受け継ぎながら世界のトップブランドに高めたいと思っています」と宮崎さん。
また、地元唐津市・玄海町と連携し、学校給食で佐賀牛を提供する食育活動にも取り組み、今年度から始まります。子どもたちが佐賀牛を味わい「将来地元に戻った時に、また佐賀牛を食べたいと思ってくれる体験を届けたい」と語ります。食育は単なるPRではなく、未来の消費者、そして地域を支える子どもたちへの投資でもあります。
その実現には、生産者個人の努力だけでなく、JAからつ肥育牛部会との連携や地域と一体となった取り組みが欠かせません。経験や勘に加え、データという確かな根拠を持つことが、これからの畜産経営においてますます重要になります。地域と共に歩み、宮崎牧場は佐賀牛ブランドをさらに未来へとつなげていきます。

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