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急ピッチで開墾しても、夏野菜はぐんぐん育つ!ずぼら家庭菜園の収穫期

伊藤七

ライター:

連載企画:ずぼら女子の半農半X

急ピッチで開墾しても、夏野菜はぐんぐん育つ!ずぼら家庭菜園の収穫期

半農半Xの暮らしに憧れながら、ずぼらな農ライフを楽しんでいるライターの伊藤七(いとう・なな)です。前回までは、山奥にあるカチカチの土地を開墾して、急ピッチで畑にし、夏野菜の定植までこぎつけたことをお伝えしました。本記事では、定植から約1ヶ月半後の収穫の様子をお伝えします。植物がぐんぐん成長する時期だからこそ、私の「ずぼらさ」が目に見える形であらわれる場面もあり、自戒も込めて、その模様も綴っていきます。

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【前回までの記事はこちら】
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生えている雑草で土壌診断! 雑草が教えてくれる4つのこと【畑は小さな大自然vol.115】

きゅうり・ゴーヤ・ハーブ類を収穫できた

定植してから1ヶ月半が経ち、きゅうり・ゴーヤ・ハーブ類の収穫ができました。

収穫したきゅうりと近所の人からいただいたみょうが

和え物にして夕飯に

地面で成長していたゴーヤ

ゴーヤはシンプルな味噌炒めに

虫よけにもなるホーリーバジル

ハーブティーとして仕事のお供に

粘土質でカチカチの土地でしたが、山の天然腐葉土をすきこんだ結果、野菜が収穫できるまでになりました。

「土がカチカチなので根が腐ってしまうのでは?」「栄養不足で芋や豆くらいしか育たないのでは?」という不安もありましたが、第一弾として満足できるレベルの収穫ができました。

トマトの支柱を立てた

竹の支柱を設置

トマトが大きくなってきたので、支柱を立てました。竹の支柱はコメリで5本198円。なんとなく自然に還りそうなものの方が良いかと思い、竹を選択。誘因には結束バンドを使いました。こちらもコメリで200円程度です。

カチカチだった土に雑草が生えてきた

多様な雑草が生えてきた

はじめは雑草がまったく生えていない土地でしたが、7月後半に差し掛かると、野菜も雑草もぐんぐん育ってきました。生えてくる雑草の種類によって土の状態が分かると聞くので、どんな雑草が多いか調べてみました。

おそらくキランソウ。薬草として民間療法に使用することもあるらしい

おそらくメヒシバ。夏の畑の天敵のひとつ

サンショウ。山の腐葉土を持ってきたため畑に生えていた

マイナビ農業の雑草に関する記事では、以下のように書かれています。

雑草の種類が多いか少ないかも観察すべきポイントのひとつです。1つの畑で目立つ雑草の種類が1〜3種類しかない場合は、土壌酸性度が低すぎる、土が硬すぎる、土が痩せている、あるいは栄養はあっても過剰施肥によってバランスが崩れているなどの可能性があります。季節によっても異なりますが、一年草を主体として10種類ほど多様性があると、土壌環境が良い状態であると考えています。

引用:生えている雑草で土壌診断! 雑草が教えてくれる4つのこと【畑は小さな大自然vol.115】

目立つ雑草の種類が1~3種類ということはなく、少なくとも5~6種類はありました。メヒシバが全体を覆っているわけでもなかったので、「いろいろな種類の雑草が生えていて豊かだな」と感じます。

元はカチカチの土でしたが、少しずつ多様性を持ち始めています。

ずぼら家庭菜園の反省点

順調に栽培しているようにも見えますが、私はずぼらなので、ずぼららしい良くない点も持ち合わせています。

ずぼらな家庭菜園をするとどうなるのかご紹介します。

2週間畑へ行けず、きゅうりが育ちすぎた

育ちすぎて黄色く変色したきゅうり

またしても2週間ぶりに畑に行きましたが、きゅうりが育ちすぎていました。長さは40cmほどになり、黄色く変色し、皮が分厚い状態です。ためしにかじってみましたが、にがみとえぐみが強く、美味しいとは言えません。

夏に2週間畑に行けないと、さすがに「食べられないもの」を生み出してしまうことが分かりました。

きゅうりとゴーヤを地面に這わせ、畑をジャングル化させた

ゴーヤ、きゅうり、雑草によってジャングル化した畑

たった2週間前の畑

きゅうりやゴーヤを地面に這わせて栽培していました。簡単に言えば、支柱やネットを用意するのをサボりました。その結果、きゅうりとゴーヤが地面を覆い、落花生ゾーンや柵の方にまで範囲を拡大させていたのです。地面を這わせた結果でしょうか。変形しているきゅうりや、色の薄いゴーヤが実っていました。

わたしの考えはこうでした。「地這いきゅうりという品種もあるし、別に地面に這わせても実りはするんだから、いいや」

しかし地面を這わせることによるデメリットは多いと聞きます。

● ジャングル化して見栄えが悪い
● 実が腐りやすい
● 色や形が悪くなる
● 面積を取るので他の植物の邪魔になる

支柱やネットは数百円で購入できるので、大人しく道具を用意して、きちんと栽培してあげたらよかったと思います。

動物対策が甘く、ミニトマトが食べられていた

ミニトマトをもがれたような跡

ミニトマトが不自然になくなっていました。緑色の実は成っているのに、色づいた実はひとつもない。もがれたような痕跡もある。荒らされた形跡や糞は見当たりません。

おそらく猿の仕業だと思います。猿は美味しい作物を判別して、柵を乗り越えて、上手に食べていくのでちょっと憎いです。

なるべくお金をかけない猿対策として防鳥ネットをかけることが挙げられます。しかし、それでも数千円かかります。数千円と手間をかけてネットをかけるのか、ミニトマトは諦めて他の野菜を収穫して楽しむのか。時間がなく、ずぼらな性格なので、どこまで向き合うかは迷いどころです。

ずぼらがゆえの罪悪感

今回書いた中では、このような点は褒められたものではないと思います。

● 2週間畑へ行けず、きゅうりが育ちすぎた
● きゅうりとゴーヤを地面に這わせ、ジャングル化させた
● 動物対策が甘く、ミニトマトが食べられていた

特に、きゅうりが育ちすぎてダメになったり、ジャングル化させて景観を悪くしたり、丁寧に世話をしていないことについては罪悪感のようなものを感じます。行動としてはずぼらなくせに、考え方としては「何事にも丁寧に向き合う誠実な人こそ素晴らしい」という想いがあるのです。「私は畑をやってはいけないのではないか」「誰かに悪く言われても仕方ない」という想いもあります。

丁寧に野菜を栽培されている農家さんには、恥ずかしくて自分の畑のことを言えないと思ってしまいます。

個人としては「ただ楽しむ」を許されたい気持ちもある

一方で、個人として家庭菜園に取り組む分には「ただ楽しむ」を許されたい気持ちもあります。特に現在の畑がある土地は、周囲数百メートルには誰も住んでいません。畑や田んぼもありません。私がずぼらであることにより、直接的に迷惑をかけている人はいないと認識しています。トマトの味を学習した猿が他の畑を荒らすこともあるのでしょうか。

もちろん近くを通りがかった人には「管理が行き届いていないな」と思われたり、「土地や命を粗末に扱っているな」と思われる可能性はあります。

広い意味で考えると誰かに嫌な想いをさせているかもしれませんが、そのくらいの寛容さがある中で楽しめたらいいな、と思ってしまいます。

さいごに

土や太陽、雨の力で野菜は育つ

きゅうりやゴーヤを収穫できたことは嬉しいです。ミニトマトが猿に食べられてしまったことは少し残念です。それと同時に、「猿も食べたいよね」と、猿に食べられることを「まぁいいや」と流したくなる自分もいます。

自分のずぼらさに対して「さすがに良くないかな」とそわそわする時もあれば、「耕作放棄地を使って、ちょっとでも自給しているこの試み自体には価値があるのでは」と思ったり、スタンスが揺れています。

自分のこと、周囲のこと、植物のこと。誠実でありたいけれど、行動としてはずぼら。考えや思想だけが頭でっかちで、行動が追いつかない自分のことを振り返る機会になりました。

このあと2週間の実家滞在や1ヶ月間の出張も控えているので、管理の方法について考えなければなりません。畑もやりたいけど、自由に移動する生活も手放したくない。人にお金を払って管理してもらうのは、ただの家庭菜園としてはやりすぎのような気もするし、だからといって放置も良くないですよね。忙しい方は、畑にどう向き合っているのか、話を聞いてみたいと思いました。

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