収入増と人不足の解消を目指して決断した、ハウス栽培へのチャレンジ
お父様から受け継いだ畑でブドウを育てて20年以上になるという、山梨県笛吹市の秋山守(あきやままもる)さん。

笛吹市で農業を営む秋山守さん
※写真の機器は、旧WaBit製です。現在はアルスプラウト株式会社が同製品の開発・販売を行っています。
125aある圃場のうち、約50aでハウス栽培を行っています。それぞれが少し離れた場所にある3棟のハウスは、6年前に最初の1棟を、残り2棟を3年前に建てられたとのこと。大きな建築コストがかかりますが、抱えている課題が解決できれば、と秋山さんは導入を決断したそうです。

秋山さん所有のハウス(上空撮影)
「ハウスで育てているのはシャインマスカット。ここ数年とても人気が高く、単価も高い品種です。そのため笛吹市でも多くの生産者が育てています。より高く売るためには、収穫期間を長く延ばすことが重要。そのために様々な生産調整を行います。露地栽培とハウス栽培を組み合わせることで、2~3カ月からうまくいけば4カ月、露地栽培のみに比べて収穫期間を延ばすことができるのです」
収穫期間が延びることで、出荷量が最も多くなる時期以外にも出荷ができ、売上増につながる。それがハウス栽培の狙いの1つだったと秋山さん。それ以外にも、抱えていた「人不足」の課題も解決できるのではという期待もあったと話します。
普段のブドウの栽培は秋山さんご夫妻とご親戚で行い、繁忙期の収穫は農業実習生などを雇って行っている秋山さん。収穫期は近隣のどのブドウ生産者も同様に人手を求めるので、取り合いが起こってしまうのだそうです。

「ブドウの収穫適期は本当に短い。数日にわたり人が足りずに収穫ができなければ、出荷できなくなることもあります。それを防ぐためには、繁忙期前の時期にも人を確保しなければなりませんが、それでは長期間にわたって雇用をするためコストがかかってしまいます。生産調整がうまくいけば、人手が必要な時期を分散でき、安定して確保することができるようになります」
ハウス栽培を始めたことで、天候に大きく左右されることなく収穫時期をコントロールすることができるようになり、どの時期にどれだけの人手を雇うかの計画も立てやすくなったそうです。
「それが可能になったのは環境制御システムのアルスプラウトを導入したから。アルスプラウトと出会わなければ、ハウス栽培へのチャレンジは失敗していたかもしれないですね」と秋山さんは笑顔で話します。
圃場チェックの回数が90%軽減!圧倒的な省力化を実現した『アルスプラウト』

制御ノードを確認する秋山さん
「ハウス栽培を始めるにあたって、環境制御システムも導入しようと考えていました。様々なメーカーが環境制御システムを販売しており、一長一短あります。じっくり検討した上で、DIYで自分がやりたいシステムを構築でき、さらに導入とランニングコストが抑えられるアルスプラウトに決めました」
当初は機械やシステムのことなどはまったく知見がなかった秋山さん。アルスプラウト導入にあたり、環境制御システムでモニタリングしたいことや制御したい装置などのアイデアを話すと、サカタのタネの担当者が様々な装置を紹介して実現してくれ、実際にそれを使うことで、知識や経験が身についていったそうです。

”カスタムできるモニタリング”内気象ノード
現在、秋山さんがモニタリングしているのは、ハウス内の温度と湿度、飽差、CO₂量、屋外の温度、湿度、日射、風向き・風速と降雨量など多岐にわたります。使いながら項目を精査し、必要なものに絞っていったとのこと。
「土壌水分やECは外しました。データを見るとブドウの生育に大きな影響を及ぼさないとわかったからです。その変更も簡単でした。修理も難しくないです。笛吹市はとても落雷の多いエリア。落雷でよく故障が起こるのですが、修理方法も教えてもらって自分でできるようになりました。部品はネット通販で買うことができ(※)、とてもスムーズ。知識と経験が身についてくると、安価な部品や構成を自分で考えて試したりできるのもアルスプラウトの長所。導入費用はもちろん、ランニングコストも他システムと比べ、予想以上に抑えられると感じています。」
(※)ご自身でネットなどから購入された製品は、メーカー保証が適用されていない場合があるので注意が必要です。
様々な装置の制御も簡単に設定できるのも強みだと秋山さんは話します。ハウスでは、カーテンの開閉のほか、谷換気や換気扇、CO₂発生器、加湿器などをアルスプラウトで制御しています。

外気象センサ
「ブドウは暑さに弱い。気温38度が4時間続けば、ブドウの樹はダメになってしまう。昨今の異常気象では起こり得る状況です。もし高温状態に気付かず枯らしてしまうと、植え替えてから収穫まで数年かかってしまう。アルスプラウトなら、目標温度を設定しておけば自動で温度調節を行ってくれます。また危険な状態になればLINEに警報のメッセージを飛ばすこともできる。様々なロスやミスを減らせるのも心強いですね」
昔ながらの栽培方法では、平均で1日に18回ほど圃場に足を運んでブドウの状態をチェックしていたそうです。天候不良が続く時期には、多い日で30回も足を運ぶことも。時間と手間が取られるブドウ栽培に限界を感じていた秋山さんですが、アルスプラウトを導入してからは「圃場の状態が手のひらのスマホや自宅のPCで、数値を詳しく把握できる。通知も届きます。さらに、アルスプラウトが自動で環境をコントロールしてくれるので、圃場に足を運ぶのは1日2回でよくなった」と話します。

秋山さんにスマホの画面を見せてもらいました
日本の農業の持続可能性を左右するカギは、環境制御システムが握っている
秋山さんは今後、光合成促進のためにLED装置を導入し、アルスプラウトで制御することも考えているそうです。
「光合成の時間を増やすと、シャインマスカットの皮が薄くなり、品質の向上が望めます。また、収量増も可能になります。環境制御システムがあれば、質も量も追い求めることができるわけです。何が自農園に向いていて、より収入増につながるか、データを見て検討できます。いままでは農作業に忙しく、将来のことを考えられる時間が少なかった。こうして攻めの手を考えられるようになったのも、アルスプラウトのおかげですよ」

秋山さんが栽培しているシャインマスカットはもうすぐ収穫。大きくてとても美味しそうです
自身の農園の将来の可能性を拡げるのはもちろん、日本の農業の持続可能性も高めてくれるのではないか、と秋山さんはアルスプラウトに期待しています。
「栽培環境のモニタリングを行い、目標の数値になるように自動でコントロールしてくれる。これは、今まで農家が自分の目と手と経験を駆使し、時間をかけて行っていたことをアルスプラウトが肩代わりしてくれる。山梨県ではJAがブドウ栽培における最適な温度管理や水管理などの指針を公表しており、アルスプラウトに活用することができます。新規就農者が使えば、経験不足をアルスプラウトが補ってくれます」
秋山さんは、山梨県や大学などが発表した多様なデータを活用しつつ、自身の圃場の過去データと統合することで、ブドウのハウス栽培に最適化された数値を作ろうとしているそうです。そのデータがあれば、自身が新たにハウスを増築した際に失敗することなくブドウ栽培を行えるほか、アルスプラウトの共有管理機能を使えば、承認は必要になりますが他の生産者にもデータを共有し参考にしてもらうことも可能です。

「アルスプラウトクラウドには数年分のデータが保存されます。現在、私の経験がデータとして3年分保存されている状態です。このデータは、広く活用していただこうと様々な生産者に共有しています」
秋山さんは、自身のアルスプラウトのデータが新規就農の後押しになれば、そして、人手不足が進行している日本の農業を救う一助となれば、と考えています。
「高齢化や後継者不足を考えると、日本の農業が生き残るためには新規就農者がとても重要。そして既存の生産者が失敗せず、しっかり稼いで農業を続けることも大切です。昨今の異常気象などを鑑みると必ずしも成功を保証するものではありませんが、大きな失敗を未然に防ぐ手段として、環境制御システムは大いに役立ちます。ハウス栽培で営農している、あるいはハウス栽培を考えている生産者の方は、ぜひ導入すべき」
そして、数ある環境制御システムの中でも、DIYで導入・ランニングコストが低く、理想の栽培方法を実現できるアルスプラウトは、中小規模の生産者にこそおすすめしたい、と秋山さん。最後に「未来の私たちの営農にとって、必須のシステムです」と力強くしめくくってくださいました。
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