与謝野町を舞台に、家族農家から企業経営へ
丹後エリアの与謝野町・石川を拠点に、AGRISTは2020年、近隣の農業者と経営統合して法人化しました。「家族経営のままではいずれ限界がくる」という危機感から、組織体制と機械投資を計画的に進め、就業の仕組みを整備。41haでスタートした作付は、2025年には60haへと拡大しています。

規模拡大は目的ではなく、地域の農地を未来につなぐための手段。「今後、莫大に増えていく農地をどう守るか」を最重要テーマに据え、受け皿となる生産体制と収益設計を磨いてきました。現場の中心は30代。アットホームで活気あふれる雰囲気が、挑戦を後押ししています。
AGRISTという名に込めた「3つの笑顔」と経営理念

社名「AGRIST」には「農をつくる」という意思を込めています。ロゴには3人の笑顔①役員・創業者、②お客様、③従業員を配置。「この3つの笑顔がそろわない事業は続かない」という原点を日々の判断基準に。 経営の軸は次の通りです。
■農地を守るための高効率:作業の標準化と省力化を追求
■挑戦なくして成功なし:地域で少ない作物にも果敢に挑む
■「稼げる・カッコいい・憧れる」農業:職業としての魅力を可視化
家族の献身に依存しない、生産性と持続性の両立を図る企業型農業を目指します。
現場を変えるスマート農業。ドローン×自動操舵×xarvio
AGRISTの強みは、感覚に頼らない再現性の高いオペレーションです。
ドローン散布:農薬・肥料散布で年間100ha超を稼働。時期適合・負担軽減・ムラ低減を実現
自動操舵トラクター:直進性の向上で作業の均質化と省力化
デジタル処方(xarvio):散布設計や施肥判断を可視化し、ベテランの勘や知見に近い精度で誰でも作業できる環境を整備
IoTやAIも組み合わせ、作業記録と圃場状況をデータで管理。属人化しない強い現場づくりが、面積拡大と品質安定の両立を支えています。

稲作+野菜の多角化、有機・特別栽培への挑戦
設立当初は水稲専業でしたが、今ではタマネギ・キャベツの栽培にも注力。輪作の視点を取り入れ、作期分散と収益性の安定化を図ります。目標は「増産と収量アップ」。圃場ごとの特性を読み、適期・適量・適資材で“無理のない増収”を追求します。 加えて、有機・特別栽培にも取り組み、環境配慮と市場ニーズの両面からブランド力を強化。

食育やインターンシップの受け入れも積極的に行い、「農業の素晴らしさを一人でも多くに伝える」活動を継続しています。働き方は個別の事情に応じて柔軟に調整。現場の活気は、こうした人中心の運営から生まれています。
地域の農地を守り、若者が憧れる農業へ
離農や高齢化で広がる農地を、次代につなぐのがAGRISTの使命。維持管理にとどまらず、収益が出る作物・方法を磨き込むことで“守れる体制”をつくります。今後は、地域全体での販売連携や、手を取り合う仲間づくりにも注力。「近隣の農家が笑顔で活気ある地域に」を合言葉に、面としての強さを育てます。 ビジョンは明快です。「若者が憧れる農業を目指して。稼げる農業、カッコいい農業、憧れる職業として走り続ける」。そして、こんな呼びかけで記事を締めくくります。「自分の好きな農産物を、一緒に作ってみませんか?」
会社情報
企業名:株式会社AGRIST
所在地:京都府与謝郡与謝野町石川544-1
主な生産品目:水稲、(野菜)タマネギ・キャベツ

















