ダンボールマルチとは? 使ってみようと思った理由

ダンボールマルチを敷いた場所はほとんど草抜きをしなくてよいらしい
ダンボールマルチは、その名の通りダンボールを畑に敷き詰めることで、雑草の抑制や土壌の保湿を行うマルチング手法です。もともと知り合いのエクアドル人の方が、「雑草抑制に効果がありつつも、最終的には土に還って土づくりにいいよ」とオススメしてくれたので、非常に小規模ではありますが実践してみました。日本ではあまり聞かないですが、SNSなどでも海外の家庭菜園をしている人がダンボールマルチを使っているのをよく見るので気になっていました。
マルチング資材としてのダンボールの特徴とは

ダンボールマルチの下の土がフカフカに
マルチング資材としてもっとも一般的なビニールマルチは、雑草抑制や保湿のためには非常に効果がありますが、最終的にはゴミになってしまうのが欠点。家庭菜園であればできるだけ身近に手に入る資材で調達したいところです。
うちの畑では雑草や落ち葉でマルチングをしています。これはタダで手に入るだけではなく、最終的には土に還って土づくりにもなります。ただしこれらはビニールマルチと比べると雑草抑制の効果は低いのが難点となります。
今回紹介するダンボールはその中間と言えるような資材で、分解されるまでは雑草抑制の効果も高いですし、最終的には土に還り、身近に手に入りやすいものでもあります。広い規模の畑では難しいでしょうが、小規模な家庭菜園では十分に可能性のある資材ではないかと思いました。
接着剤やインクの悪影響はない?
ダンボールが土に還ったときに悪影響はないのかどうかという点についても調べてみました。まず紙の部分は古紙やパルプなので十分に分解されるものです。接着剤についてはほとんどがトウモロコシでんぷん由来のノリであり、インクも最近使われているものは生分解性の高い水性インクや大豆インクが主のようなので、ほとんど心配はないかなと思います。ただ輸入果物を梱包しているダンボールは、防カビや防虫に使われるポストハーベスト農薬の影響が考えられるため、個人的にはあまり使いたくないなと思います。
ダンボールマルチの敷き方・使い方

濡らすと柔らかくなって、だんだんと畝の形になじんでくる
まずダンボールに付いているテープ類は、土に還らないため、できる限り取り除きます。 そして、畝の上に4センチほどの厚さになるように、ダンボールを重ねて敷いていきます。
4センチというとだいぶ厚く感じますが、水に濡れると意外とぺちゃんこになってきて、少しずつ分解されていくので、厚めに重ねた方が雑草抑制の効果が高いようです。ダンボールを水で濡らすと、柔らかくなって畝の形にフィットするようになり、風でも飛びにくくなります。
うちの畑は水道がないので、雨に任せました。ダンボールマルチの見た目が好きでない場合は、この上にさらに稲わらや落ち葉、雑草などを敷いておくのもよいかと思います。野菜を植えるときは鎌で穴を開けてから苗の植え付けや種まきをしていきます。厚めに重ねていても濡れると柔らかくなって簡単に穴が開きますが、柔らかくなるまで少し時間がかかるので、植え付けの1週間前くらいには敷いておいた方が良いと思います。
実際にやってみての感想

半年もたつとだいぶ分解されてきた
最初にダンボールを敷いた時は畝の形に全然フィットしていないので、これで大丈夫なのかなと不安になりましたが、その後雨が降って柔らかくなると畝の形にフィットし、苗を植えるのに穴を開けるのも思ったより簡単にできました。見た目はあまり好きではなかったので、途中から草を被せるようにしました。最初に習ったときは厚さは4センチほどが良いと言われていたのですが、私は「厚すぎだろ」と思い2センチくらいにしか被せていませんでした。
しかし、意外と分解が早くて4~5カ月くらいで隙間(すきま)から草が生えてくるようになったので、雑草抑制のためにはもう少し厚めでもよかったかもしれません。中の土はきちんと保湿されていましたし、マルチング資材としては十分に活用できると思いました。
マルチング資材として十分に可能性がある
自然農法的な農法をやりたい人は、ビニールマルチをできるだけ使いたくないという人も多いかと思います。ただ野菜づくりに慣れていないうちは、マルチングが不十分だと草に野菜が埋もれてしまい失敗してしまうケースも非常に多いです。
その中で、雑草抑制効果も高くて土に還る素材であり、身近に手に入るダンボールは小規模家庭菜園では十分に選択肢となりうると感じました。
基本的には非常にリサイクル率の高い資材なので、リサイクルしていくのが良いのかもしれませんが、ビニールマルチの代替品としてや、土づくりができるまでの資材としては十分におすすめできる資材だと思います。




















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