京の南の玄関口・久御山というフィールドの力

村田農園が拠点とする久御山町は、三川の流域による肥沃な土と、京都・大阪へ届きやすい立地が魅力。京野菜の産地としての歴史と、都市近郊ならではのスピード感を併せ持ちます。朝どれの鮮度を保ったまま市場や飲食店に届けられる環境は、味づくりと信頼づくりの大きな強みです。「歴史があり地元と密着している」という同社の自負は、この土地の力に根ざしています。
五代目が受け継ぐ理念「想い」を現実に、技術とおいしさを磨く
創業の背景は、京野菜農家の五代目として家業を継ぎ、次代へとつなぐ決意から。経営の芯には、次の3つの言葉が置かれています。
農業を通じて「想い」を現実に
おいしさと技術の追求
次世代への継承
受け継いだ作法を尊びつつ、データや技術で再現性を高める。伝統と科学が同じ方向を向くことで、季節ごとに安定した品質を実現してきました。
三本柱のものづくりと伝統の淀苗の育苗
九条ネギ、賀茂茄子、パールコーン
村田農園のものづくりは、京野菜の象徴である九条ネギ、京の夏を彩る賀茂茄子、そして甘み際立つパールコーンという三本柱で構成されています。いずれも久御山の立地と土、水、風の条件を生かしながら、品目ごとに最適解を積み上げてきた結果としてのラインアップです。季節の移ろいに寄り添いながらも、年間を通じて“ぶれない品質”を実現するのが村田農園の流儀です。

まず、九条ネギ。しなやかな葉と香りのよさ、やわらかな食感が身上です。日射や風の当て方、潅水の強弱、肥培管理をきめ細かく積み重ねることで、青々とした葉色と、口に含んだときの甘み・旨みを引き出します。京都・大阪へのアクセスに優れた久御山の利点を生かし、収穫後はスピーディーに出荷。鮮度をそのまま届けることで、食卓や厨房で最もおいしい瞬間に出会っていただけるようにしています。

次に、賀茂茄子。丸く張りのある姿、火を通すととろりとほどける口当たりは、丁寧な土づくりから生まれます。土の団粒構造を保ち、根張りと水はけ・保水のバランスを整えることで、皮に艶がのり、身はふっくらと肉厚に。京都の伝統的な料理はもちろん、現代的な洋のメニューでも存在感を放つ質感を追求しています。

そして、パールコーン。白い粒が真珠のように並び、みずみずしさとやさしい甘みが魅力です。受粉期の管理から収穫タイミングの見極めまでを丁寧に行い、粒の張りと香りを大切に収穫。朝どれの鮮度を保って届けることで、かじった瞬間の“はじけるおいしさ”を実現しています。
三品目はいずれも、伝統に裏打ちされた作法と、データや現場の観察に基づく改善の積み重ねで磨かれてきました。品目ごとに異なる栽培メソッドを確立しつつ、共通して大切にしているのは、安定した品質と地域性の表現。久御山というフィールドの恵みを、季節のリズムに合わせて最良のかたちでお届けしています。
伝統の淀苗の育苗
さらに600年の伝統を誇る実付き・根付きのいい苗、淀苗の育苗にも力を入れる。淀苗は伝統的な踏み込み温床による苗づくりと連作障害を防ぐための接ぎ木苗の生産など、産地の要求にこたえた積極的な苗づくりをしています。砂質土を生かした苗づくりは先祖から継承された京都の伝統農業です。村田農園は新しいものも受け入れつつ、伝統農業も行う。その心は、古き良きものを残し、新しきものと融合させるチャレンジする農業を積極的に行っているからこそです。
経験に依存しがちな勘所を、見える化。最新技術で畑をアップデート
村田農園では、経験に依存しがちな勘所を、座標とログで“見える化”することで、属人性を減らし、誰が作業してもぶれない品質へ転換することに取り組んでいます。その一つがトラクターのGNSSとRTK測位の実装です。ichimillを活用することで、数センチ単位の高精度で自動操舵・ガイダンスが可能に。畝立て・定植・培土・マルチ張りといった基幹作業の直線性が上がり、重複やムラを抑制。結果として、根の張りや排水性の均一化、作業時間の削減、オペレーターの負担軽減につながっています。このような取り組みは歴史を支えてきた暗黙知を、次世代へ渡せる形式知に変換するため。そして更なる村田農園の発展のためにアップロードを行っています。
歴史に学び、時代と融合する。拡大と継承のビジョン
「伝統ある京野菜の生産・販売を継続する」ことは、地域の食文化を守ること。村田農園は、農地のさらなる拡大を見据え、各人がスキルを磨いて活躍できる体制づくりを進めています。歴史を大切にしながら、とらわれずに時代の技術と融合する。その姿勢で、久御山の立地性と地域性の魅力を最大化し、京野菜の価値を未来へと手渡していきます。
会社情報
企業名:株式会社村田農園
代表:村田 正己
所在地:京都府久世郡久御山町北川顔馬嶋9番地1
主な生産品目:九条ネギ、賀茂茄子、パールコーン

















