福井県坂井市が関東圏に新米400トン出荷
坂井市の生産者グループ「坂井担い手ネットワーク」は9月16日、記者発表会を実施。
同ネットワークが生産した早稲品種「つきあかり」の玄米414トンを関東圏のスーパー・ベルクに直接出荷することを発表しました。
一定量のコメを確保、かつ、直接取引したいベルクと利害が一致し、半年以上の協議を重ねて今回の出荷に至ったそうです。

坂井担い手ネットワークは9月16日に記者発表会を行った
なぜ「つきあかり」なのか?
「つきあかり」とは2016年に農研機構によって開発された、早生で多収、かつ極めて優れた食味が特徴の新品種です。
同ネットワークも、「コシヒカリと同等か、それ以上の食味がある。ネットワークでも一定量出荷量が確保できる」と話します。
さらに特筆すべきは、近年多くの品種が猛暑による品質低下に苦しめられている中、つきあかりは一等米比率が94.1%だったこと。
「坂井平野には九頭竜川水系のパイプラインによって冷たい水が十分確保されており、その恩恵も大きく、生育を大きく左右している」(同ネットワーク)
コメの高温耐性品種は代表格の「にじのきらめき」をはじめ40種類以上あり、どれを選択すればいいか判断に迷う生産者も多いはず。
気候条件や栽培環境などの条件があえば、つきあかりを選択することは安定した収量と品質を確保するうえで有効な手段となり得るでしょう。
初の関東進出は果たして……
こうして出荷された新米は9月19日、1都6県全150店舗のベルクで「崖っぷち米」の名で一斉販売されました。取り扱い量はベルク全体の約10%にあたるといいます。
同ネットワークの田中代表理事は「福井のコメで早稲品種でいうと、ハナエチゼン(華越前)が代表格で、主に関西地方に出荷されており、それなりのブランド力はある。ただ、関東圏では福井のコメはさほど知名度がない。食味にこだわる関東圏の消費者に、われわれの坂井米がどのように評価されるのか、期待しかない」と話しました。
福井が自信をもって出荷したつきあかり「崖っぷち米」は昨今のコメ不足の救世主となるのか。今後の可能性に期待したいと思います。

崖っぷち米は9月19日に発売された

















