伏見・向島というフィールドと、挑戦から始まった中嶋農園

京都市伏見区・向島は、都市近郊でありながら豊かな水と田園が息づくエリア。暮らしの近くで食を支える「都市農業」の舞台として、中嶋農園は新しい形に挑み続けています。創業の動機は明快。「新しい農業の形に挑戦したかったから」。米どころの土台を生かしつつ、キャベツやサニーレタス、黒枝豆などへ生産を広げ、多様な作期とニーズに応える体制を整えてきました。地域と都市のあいだに立ち、毎日の食卓を支える存在を目指します。
経営の芯は「物心両面の幸福」と「自給自足の代行」
社名は創業者の姓を冠し、責任と誠実さを示します。経営理念は「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、農業を通じて社会の発展に貢献する」。暮らしの近くで安定しておいしい作物を届けることは、地域の安心にも直結します。その実現を一歩進め、「お客様の自給自足の代行」を掲げています。家庭での“当たり前のおいしさ”を絶やさない。そんな日常品質を、組織の力で再現し続けるのが中嶋農園の流儀です。

技術と循環で強くなる。スマート農業×資源循環×ソーラーシェアリング
効率と持続性を同時に高めるため、技術と循環を両輪に据えています。
スマート農業:ドローン・IoT・AIを活用し、作業の見える化と標準化を推進。誰が作業しても品質をそろえる“再現性”を重視
資源循環:生ゴミ回収と堆肥化、バイオ液肥の導入で、地域資源を畑に戻すループを構築。化学肥料偏重からの脱却と土づくりを進めます
ソーラーシェアリングでの水稲栽培:発電設備と作物生産を両立させる取り組みを進め、エネルギーと食の共生モデルを模索

これらの取り組みは6次産業化(加工・販売)とも連動しています。生産の裏側にあるデータや循環のストーリーをパッケージや発信に組み込み、特別栽培や環境配慮と一体で“選ばれる理由”を設計。暮らしに近い都市住民にも、納得と共感で手に取ってもらえる価値づくりを進めています。技術で効率を、循環で持続性を。二つを掛け合わせることで、中嶋農園は“次の標準”を着実に形にしています。
組織がつくる競争力。女性リーダーと農学博士、学びの土壌
“人”が中嶋農園の最大の資産です。女性社員が主要ポジションを担い、現場と経営の意思決定をスピーディーに回す体制を整備。さらに、外国籍の農学博士が在籍し、技術開発への意識が全社に根づいています。作業の改善も、新しい栽培の試行も、科学的な検証が前提。

地域や業界を越えた幅広い団体とのネットワークが、学びと協働の機会を広げています。 インターンシップや研修の受け入れ、そして社員教育の強化にも注力。挑戦を学びに変え、学びを力に変える循環が、現場の地力を底上げしています。
生物多様性を“地域のブランド”に、未来につながる伴走

中嶋農園が目指すのは、周辺一帯を「生物多様性の地域」として磨き上げること。圃場だけでなく、畦や水路、緑地も含めた景観と生態系を大切にし、農の営みそのものを地域のブランドにしていきます。環境配慮(SDGs)の実践、地域連携、6次産業化を束ね、都市近郊ならではの発信力で「未来につながる農業」の選択肢を増やしていく――その伴走者であり続けることが、中嶋農園のビジョンです。
会社情報
企業名:株式会社中嶋農園
代表:中嶋 直己
所在地:京都府京都市伏見区向島鷹場町3-2(〒612-8133)
主な生産品目:米、キャベツ、サニーレタス、黒枝豆 ほか

















