京丹波を舞台に、地域の要請から生まれた「先進農業」

舞台は船井郡京丹波町・水戸中河原。中山間・山間の地形ゆえに、農地の維持や獣害対策が常に課題となる地域です。そんな中、「地域の担い手」として行政から声がかかったのがオアシスランドの出発点。京都府・京丹波町・JAと歩調を合わせ、水耕栽培の先進事例を何度も視察。地域に根差す実装モデルを探りながら、温室内で養液だけを用いる水耕ねぎへ挑戦を始めました。目的は明快──荒廃地や遊休農地を増やさず、地域の農を持続可能にすることです。
オアシスランドという名に込めた約束と経営理念
土を使わず、水と養液で育てる水耕栽培。その“潤い”のイメージから、社名はオアシスランドに。水がもたらす生命感と、地域に安心をもたらす存在でありたいという約束が込められています。 経営理念は3つ。
安心して食べられる農産物を地域から
地域の自然を未来へつなぐ
地元の人と未来を育てる
単に作って売るだけでなく、「地域の暮らし」と「環境の持続性」を同じ土俵で高めていく。これが同社の基本姿勢です。
水耕ねぎがもたらす安定と品質、そして地域作物とのシナジー
温室内で育てる水耕ねぎは、天候や土壌条件の影響を受けにくく、均一な品質と安定供給に強みがあります。中山間地で課題になりやすい獣害や長雨・高温へのリスクも、施設・環境制御で抑制。丁寧に管理された養液と清潔な栽培空間が、みずみずしい風味とそろった規格を支えます。

同社は水耕ねぎに加え、米や丹波黒大豆の枝豆も生産。施設野菜と圃場作物を組み合わせることで、作期の分散と地域の食文化の継承を両立しています。水から育む“オアシス”と、土が育む“丹波の恵み”。二つの柱を一本のストーリーに束ねているのがオアシスランドの個性です。
循環と連携で強くなる。ドローン防除×堆肥活用×地域起業家

持続可能性は日々の実践から。オアシスランドは圃場ではドローンによる農薬防除を採用し、作業の省力化とムラの低減を図っています。地域の酪農から出る堆肥を活用して土づくりを進め、資源を地域内で循環。施設と露地の両方で“無理のない増収”を目指しています。 また、地元の女性起業家とも連携。商品づくりや情報発信、販売の場づくりなど、地域の多様なプレイヤーと手を取り合い、京丹波の価値を高め合うエコシステムを育てています。
ひらかれた農場が育む、次世代と地域の未来
オアシスランドの強みは、ひらかれた姿勢。小学生の研修・見学や中学生の農業体験を積極的に受け入れ、食と農の現場をそのまま伝えます。

体験の積み重ねは「地元の人と未来を育てる」という理念の実践そのもの。子どもたちにとっては職業観を広げる学びに、地域にとっては“農がそばにある”安心につながります。 目指す姿は明快です。中山間・山間の地の利を生かし、獣害回避と効率的な営農を両立させながら、手放されていく農地を確保・再生。異常気象で特産品の栽培が難しさを増す今こそ、京都府・京丹波町と連携を強め、丹波黒や米、水耕ねぎといった地域の柱を、確かな生産性で次世代へつなぐこと。オアシスランドは、その先頭で“地域のオアシス”を耕し続けます。
会社情報
企業名:有限会社オアシスランド
代表:大﨑 克巳
所在地:京都府船井郡京丹波町水戸中河原38

















