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エシャロット(ベルギーエシャロット)の育て方。栽培方法や失敗しないためのポイントを農家が解説

鮫島 理央

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

エシャロット(ベルギーエシャロット)の育て方。栽培方法や失敗しないためのポイントを農家が解説

エシャロットは、フランス料理などでよく使われる香味野菜で、タマネギよりも上品で繊細な香りが特徴です。本記事では、エシャロットの特徴、植え付けの方法や管理のポイント、病害虫対策、収穫のコツまで詳しく解説します。ぜひ参考にしてエシャロット栽培を楽しんでみてください。

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エシャロットの特徴とは?

エシャロット(shallot)は、ヒガンバナ科ネギ属に属し、中央アジアから中東が原産とされています。タマネギに似た薄茶色の皮と細長い小ぶりの姿を持ち、分球して増える性質があるため、ひとつの鱗茎(りんけい)から複数の球が収穫できるのが特徴です。

風味はタマネギよりも香りが強く、辛みがややあり、生のまま刻んで使うとアクセントが際立ちますが、加熱するとまろやかさや甘みが増して料理に深みを与えます。

寒さには比較的強く霜にも耐える一方で、高温多湿には弱く、夏の直射日光や水はけの悪さが病気や腐敗の原因になることがあります。栽培期間は品種や地域によって異なりますが、植え付けから収穫までに7~8カ月ほどかかる場合もあり、春植えや秋植えで季節の移り変わりを利用するのが一般的です。

エシャレットとの違い

エシャレット

国内でよく間違えられることの多い野菜に、「エシャレット」があります。エシャロットはタマネギに似た野菜です。一方でエシャレットはらっきょうを若どりして生食用にしたもので、名前が似ていることから混同されがちです。エシャレットは根ごと抜き取ってみそやマヨネーズを添えて食べられることが多く、辛みが少なく食べやすいのが特徴です。一方でエシャロットは香味が強く、料理の風味を高めるために用いられるため、まったく別の野菜として区別して理解することが大切です。

植え付けについて

エシャロットの栽培は、植え付けの段階でその後の生育や収穫量に大きな影響を与えます。種球を選ぶ際には、傷や病斑のない健康なものを使うことが基本です。植え付け時期については、10~11月の秋植えと、寒冷地では3~4月の春植えがあります。なお、エシャロットはタマネギの仲間なので、一般的にタマネギと同じような栽培スケジュールで管理すると良いとされているようです。

植え付けの方法・コツ

エシャロットの植え付けでは、まず健康で病気のない種球を選ぶことが大切です。種球は乾燥させすぎず、皮がしっかりしているものを使うと発芽がそろいやすくなります。

植え付けの際は、日当たりがよい場所を選び、水はけのよい土壌を用意しましょう。酸性土壌を嫌うため有機石灰で中和しておくと安心です。肥料は元肥として堆肥(たいひ)や緩効性肥料を施し、肥沃(ひよく)で通気性のある環境を整えましょう。植え付けの深さは球の頭が少し土からのぞく程度が適切で、深すぎると腐敗しやすくなり、浅すぎると乾燥の影響を受けやすくなります。

株間は15センチ前後を目安にし、風通しを確保して植え付けます。過密になると病害虫のリスクが高まるため、余裕を持たせた配置が望ましいです。最後に軽く土をかぶせて押さえ、水をたっぷり与えることで根付きが良くなります。

栽培管理について


エシャロットを健やかに育てるためには、植え付け後の水やりや施肥、さらに病害虫の管理といった管理作業が欠かせません。エシャロットは寒さには強いものの、高温や多湿には弱いため、環境に合わせたきめ細かな管理が必要です。特に春先にかけては鱗茎が一気に肥大する時期となるため、この時期の管理が収穫量と品質を大きく左右します。

水分や養分の与え方を適切に行えば、しっかりとした大きさの鱗茎が育ち、風味の良いエシャロットを収穫できます。ここでは「水やり」「施肥」「病害虫」の3つのポイントに分けて解説していきます。

水やりについて

エシャロットは過湿に弱く、特に梅雨時や真夏の多湿環境では病気や腐敗が起こりやすくなります。そのため、水やりは控えめを基本とし、土の表面が乾いたら与える程度で十分です。植え付け直後はしっかりと水を与えて発根を促しますが、その後は水のやりすぎに注意しましょう。

春になり気温が上がると生育が盛んになり、鱗茎が太り始めます。この時期は乾燥しすぎると成長が鈍るため、土の乾き具合をこまめに確認することが大切です。ただ、基本的には自然の降雨に任せ、乾燥が続くときのみ補う形で十分です。

また、水はけの良い土を作っておくことが、水やり管理を成功させる最大のポイントです。過湿と乾燥のバランスをとりながら、鱗茎が充実していく春から初夏の時期を中心に適切に調整しましょう。

施肥について

植え付け前の10月から11月にかけては、堆肥や腐葉土をすき込み、土を柔らかく整えるとともに、化成肥料や緩効性肥料を適量施して根張りを良くします。特に窒素は控えめにし、リン酸やカリを多めにすることが球の充実につながります。

12月頃から2月頃までは寒さで生育が止まるため、追肥は必要ありません。この時期は肥料よりも排水を意識し、過湿を避ける管理が重要です。3月に入って気温が上がり、葉が伸び始めて草丈が15センチほどになった頃が最初の追肥のタイミングです。ここでは葉の色を保ち、分球の準備を助けるために少量の肥料を与えます。窒素を抑え、リン酸とカリを中心とした施肥を心がけると良いでしょう。

4月から5月にかけては分球が進み、球が太る大切な時期を迎えます。この段階では二度目の追肥を行い、肥大を促すためにリン酸やカリを主体とした肥料を与えます。油かすや草木灰といった有機肥料を少し加えると、保存性も向上します。ただし窒素を与えすぎると葉ばかりが茂り、球の締まりが悪くなるので注意が必要です。

病害虫について

エシャロットは「病害虫に強そう」というイメージがありますが、生産が盛んなヨーロッパやアメリカでは、アゲハ・ヨトウガ類・アブラムシ類・ネコブセンチュウによる虫害や、べと病・うどんこ病・白腐病などの被害が報告されています。
海外では農薬による防除なども可能ですが、残念ながら国内で登録されている農薬はありません。自己責任になりますが、有機栽培用でどんな作物にも使うことのできる薬剤や、お酢などを用いるか、物理的に病害虫を防除するしかないのが現状です。
なるべく被害を抑えるためにも、よく観察しながら栽培するようにしましょう。

収穫のやり方

収穫期のサインは地上部の葉が6~7割ほど倒れてきた頃。この時点で株元の鱗茎も十分に肥大しており、風味の良い状態で収穫できます。

収穫の際は株元を傷めないよう、スコップやフォークを使って土を軽く掘り起こし、まとめて株ごと引き抜きます。掘り上げた鱗茎は泥を落とし、風通しのよい日陰で数日間乾燥させることで保存性が高まります。乾燥が不十分だとカビや腐敗の原因になるため注意が必要です。

保存する場合は、涼しく湿度の低い場所でネットに入れて吊るすか、紙袋に入れて冷暗所に置くと良いでしょう。ただし日本の気候では長期間保存するのは難しいため、早めに使い切ってしまうのがおすすめです。

まとめ


エシャロットはあまり国内では流通していない野菜です。栽培している農家も少なく、球種も入手しづらいため、レアな野菜といえるでしょう。また、現在国内で消費されているエシャロットのほとんどは輸入品といわれており、国内産のものはまだまだ少ないのが現状です。栽培の仕方についても、海外ではよく研究されていますが、日本の気候にあった栽培方法については、まだまだ研究途中といえます。とはいえ、自分の好きなように栽培できるのが家庭菜園の楽しさです。本記事を参考にして、エシャロットの栽培に挑戦してみてくださいね。

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