理想の品種に出会い、全国ミニトマト選手権で入賞

房なりで収量が多いサナテックシード社のルージュジャポネーゼ。単為結果性で受粉作業は不要
あきる野市の田中ファームでは、サナテックシード社のミニトマト『ルージュジャポネーゼ』を含む数種類のトマトを栽培しています。ミニ・大玉合わせて約1600株のうち、ルージュジャポネーゼは約800株。単為結果性で着果性の良い品種ですが、追肥管理や水の管理などがやや難しく、手間がかかります。しかし経営者の田中真一さんは「これからもメインの品種はこれでいきます」と話します。「私が目指すミニトマトの味は、ただ甘いだけでなくしっかりとうま味があり、皮も柔らかいこと。この品種は理想的です」

田中ファーム 田中真一さん。2014年に就農しました
もぎたてを味わうと、さわやかな甘味と酸味、そして深いうま味がしっかりと分かり、後を引くおいしさです。『ほおばるトマト』のラベルが貼られた田中さんのルージュジャポネーゼは、近隣の産直市場などで大人気。日本野菜ソムリエ協会の第3回全国ミニトマト選手権では、全国各地から100品以上がエントリーした中、見事入賞を果たしました。
トマトの栽培で試行錯誤していた田中さんへルージュジャポネーゼを提案し、栽培管理のアドバイスを続けているのはサナテックシード社の川崎智弘さんです。「ミニトマトは水を減らして糖度を上げる方法が主流の中、しっかりと水を与えた上でうま味を引き出した田中さんのトマトが入賞したのは、凄いことですよ」
テーラーメイドの栽培指導と施肥設計で、マンツーマンのアドバイス
川崎さんが所属するSeed & Farm Solution事業部は、農家さんのさまざまな悩みに応える『PsEco』というコンサルティングシステムを提供しています。田中さんもルージュジャポネーゼの導入にあたりPsEcoによる水質等のデータ分析を受けました。その結果により、最適な液肥の配合が導き出され、施肥のタイミングや分量などを綿密に計画した肥培管理表を受け取りました。

サナテックシード株式会社の川崎智弘さん。「樹勢を見れば、次はこうした方が良い、とアドバイスが浮かびます。肥料の購入状況や残量も分っているので施肥設計はロスが出ないように考えます」
「ルージュジャポネーゼを手掛けて4年目ですが、川崎さんはことあるごとに圃場に顔を出し、株の生育状況などを細かくチェックしてくれます。私からも、樹勢などに不安を感じたときは意見を求めます。花が咲かなかったり、実が落ちたり、私自身が実をつけすぎたり…、都度的確なアドバイスをいただき、必要があれば翌日には新しい肥料設計を提案してくれます。マンツーマンで常に軌道修正をしてくれるので、いてもらわないと困る存在です」

田中さん「毎年気候が変わっていくので不安や心配は尽きませんが、川崎さんが大丈夫と言ってくれるなら、と信頼しています」
こうしたアドバイスにより、新たに必要になった肥料や資材はサナテックシード社の資材部門から購入。PsEcoに対するコンサルティング料は特に必要ないそうです。「川崎さんからのアドバイスのほか、東京都の農業改良普及センターからも定期的に指導がありますが、さまざまな意見を聞いて取捨選択をするのは自分。しかしPsEcoのデータ分析は他にはない内容であり、信頼しています」
就農当初は露地で少量多品種の栽培を行っていた田中さんは、他の作物に比べてトマトは難しいと語ります。「しかも気候変動により、毎年少しづつやり方を変えていかなければなりません。しかしすべてが勉強になるからこそ飽きないし、楽しいですよ。消費者の方々においしいトマトを食べていただきたいですからね」

田中ファームの『ほおばるトマト』
さまざまな栽培方法にも栽培理論にも対応する『PsEco』
田中さんのハウスでは、東京都が推進していた養液栽培『東京エコポニック』を導入しています。都内の狭い農地で収量を上げるために考案された密植栽培で、自動的に開閉して光合成をサポートするハウスに定植し、廃液を出さないという画期的なスマート農法です。都より推奨された品種を、総合設計された肥料で栽培し、順調に収量と品種を増やしていきましたが、やがて理想の味を求めてサナテックシード社に独自の肥料設計を依頼するようになりました。

東京都が推進する養液栽培『東京エコポニック』を導入したトマトハウス。光合成のための開閉や夏のミストのタイミングなどを自動で行うスマート農業を実現
「味や樹勢などにこだわり始めると、総合肥料では物足りなくなるんです。分析の結果、ここの水質はカルシウム分が多くpHが高いと判明したので、成分の重複を防ぐために総合肥料をやめて単肥を適切なタイミングで施すことに。手間は増えましたが、軟化しやすかった実の棚持ちが良くなり、食味も理想に近づきました。こうした分析や施肥設計は私が苦手とするところなので、プロにすっかりお任せしています。結果的に、肥料代は約半分になったし、私は生産や経営に集中できるので本当に助かっています」
川崎さんは「ルージュジャポネーゼは当社の品種であり、さまざまな環境下での知見もあります。しかし東京都のトマトハウスと養液栽培という条件に合わせてカスタマイズするのはちょっと大変でした」と語ります。そこで最初は田中さんと一緒に東京都の農林総合研究センターを訪問し、栽培理論を学ぶことから始めたそうです。「さまざまな条件の圃場で知識を得て、それをまた他の圃場でも活かしていく。こうしたことの積み重ねによって、処方箋の内容がより詳細になっていくことがPsEcoの強みです」

川崎さん曰く、田中さんは「目標が高い。なかなか満足されない方」とのこと。これからも二人三脚でトライしていきます
どんな作物でも分析・診断可能。まずは圃場の土・水・植物を郵送!
『PsEco』のコンサルティングシステムの強みは“100軒の農家に100通りの処方箋”を提供できる知見の幅広さにあります。田中さんのケースでは、苗の購入をきっかけにサナテックシード社との交流が始まり、さらに独自の肥料設計を依頼したことからPsEcoのサポートを受けるようになりました。
PsEcoは、無料の会員登録をすれば、どんな作物を栽培している方も分析を依頼できるサービスです。土壌や水質の分析を依頼したい方は、圃場の土・水・植物のサンプルを同社のラボへ郵送することで、詳細な分析データとアドバイスを受け取ることができます。初回費用は1検体につき11,000円 (税込)。会員にはさまざまな情報提供があり、オンラインセミナーなども開催されています。同社に揃う肥培管理の専門家も、必要に応じて圃場へ足を運びます。

PsEcoの利用方法。「こんな味にしたい」「棚持ちを良くしたい」などPsEcoの専門家に具体的な方向性を相談。理想を伝えることで、それを実現する施肥設計や栽培管理方法を適切に提案してくれます
近年は「これまでのやり方では上手くいかなくなった」と漠然と感じている生産者は多いでしょう。その原因は気候変動だけとは限りません。圃場の周辺環境の開発などにより、気づかぬうちに土壌や水質が変化していることも多いのです。PsEcoのデータ分析をきっかけに、品質と収量をより向上できる農業を目指しませんか?
<取材協力>
東京都あきる野市 田中ファーム
問い合わせ
サナテックシード株式会社 Seed & Farm Solution事業部
HPはこちら
お問い合わせフォームはこちら
PsEcoについてはこちら















