畑の状態を知るために必要なこと
まずは道具を使わずに畑を観察したり、夏の間に畑がどういう状態だったかを振り返ってみます。ここでチェックすべきポイントがいくつかあります。
土のやわらかさや色は?
筆者の畑はもともとの土が固すぎたので、山の腐葉土を盛っています。そのため、畝の上の方はやわらかい状態です。
その一方で、もともと粘土質の土地なので、粘土の塊が見受けられます。いわゆる団粒構造としての塊ではなく、粘土質の土が固まったような感じです。

畑の表面
少し掘ると固く締まっているので、根が張りにくく、根菜は腐ってしまうのではないかと思います。
排水性は?
落花生が腐っていたこと、大雨のあとは畝と畝の間に水たまりができていたことから、水はけが悪いと想像できます。
雑草は?
12月時点では、ヘビイチゴ類やカキドオシなどが生えています。夏はメヒシバなどが生えていました。
虫は?
害虫の代名詞である芋虫などは特に見られず、虫に苦労したことはありません。温かい時期にキャベツやブロッコリーを植えたらまた違うかもしれませんが、今のところは問題ありません。
土地の特徴は?

傾斜があり、日当たりも良いとはいえない畑
谷の部分に畑があるため、日光が十分に当たりません。傾斜があるので水の流れや溜まり具合にムラがあることも想像できます。もともと粘土質で水はけは全体的に悪めです。
このような畑の酸度や栄養状態、排水性などについて改めて考えて、冬の間の土壌改善に繋げたいと思います。
土壌の酸性・アルカリ性(pH)の把握方法
家庭菜園をする場合、基本的にはpH6.0~6.5が理想的だと言われています。多くの作物が上手く育つ値です。
酸性に偏りすぎている場合は、酸性の環境下でよく育つジャガイモなどを植えるか、石灰などを混ぜて中性に寄るように工夫します。
アルカリ性に偏りすぎている場合は、アルカリ性の環境下でも比較的育ちやすいホウレンソウなどを植えるか、酸性肥料を混ぜて工夫します。
【ずぼら向け】おすすめのpHチェック方法
pHの測定は、市販の道具を使えば初心者でも簡単にできます。
pH試験紙

pH試験紙で酸度を確かめる
もっとも安価で手軽なのは、pH試験紙の活用です。土を水に溶かして、専用の紙を浸すだけでおおよそのpHが判定できます。筆者はインターネットから数百円で購入しました。
ジャムの瓶と水道水を持参して、土を溶かします。実際に畑の土のpHを測定したところ、pH6.5前後と判定できました。「水道水でよかったのだろうか?」とモヤモヤしましたが、pH土壌計も持っているので、そちらでも測定してから考えたいと思います。ちなみに厚生労働省によると、水道水はpH5.8以上8.6以下と定められているようです。
pH土壌計
pH土壌計は3,000円前後で購入できます。温度計のような形をしており、棒状の部分を土に差し込んで数値を測定します。pHだけでなく、温度や照度(太陽光に照らされた面の明るさ)も分かるので、畑の状態を詳しく知るには持ってこいの道具です。
筆者は畑の4箇所で測定してみました。結果は、pH6.2から6.7の間。

pH土壌計で酸度を計測
家庭菜園をする際の目安はpH6.0~6.5とのことだったので、ずぼらな家庭菜園としてはすでに合格レベルといえるでしょう。
土に差し込んでから数秒で判定できるので、簡単に使えました。
pH試験紙の値と大きなズレはありません。
測ったあとの判断のしかた
家庭菜園に取り組むうえで、一般的には以下のように言われています。
● pH5前後→酸性、石灰が必要な可能性大
● pH7以上→アルカリ性が強く、作物を選ぶ必要がある
今回の測定結果は以下の通りでした。
● pH試験紙:pH6.5程度
● pH土壌計:pH6.2~6.7
酸度に関しては大きな問題はなく、石灰などはまかなくても良いだろうと判断しました。
土壌の栄養状態の把握方法
続いて土壌の栄養状態を確認します。
雑草を見ると分かる
雑草を見ることで土壌の栄養状態をある程度把握できます。
上記の参考記事では、以下のように分類されています。
● 低栄養:チガヤ、メヒシバ、スズメノカタビラ、ヨモギ、シバ
● 中栄養:ホトケノザ、ハコベ、カラスノエンドウ、オオイヌノフグリ
● 高栄養:アカザ、ツユクサ、ハキダメギク、スベリヒユ、イヌビユ
「高栄養」の雑草が多く生えているほど、その土地は肥沃で栄養を蓄えているということです。
私の畑(12月中旬時点)では、以下のような雑草が生えていました。
● ヘビイチゴ類
● オニノゲシ類
● カキドオシ
● ヒメジョオン類

ヘビイチゴ類と思しき雑草

カキドオシ類と思しき雑草

夏に生えていたメヒシバ
ChatGPTに画像を読み込ませた後、本当に合っているのか検索して確かめるという方法で雑草の種類を推測しました。植物の種類を判定してくれるスマホアプリも便利ですが、ChatGPTでも十分に判別できます。
筆者の畑に生えている雑草から総合的に判断すると、以下のような特徴が出てきます。
● 有機物がかなり多い
● 落ち葉・枯草が分解途中
● 場所によって湿り気のムラあり
● やや酸性〜弱酸性寄り
● 耕作・踏圧が入った履歴あり
栄養としては大きな問題がないものの、湿り気にムラがあることが分かりました。栄養というよりも、排水性が悪く、ムラがあるのが問題でしょう。
市販の「土壌検査キット」が便利
農大式簡易土壌診断キット「みどりくん」などのキットを使うと、より正確に栄養状態を把握できます。
本気で調べたい人は「土壌分析機関」に出す方法も
JAや全国土の会などの機関では、土壌分析を行っています。プロ農家レベルのデータが欲しい場合は、分析機関を頼って本格的な土壌分析をするのも一つの手です。
日光の当たり具合の把握方法
夏はゴーヤやミニトマト、オクラなどが育ちましたが、秋に植えた大根やカブは育ちが遅く、12月中旬時点でもこの通りです。

12月中旬時点の大根
種まきの時期が遅かったせいもあるとは思いますが、日光不足も関係しているのではないかと思い、日光についても調べました。
「日当たりが良い」の基準とは?
ホームセンターなどで種を購入すると、袋の裏に「日当たりの良い土地を好む」といった説明書きが載っていることがありますが、そもそも日当たりに関しては一般的にどのような分類がされているのか調べてみました。
どうやら陽性~陰性植物に分類されるようです。
● 陽性植物:一日当たり6時間以上の直射日光が当たるところを好む
● 半陰性植物:3~4時間程度は直射日光が当たるところを好み、木漏れ日やレースカーテン越しの日照が一日中あれば育つ
● 陰性植物:直射日光の当たらない半日陰から日陰を好み、一日1~2時間の日照でも育つ
私の畑は日当たりが悪いので、陽性植物には適していないと思われます。
日照の測り方
日照の測り方は以下の通りです。
目視で確認する
実際に畑に出向いて、日光がどの程度当たるのかを確認します。私の畑は谷になっているところにあるため、基本的に日光は当たりにくいです。

木の隙間から日光が射し込む
12月中旬の11時に畑へ行ってみたところ、太陽は木の影に隠れており、完全な日陰ではないものの、明らかに日光が足りないと感じました。冬は太陽の通る位置が低いため、なおさら日光は当たりにくいです。
また、日光が必要な作物は数万ルクスの照度が必要ですが、私の畑は数千ルクスしかありませんでした。

午前11時の時点で4570ルクス
特に冬の間は日光が当たりにくく、栽培する作物を選ばなければいけないようです。
日照アプリを使う

太陽の通る方角には木がたくさん生えている
「太陽の場所と軌跡」というアプリを使ってみたところ、太陽の軌道は木が生い茂っているエリアを通っていました。やはり日照の面ではあまり良い環境とは言えないようです。
まとめ
畑の環境について改めて調べてみると、酸度や栄養面には大きな問題がないものの、排水性と日照の面では不安が残る結果となりました。排水性については、溝を作ったり、畝を高くしたりすることで少しずつ改善できそうです。
日照の面では、日当たりが悪くても育つ作物を選んだり、冬は本格的な栽培を諦めたりと、何らかの工夫と諦めが必要かもしれません。
この地域は昔から「下田(げでん)」と言われており、農業よりも林業が盛んだったことは以前から知っていました。やはり農業に適した土地というよりは、山間の地形を活かして林業をするのが良いのでしょう。昔の人たちの暮らしの中に、すでに答えが詰まっていると思うと少し感動します。
来月の記事では、排水性の悪さや日照不足を解消するために、畑でさまざまな施策を施した様子をお届けします



















