室生の自然が引き立てる、花しょうぶの「群れの美しさ」

滝谷花しょうぶ園の見どころは、単に品種数が多いことだけではありません。圧倒されるのは、花しょうぶが“群れて咲く”景色です。色の違い、花姿の違いが重なり合い、遠目には一枚の絵のように見える一方、近づけば一輪一輪に個性がある。「品種の多さ」と「群生の迫力」同時に楽しめるのが、花しょうぶ園ならではの醍醐味です。
さらに初夏には、アジサイが園内の景色を切り替えます。花しょうぶの端正な美しさから、アジサイのやわらかな彩りへ。季節の“空気”ごと変わっていくような感覚が、ここにはあります。
「花の園」だからこそ、季節の外側にも仕事がある

鑑賞園は、花が咲く時期が最も華やかです。しかし、園の価値を支えているのは、花が咲いていない季節の積み重ねでもあります。
同園の運営に携わる日下志 拓也さんは、広告代理店で培った企画力や営業の経験を生かしながら、園の魅力を伝える工夫を重ねてきました。鑑賞の体験を整えるだけでなく、園の“外側”――つまり、まだ訪れたことのない人へ向けてどう届けるか、どう知ってもらうか。その視点が、園の取り組みの随所に生きています。
園の楽しみを「持ち帰れる」存在に。加工品づくりとネット販売
滝谷花しょうぶ園は鑑賞園でありながら、シーズンオフにはブルーベリーなどを生かした加工品づくりにも取り組んでいます。来園者に喜ばれてきた手作りジャムや、餅などの加工品は、「園で過ごした時間」を家に持ち帰るような存在にもなっています。
また日下志さんは、農家こそ情報発信やネットの世界に無関心ではいられない、という問題意識を持ってきたといいます。ネット販売は便利な一方で、顔が見えない難しさもある。それでも、反響が届くことは大きな励みになり、次の一手を考える力になる――。そうした実感が、園の挑戦を後押ししてきました。
“花を見る場所”で終わらせず、奈良・宇陀の魅力を全国へ届ける入口にしていく。その発想が、鑑賞園の運営と加工品販売を一本の線でつないでいます。
「宇陀が、奈良がもっと面白くなる」――園のPRが地域の活力につながるように
滝谷花しょうぶ園が目指しているのは、園だけがにぎわうことではありません。園の存在を知ってもらうことが、結果として宇陀を知ってもらうことにつながる。宇陀の魅力が伝われば、奈良の魅力も広がっていく。そうした地域へのまなざしが、活動の根底にあります。
奈良の特産物をネットで販売し、地域活性化の輪を広げていく。その試みは、簡単ではないからこそ、価値がある。園の花が季節をつなぐように、滝谷花しょうぶ園は、人や地域、産地の魅力を次へつないでいこうとしています。
企業情報
■企業名
花の郷滝谷花しょうぶ園有限会社
■所在地
〒633-0313 奈良県宇陀市室生瀧谷348
















