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個人なら少量、地域でやれば「大量」多品目 100品目のバリエーションとコマツナ35万ケースの衝撃

吉田 忠則

ライター:

連載企画:農業経営のヒント

個人なら少量、地域でやれば「大量」多品目 100品目のバリエーションとコマツナ35万ケースの衝撃

新規就農者が選ぶ営農スタイルの1つに少量多品目栽培がある。種類の多さで特色を出すことができる一方、栽培効率を高めるのが難しい面もある。ではそれを農協がやったらどうなるか。大量多品目販売。とぴあ浜松農業協同組合(JAとぴあ浜松、浜松市)の西営農センターを取材した。

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多品目のセット販売が強み

「たくさんの品目があるので、セット販売できるのがうちの強み」。西営農センター長の後藤公郎(ごとう・きみお)さんはこう話す。少量多品目の個人農家ではなく、農協の取材でこの言葉を聞くのは初めてだ。

西営農センターは浜松市の西部で、浜名湖の東側にある。JAとぴあ浜松にある複数の営農センターの1つで、農産物の集出荷を手がけている。

出荷方法は大きく分けて2つある。1つは共計品目で、県組織である静岡県経済農業協同組合連合会(JA静岡経済連)に出荷する。JAグループによくある販売方法で、農産物の価格は原則として県内で共通になる。

メインの品目は新タマネギ。年明けから3月にかけて「はるたま」というブランド名で販売しているタマネギで、西営農センターの管内が県内の主要な産地になっている。JAとぴあ浜松を代表する農産物だ。

新タマネギのブランド「はるたま」

もう1つは一般品目で、西営農センターが独自に販売している。代金回収などでJA静岡経済連を介してはいるが、販売量や値段を売り先と交渉するのは西営農センターだ。出荷先は東京をはじめとする各地の市場。

主な品目はコマツナや葉ネギ、白ネギ、チンゲンサイ、サラダ菜など。茎ブロッコリーのスティックセニョールやレッドキャベツ、メロン、ハーブ類なども販売している。品目数は合わせると100近くに達する。

既存の取引先に「プラス1品」で販売

多くの作物を栽培できるのは、管内の気候風土が多様だからだ。例えば海辺に近い砂地の土壌は保温性に優れる。この性質を生かして寒い時期にタマネギを育て、他の地域に先駆けて正月から出荷を始めることを可能にした。

営農センターの近くにある台地の土は保水性が高く、砂地と比べて地温が上がりにくいという特徴がある。ここで育てるのに向いているのはセロリやコマツナ、ホウレンソウなど。主にビニールハウスで栽培している。

この環境をうまく生かしながら農家たちが「海外ではこんな野菜が人気があるるらしい」「作ってみよう」などと話し合い、品目を増やしてきた。その積み重ねで、100近くという農協では珍しい品目数を実現した。

スティックセニョール

ここで冒頭の「セット販売が強み」という言葉に戻ろう。

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