AIをどう活用するか
AIは(人工知能:Artificial Intelligence)の略であり、人間の知的な能力(学習、推論、判断、言語理解など)をコンピュータ上で再現した技術を指す。大量のデータからパターンを見つけ出す「機械学習」や「ディープラーニング(深層学習)」を核とし、自動運転、音声会話、画像認識、文章作成など多岐にわたる分野で活用されている。
上記のAIの説明はgoogleのAIによる出力(引用文献は文科省のWEBサイト)である。生成AIの登場により、文章の作成、画像・動画の作成、編集など、普段の生活や仕事で日常的にAIが活用されるようになった。
農業分野でも、農業生産から流通、販売までの様々なプロセスでAIが活用されている。例えば、ドローンや収穫ロボット、IoTセンサー等と連携した「スマート農機」などは、機械学習や画像認識技術を利用したものであり、内部の制御などにAIが使われている。こうしたAIはシステムや機械を導入すると、意識せずに利用できるものである。
では、chatGPTに代表されるような生成AIを生産者はどのように活用するべきであろうか。その答えは、身近な「人ではない相談相手」といったところだろう。AI壁打ちという言葉がある。画像生成などは便利に使うとして、農業経営者として自分の思考を加速するために活用するために、AIと対話するような使用方法が現段階ではベストだろう。最終的に経営の意思決定を自分で行うための情報収集や思考の拡張に生成AIを使うのである。
生成AIを使いこなすためコツ
生成AIはたまに間違ったことを言うと言われる。そのため、生成AIを使いこなすためにはプロンプトにコツがある。ここでは、基本的なコツについて紹介したい。
ここでは、例として、自分の経営戦略を考える場合にAI壁打ちを行うことを考えよう。まず必要なのは前提条件の提示や必要な情報の提供である。農地のある都道府県や農業経営の概要を伝え、財務諸表や生産履歴情報をアップロードして、自分の農業経営の情報をAIに与える。そのうえで、制約条件などを伝える。例えば、「規模拡大は周囲の環境的に不可能」などだ。
このとき、自分の情報を他のユーザーに利用されたくないときは、アップロードした情報の他への学習利用をしない設定にしておく必要がある。
次に、立場を明確化する。例をあげれば「この農業経営体の経営者として、答えてほしい」といった内容である。そして、質問や依頼は具体的にする必要がある。つまり「会社を成長させるには、どういう戦略が良いか?」という質問ではなく、「営業利益を伸長させるためには、どういう方法があるか?」といった聞き方にする必要がある。そして、出てきた回答に対して、対話を繰り返していくことで内容を磨いていくのである。
また、生成AIの回答をそのまま信じ切ることは難しい。そのため、回答をするにあたっては「未確認、不明な情報は使わない/未確認であることを明示してほしい」といった指示や、「回答についてはソースを明確化すること」といった条件を付与することも重要である。
以上が簡単な基本的なプロンプト作成時の注意点であるが、生成AIへのプロンプトについては日進月歩で進化しており、使っていく中でオンライン・オフラインで学習していってほしい。生成AIは、もはや活用できた方が自分の思考の幅を広げることができる段階まで来ている技術であると言える。
AIの弱点?人にしかできないこと
生成AIなどを使っていくと現代のAI技術の高さに驚くことだろう。しかし、このAIにも弱点がある。AIは基本的にデータから学習した情報をもとに、その因果関係などからアウトプットを出しているに過ぎない。つまり、過去のデータから、最も適している(とデータ上から言えるような)な結果を記述するだけで、過去のデータに存在しないことについては言及することが難しく、新たなアイデアや人間の心情に配慮した提案などを出すことは苦手なのである。
例えば、「作物がこういう状況である」と内容を記載し、写真をアップロードして対応を相談すると、写真から病害虫の影響を読み取り、それに対処する方法を論文やWEB上から検索し、答えてくれるが、「生産した農産物をどう販売すればよいか」を相談しても、今まで実行され、効果があったと思われる販売方法を提示はしてくれるが、新しい売り方、イノベーティブなアイデアは出てこないのである。
「新たな方法やアイデアを生み出す」ことはAIが発展した今でも人間が行わなければならない。つまり、世の中の大量の情報を整理し、要約する部分でAIを活用し、そこから自分で仮説を組み立てる、新たな方法を考えることが重要であると言えるだろう。
ぜひ、農業経営のアシスタントとしてAIを活用してみてほしい。















