安定生産を支える”環境づくり”という発想

放熱管が暖房設備の鍵になっている
気温の乱高下が常態化する中で、ハウス内の環境をいかに安定させるかは、生産者にとって切実なテーマです。わずかな温度差が生育スピードや品質に影響を与える一方、設備の老朽化や燃料費の上昇は経営を圧迫し続けています。「冬だけしのげればいい」という場当たり的な対応では、激化する気候変動に太刀打ちできない時代になりました。
だからこそいま求められているのは、熱効率やランニングコストまで見据えた”環境づくり”の視点です。設備を導入してそれで終わりではなく、どのような熱源を使い、どれだけの熱量を、どこに届けるか──その設計段階から考え抜くことが、安定生産の基盤となります。
「温度条件、使える熱源の種類、ハウスの大きさ、それらすべてを整理してはじめて、最適な構成が決まります」と話すのは、営業技術部の川野さんです。農業現場への設備導入において、勝川熱工はこの”最初の設計”にこそ力を注いでいます。

営業技術部の川野貴央さん
産業分野で磨いた技術を、農業へ
勝川熱工株式会社は1934年(昭和9年)に、乾燥機・暖房機の製造から創業しました。当時は学校や施設向けのボイラー式暖房が中心でしたが、その後、産業用空調・熱交換器の開発へと事業を広げ、繊維、食品、医薬品、建築資材、そして近年は半導体関連の製造装置向けまで、幅広い分野の工場設備を支えています。
農業向けの暖房設備も、実は創業当初から手がけてきた分野の一つです。ビニールハウスや植物園の温室に放熱管を納めてきた歴史は長く、「戦前からあったぐらい」と勝川社長は笑います。

「ここ数年で相談が増えてきています。燃料コストや安定生産への意識が高まる中で、改めて設備を見直したいという声が多い。この分野でも、私たちの技術を活かせる余地がまだあると感じています」と続けます。
農業施設それぞれの”最適解”を導く設計力
勝川熱工が農業現場から支持される最大の理由は、条件に合わせて”つくり変える”設計力にあります。
同社の中核製品である放熱管は、パイプ外側にフィン(板状の突起)を取り付けて表面積を増やし、熱伝達量をパイプ単体の約20倍に高める構造です。蒸気・温水・不凍液など複数の熱媒体に対応し、冬の加温から夏の冷却まで年間を通じた温度管理が可能です。

勝川熱工の技術が詰まった放熱管
放熱管の長さは1mm単位で調整でき、最大6メートルまで対応。配管接続部の形状やフランジの種類まで個別に変えられる柔軟性は、他社にはなかなかない強みです。さらに、必要な熱量の算出から放熱管の本数・配置までを設計書として提示できる能力計算のノウハウも同社の特長です。
「腐食が懸念される環境や沿岸部の施設に対しては、ステンレスやチタン製の放熱管を用いた耐腐食仕様にも対応しています。より強いものを、という要望にも一つひとつ向き合ってきた結果です」と勝川社長は語ります。

代表取締役社長の勝川義兼さん
事例に見る、規模を問わない対応力
設計力が活かされている具体例として、商社を通じて依頼を受けた関東の大規模ビニールハウス案件があります。南国フルーツを栽培する施設で、暖房設備の導入について相談があったといいます。
「ハウスの規模と目標温度、使える熱源の条件をいただいて、必要な熱量を計算しました。蒸気圧の条件によって放熱管の本数は変わります。そこを丁寧に整理して、仕様を決めていきました」と川野さん。
規模が大きい分、必要な熱量も大きくなりますが、産業分野で積み重ねてきた計算のノウハウがそのまま活かされています。

一方で現在は、個人農家から直接相談を受けている案件も進行中です。
「大規模施設でも個人農家でも、アプローチは同じです。与えられた条件を丁寧に整理して、最適な構成を導き出す。このスタンスは変わりません」と川野さんは話します。
小規模ハウスに対しては、まず1ユニットだけ導入して効果を確かめ、問題なければ展開していく”モジュール方式”での提案も行っています。「いきなり全部は不安という農家さんは多い。ハウスの一部だけで試してもらって、大丈夫だったら増やすという進め方もできます」。
現場に寄り添うアフターサポート
勝川熱工のもう一つの強みは、設備導入後も丁寧に向き合い続ける姿勢です。不具合の原因を調べ、設計や運用方法を見直すことで、長期的に効果を発揮する暖房システムを提供してきました。「ここまで付き合ってくれる会社は少ない」という言葉を顧客から受けることも多いといいます。
昭和40年代の手書き設計図が今も社内に残っているという事実が象徴するように、「モノをつくって終わり」ではなく「お客さんに寄り添う」姿勢は、創業以来ずっと積み重ねてきたものです。
「作るだけでなく、条件に応じた設計をしてくださいという声に応えていくうちに、自然とこういう形になってきましたね」と勝川社長は振り返ります。

農業の未来を支えるパートナーとして
近年は、温度管理をより精密に行うスマート農業への関心も高まっています。温度センサーや制御機器と組み合わせ、日中・夜間の温度をきめ細かくコントロールするニーズは確実に増えています。「昔よりも温度管理が大事な時代になってきている。そういう制御機器と組み合わせて整備されているお客様が増えている」と川野さんも話します。
勝川社長は今後の展望について、こう語ります。「一つの需要だけじゃないと思っています。うちがこういうものを出しているということで、お客様の側でも想像力が膨らんで、こんな使い方はできないかというアイデアが生まれてくる。そこから何か新しいものが生まれる、そういう場になればいいと思っています」
畜産、食品加工、水産業など異業種からの問い合わせも増えており、協業にも積極的です。「違う分野の方とお話することで、こちらも新しい発見がある。意外な組み合わせが、新しいビジネスにつながることもある」と勝川社長は笑顔で話します。

ハウス内暖房設備の使用イメージ図
「温めたい」に、まず相談を
ビニールハウスの暖房について悩んでいるなら、まずは気軽に相談してほしいというのが、勝川熱工の一貫したメッセージです。
「ハウスに使用する放熱管の数量をどのくらいにしたいか、そのざっくりしたところからお問い合わせいただければ。熱源がなければそこから一緒に考えますし、小さい施設でも、モジュール方式で試すことから始められます」と川野さん。「敷居の低い製造業者を目指しています」という言葉が、同社の姿勢をよく表しています。
ビニールハウスをもっと効率よく温めたい、設備を見直したいと考えているなら、まず一度、同社に声をかけてみてはいかがでしょうか。

お問い合わせ先
勝川熱工株式会社 営業部・工場
〒578-0921
大阪府東大阪市水走5-2-32
電話:072-967-2255
FAX:072-967-2256
HP:https://www.katsukawa.co.jp/
メール:info@katsukawa.co.jp













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