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米どころ新潟県の未来へのチャレンジ。コシヒカリを筆頭に多品種を潤沢に備え、海外からの大ロットの大型ニーズ応える 【令和6年度補正予算GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト】

米どころ新潟県の未来へのチャレンジ。コシヒカリを筆頭に多品種を潤沢に備え、海外からの大ロットの大型ニーズ応える 【令和6年度補正予算GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト】

不動の人気と圧倒的な知名度を誇るコシヒカリの産地、新潟県。米生産量日本一を誇る米どころであっても、生産者の高齢化や後継者不足など様々な課題を抱えています。そんな状況を打破するため、新潟県が中心となって米の輸出に注力してきました。これまで順調に伸びてきた米の輸出ですが、米価の高騰と世界情勢の変化による影響が懸念で……。そこで「GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト」を活用した新たな挑戦が始まったのです。新潟県の米輸出の現状と展望を、新潟県農林水産部の神保賢太郎さんと戸松恒さんにお聞きしました。

「新潟県(コメ)」は「令和6年度補正予算GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト」を活用しながら、米の輸出を強化しています。

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新潟県(コメ)

・品目:米
・場所:新潟県
・輸出先:アメリカ、タイ、香港、シンガポール

新潟県(コメ)について

新潟が誇るブランド米「コシヒカリ」の味が海外を魅了。新潟県の農産物輸出を牽引してきた米輸出事業

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新潟135号圃場

新潟県では、これまでも農林水産物の輸出振興に精力的に取り組んできました。輸出に意欲的な生産者や事業者の取組を市町村やJAと連携しながら支援しています。輸出するのは畜産物や水産物、果実や野菜といった新潟県の特産品。中国・台湾・ベトナム・タイなどの東南アジアをはじめ、米国やEU諸国、UAEまで、広く販路を開拓して輸出を進めています。その中で最も多く輸出されているのが、錦鯉(ニシキゴイ)と米。この2品目だけで、新潟県の輸出の99%を占めると言います。中でも米どころ新潟県の代表品種・コシヒカリは、世界の市場でも好評を博しているのだそう。

新潟県
神保さん

以前より、市町村や各JA、農家や企業で独自に輸出を進めているところもありました。『その取組をさらに拡大していこう』と2022年(令和4年)に『新潟県農林水産物輸出拡大実行プラン』を策定し、米を輸出の重点品目に位置づけました

取組を始めて以降、輸出量は年々増加。令和5年産の米の輸出量は8,694トン、輸出額は17.3億円にもなりました。輸出量で前年比24.6%、輸出額では16.9%の増加と大きな成長を果たしたことになります。

新潟県
神保さん

2024年度(令和6年度)は『GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト』に参画し、県内のJAや全農 、そして同年にフラグシップ輸出産地になった新潟クボタグループと、1つの事業体として力を合わせることができたのが大きい。輸出に最前線で取り組む方々と一体となり、より積極的かつ効果的に、事業を進めることができた

JETRO、有限会社百笑会といったメンバーも参画することで、輸出体制が強化され、海外のニーズに対応した生産や流通体系の転換にも取り組めたと神保さん。2024年度には、新潟港と連携して輸送のスピード化・コスト低減の実証実験を実施。その他にも生産体系の転換などにも取り組むことで、生産から輸送まで一気通貫で海外のニーズに対応できる体制づくりが推進されました。

これらの取組もあり、2024年度の米の輸出額は22.5億円と、目標18億円を大きく上回りました。そのまま右肩上がりで成長することに期待し、2025年度(令和7年度)も「GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクト」へ参画。オール新潟の体制の下、上方修正して掲げた目標「2032年(令和14年)の輸出額36億円」を目指しています。

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実施体制図

新潟県(コメ)の取組内容

大きく変化する日本と世界の情勢は、堅調に伸長を続けていた新潟県の米輸出にも大きな影響を

順調に成長を続けている新潟県の米の輸出事業ですが、課題がないわけではありません。その解決も、GFP大規模輸出産地生産基盤強化プロジェクトへの参画理由だと、神保さんは話します。

新潟県
神保さん

いわゆる令和の米騒動の影響があり、国内の米の価格が高騰。それに加えて長引く円安、またアメリカの相互関税なども影響し、生産者にとって輸出の魅力が低下してしまった。取組意欲の減退に繋がらないか心配しています。従来通りに輸出拡大を進めるためには、これまで以上に生産コストを削減し、利益拡大を実現することが重要。さらに、産地と一体となっての販路拡大も必要です。そのために、今年度は大きく2本柱で取組ました。ひとつは、生産コスト低減を狙った新品種や技術導入等の生産面の転換。もうひとつは、産地体制の強化や流通面の転換と合わせた新たな輸出先の開拓です

コスト低減の栽培実証では、極早生の新品種である「新潟135号」と、早生品種の「ゆきん子舞」を栽培しました。

新潟県
戸松さん

コシヒカリは多収が難しい品種。収量を上げようとたくさん肥料を与えると倒伏しやすく、なにより味が悪くなる。美味しい米にするためには、農家の熟練の技術や経験を活かし、手間をかけてしっかり育てる必要がある。このため、おいしさで国内外に人気のあるコシヒカリだけでなく、特に価格競争力が重視される海外の業務用市場にも適合できる品種が求められた。そこで倒伏しにくく、早く収穫できる品種を、生産コストを抑えて輸出用に活用できないか、と考えたのです

栽培実験は、新潟県長岡市で百笑会が中心となって実施しました。「新潟135号」は、8月中~下旬に稲刈りができる極早生。9月以降に稲刈りをするコシヒカリと作業がかぶらないため、輸出用・国内用と販路ごとに多品種で栽培を行えば、作業が分散できるので栽培面積を拡大しやすくなり、収入を増やせるメリットもある、と戸松さん。コシヒカリと比較して生産コストを低減しやすい「新潟135号」は、関税や為替の影響を受けやすく、他国のブランド米との価格競争が激しいアメリカ・モンゴル・タイ・香港などへの輸出を見据えています。

新たな海外販路の開拓では、コシヒカリに食味が似た「こしいぶき」をモンゴル向けにPRする取組を新潟クボタグループと行いました。

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モンゴルの店頭

新潟県
戸松さん

モンゴルでは新潟産コシヒカリが人気で、1度に100トンといった大ロットの注文が突発的に発生することもあります。現状ではコシヒカリ単体では対応できない。そこで、食味の似た『こしいぶき』のプロモーションと認知拡大を図りました。『こしいぶき』も早生品種であり、収量もコシヒカリより多く、育てやすい。既に米輸出で豊富な実績を持つ新潟クボタグループと、現地のイベントや商談会に参加し、試食などを通じてその手応えを探りました

このコスト低減の栽培実証と「こしいぶき」のモンゴル向けPRの2つの柱以外にも、タイでの販路拡大を狙って「THAIFEX 2025」へ出展するなど、2025年度も多岐にわたる活動を精力的に展開しました。

新潟米は世界でもっと愛される。そんな手応えを感じることができた栽培実証と新たな販路開拓のチャレンジ

栽培実証と新たな販路開拓はどのような成果を上げたのでしょうか。

「新潟135号」と「ゆきん子舞」の栽培を実施した有限会社百笑会の代表取締役 池田治さんは、しっかりとした手応えを感じたと話します。

百笑会
池田さん

どちらも約1.0haの圃場で栽培実験を行いました。「新潟135号」は、一般的な水稲と比べて肥料を多く使用するなどの特徴はありますが、短茎で倒れにくく倒伏の心配がないのは心強い。せっかく育てた稲が倒伏してカビてしまう心配から解放されるほか、しっかり稲が立ったままなので、機械を使っての稲刈りもしやすい。人件費が削減できると期待しています

実際に育てた米を食べてみて、その品質や食味の高さを再確認。輸出事業を成長させる鍵になる品種だという確信も得たといいます。

百笑会
池田さん

大粒ですっきりした食感の『新潟135号』は、米飯単品としてはもちろん、どんぶりやカレーなどにもよく合う。価格競争力を生かし、惣菜などの中食、日本食レストランやフードコートなどの外食で販路を拡大できるはず。日本産米は品質で有利。今後はそこに日本の文化、新潟であれば、雪国の暮らしや日本酒などのストーリーとセットにし、海外産米との差別化を図るのが良いのでは、と思っています。どういったプロモーションが効果的か、現地視察も積極的に行って考えていきたいと思っています

輸出事業に取り組むことで、米生産者の営農が安定する。そんな環境になるよう努力していきたい、と池田さんは話してくださいました。

新潟クボタグループの株式会社新潟農商 代表取締役社長の小林岳洋さんと輸出課課長のゾロさんもまた、モンゴルへの新潟米の輸出にしっかりとした手応えを感じたと話します。

小林さん

2025年のモンゴルへの米輸出実績は約260トン。これはますます拡大していくと考えています。モンゴルではコシヒカリをはじめ日本産米が人気で、一度に100トン以上という大ロットの注文も発生します。そのチャンスをつかみ、さらに拡大するために今年度は様々な取組を行いました
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Rice Expo

そのひとつが、モンゴルで初の米のイベント『Rice Expo』の開催でした。モンゴルは日本との友好関係が長く、日本文化に関心を持つ人が多いといいます。イベントでも日本の生産物への人気の高さがうかがえたとゾロさんは話します。

ゾロさん

モンゴルは自国で米の生産をしていないのですが、食べる習慣はあります。様々な国の米を食べていますが、中でも日本産米は人気があり、安心安全で高品質、良食味というイメージが定着しています。今回のイベントでも『いつも買っていて、日本産米以外は考えられない』という方や『新潟米を初めて食べたが感動した』という方がいました。新潟米の知名度はまだまだですが、だからこそ販路拡大の可能性は大きいと感じました

また多く聞かれた声には「価格は高いが、試食して買いたいと思った」というものも。やはり価格を下げて販路を広げ、手に取ってもらう機会を増やすことが重要だとゾロさんは感じたと言います。

ゾロさん

安価で安定的な数量を確保することは急務。栽培実証を行った『こしいぶき』は、低コストで生産でき、収量も多かった。コシヒカリに似た食味はモンゴルでも人気となるはず。今後は『こしいぶき』の輸出にも力を入れる予定。現地で精米し、より美味しいお米を広めたいと考えています

百笑会の池田さんと同様に、小林さんも「JAPAN RICE No.1エリア」といったストーリーを付与して売り込むことが重要と考えていると話します。

小林さん

米どころであり、四季を感じられる風光明媚(ふうこうめいび)なエリアであることなど、新潟のストーリーと共に売り込むことで、より興味関心を持ってもらえると考えています。まずは対モンゴルの米輸出を140%伸長させること、そして中長期では1万トンを超えることを目標に邁進していきたいですね

新潟県(コメ)の今後の展望

描いているのは、「日本の米どころ」から、質と量を兼ね備えた「世界の米どころ」へと飛躍する未来

栽培実験の結果やモンゴルでのプロモーションを踏まえ、新潟産米の輸出はまだまだ伸びしろがある、との手応えを感じたと神保さん。

新潟県
神保さん

海外の大ロットのニーズに応えられるのは、新潟県以外にはなかなかない。やはり米どころならではの生産量です。しっかりと輸出用米の生産や流通を後押しして、チャンスをつかんでいきたい

と話します。また、コシヒカリだけでなく、今後は精力的に「新潟135号」はじめ複数品種を展開していく予定とのこと。今年度は、品種の特性・食味をまとめ、最適な料理など使途をまとめた販促ツールも作成しました。

新潟県
神保さん

それらを活用して利用シーンを増やすことで、海外産米との競争に勝っていく。多様な食のシーンに対応し、米のニーズを新潟米で完結させる。『いつも食べられる。いつでも美味しい。それが新潟米』だと海外の方に広く認識してもらえれば、新潟米は質と量で選ばれる。それが理想ですね

また、県庁主体の輸出事業への取組も4年目となり、生産者や企業とのパイプラインはしっかり構築できたと感じていると神保さん。戸松さんも「それぞれの課題解決に向けた、産地体制のモデルが育ってきている。エリアごとに輸出に取り組むグループなども生まれ始めた」と話します。

新潟県
神保さん

本年2月25日には、米輸出の協議会の設立総会を開催しました。生産者や関係団体、輸出企業が手を取って、米輸出を拡大していく協議会の決起集会です。これまでは生産者や企業がやりたいことを県が吸い上げ、国の制度を使って牽引してきました。これからの主役は、やはり米を作り、輸出する当事者のみなさん。もちろん、サポートは県がしっかりしていきます

高齢化や人口減少によって、国内の様々な市場の縮小が見込まれる中、生き残る道の一つは、海外にある、と神保さんと戸松さんは話します。新潟米をお求めいただける国内の需要にもしっかりと応えつつ、今後も拡大が見込まれる海外での日本産米のニーズに、オール新潟で応えていく。それが新潟の農業が生きる道だ、と力強く話してくださいました。

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