・協議会長:株式会社日本農業 内藤 祥平さん
・場所:香川県
・輸出先:台湾
アスノヤマト輸出促進協議会について

収穫の様子
「アスノヤマト輸出促進協議会」は、日本農業、ジャパンフルーツ、Orchard&Technologyの3事業者から構成されています。
これまで、日本国内のキウイ市場では、「ヘイワード」という品種が主要を占めており、日本国内や海外で主力となっているキウイもニュージーランド産のものが既にブランド化に成功していました。これに対し、2014年に商標登録された香川県の品種「さぬきキウイっこ」は、これまで主要であった品種との差別化が実現できる可能性を持ち合わせており、その可能性に期待の声が上がりました。小ぶりで糖度の高い「さぬきキウイっこ」の生産体制や流通体制を整えることにより、海外への輸出の可能性を見出していくため、同協議会が結成されます。
今回お話を伺った柏崎さんが所属するジャパンフルーツ株式会社は、農産物の生産や仕入れ、販売、輸出入を手掛ける株式会社日本農業の子会社です。柏崎さんは現在、同社の生産部のメンバーとして、キウイに関わる事業の責任者を務められています。株式会社日本農業はキウイ以外にも、リンゴなど、その「輸出」に以前より強みがあるということもあり、そのノウハウも活かしながら、香川県内でキウイを育てている圃場の生産・技術の向上、管理運営を進められています。
アスノヤマト輸出促進協議会の取組内容
同協議会は、香川県独自の品種である「さぬきキウイっこ」の生産に注力し、本事業を活用しながら初めてキウイの海外輸出に取り組まれています。輸出先のターゲットとして選んだのは、台湾。これまでキウイの主要品種とされていた「ヘイワード」に対抗する品種として、香川県産のキウイの可能性を探っています。

さぬきキウイっこ
地域関係者と連携し輸出推進体制を強化
「さぬきキウイっこ」は香川県独自の品種であり、栽培も県内に限られています。収穫されたキウイは、これまで県内を中心に卸されていましたが、海外への輸出を検討・促進するにあたり、アスノヤマト輸出促進協議会が結成されました。当時「さぬきキウイっこ」の開発に携わった末澤克彦さんが代表を務めるOrchard&Technology株式会社がキウイの栽培面に関する指揮をとりながら、ジャパンフルーツ株式会社や株式会社日本農業が栽培の実験、輸出面をサポートしながら、生産者とともに活動されています。

実施体制図
現在、香川県内で「さぬきキウイっこ」を栽培している農家は約10軒。同協議会では、栽培の質を向上させるため、年に数回、農家同士で集まり勉強会を行っています。また、それぞれの圃場を回りながら情報共有もしています。

これまで海外で流通していたキウイとは特徴が異なる「さぬきキウイっこ」は、輸出拡大の可能性があるのではないか、そう考えた同協議会は、台湾のインポーターからの好感触を実感したことをきっかけに、台湾への本格的な輸出に取り組んでいこうと始動しています。
「ストリンギング栽培」の活用で生育をコントロール。栽培の最適化をめざす取組

ストリンギング栽培の様子
同協議会では、台湾への本格的な輸出と同時に、さぬきキウイっこの栽培技術や栽培パターンの最適化にも取り組んでいます。
これまで、キウイの生産では、棚に枝をくくりつける方法を採用していましたが、同協議会では3年ほど前から、「ストリンギング」と呼ばれる、紐(ストリング)を使って枝を吊り上げる方法での栽培を実施しています。


捻枝鋏(ねんしばさみ)
ストリンギング栽培を採用してからは、作業効率が向上し、キウイの木も健康に生育していくようになりました。一方、ストリンギングで枝を上にあげることにより、キウイの樹勢が強くなりすぎると実がつかない枝になってしまうことも。これをちょうどの状態に抑えるため、同事業を活用し、捻枝鋏(ねんしばさみ)を購入しました。ハサミで枝に傷をつけることで、強くなりすぎる樹勢を弱らせ、収量のアップに繋がるか検証しています。
また、同協議会では、「さぬきキウイっこ」に加え、さらに新しい品種の検証にも着手しています。糖度や微かな酸味を分析しながら、新しい品種として取り扱えそうなものを探し、海外輸出に適した品種も探っています。
台湾への輸出に向けた輸送手段・販促活動

輸出用のキウイ
「さぬきキウイっこ」やこれから開発される新しい品種も含め、同協議会では、台湾に向けた輸出体制の強化に取り組んでいます。
当初は空輸(エアー)での輸出を検討していた同協議会ですが、コスト面を考慮し、船での輸送を採用しました。日本から台湾までの輸送期間は船で約1週間。キウイの収穫から台湾への到着までの追熟期間などを想定した輸送の方法を検証しており、今年度は、本事業を活用し初めて台湾への輸出が実現しました。協議会全体での出荷は今年度30tでしたが、そのうち4tを台湾へ輸出。台湾の企業1社との取引が既にあり、現地でも好評だったそうです。

アスノヤマト輸出促進協議会の今後の展望
同協議会では、今後も輸出を増やしていきたいと考えています。ストリンギング栽培の採用や土壌の最適化などを引き続き行いながら、来年度はさらに収穫量が増える見込みだそうです。台湾での取引先の開拓はまだこれからですが、実際に評判が良かったという経験から、輸出未経験の農家の間でも興味が広がってきているという話です。協議会での共同の取組を通じて、「さぬきキウイっこ」、はたまたまだ見ぬ新品種を通じた香川県産キウイフルーツの展開が期待されます。















