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殺虫剤の選び方は作用機作で決まる!効果的かつ持続可能な防除のポイントをご紹介

殺虫剤の選び方は作用機作で決まる!効果的かつ持続可能な防除のポイントをご紹介

皆さんは普段どのように殺虫剤を選んでいますか?効果の高さや使いやすさ、価格など、さまざまな観点がありますが、「作用機作」も重要なポイントです。この記事では、殺虫剤選びに役立つ作用機作の基本的な考え方と、抵抗性管理との関係についてわかりやすく解説します。

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殺虫剤の作用機作とは

作用機作とは、殺虫剤が生体へどのように作用し、どのような過程で害虫が死に至るのかという仕組みを意味します。

作用機作の一例 ※赤で示している部位はあくまでイメージであり、それぞれの作用点を正確に示しているものではありません

たとえば、昆虫の神経系に作用するタイプは、神経細胞を行き来する伝達物質の量や受容体の働きを乱し、害虫の神経が正常に働かなくなることで、最終的に死に至らしめます。他にも、エネルギー代謝を阻害するもの、脱皮や変態を妨げて成長を阻害するもの、消化管に作用するもの、筋肉を強制的に収縮させて食べられなくし、死に至らせるものなどがあります。

同じ薬剤を使い続けると効きにくくなるのは「薬剤抵抗性」の発達が原因かも?

「ラベル通り適切に散布しているのに、これまでより剤の効きが悪くなった」という経験はありませんか?
これは同じ作用機作の薬剤を使い続けることによる、「薬剤抵抗性」の発達が原因かもしれません。薬剤抵抗性とは、害虫に対して同じ薬剤を繰り返し使い続けると、これまで効いていた登録濃度・薬量で防除できなくなる状態になってしまうことを指します。

抵抗性は遺伝的なものであり、自然界の多様性の中で抵抗性遺伝子をもともと持っていたごくわずかな個体が同じ系統の殺虫剤を繰り返し散布された環境で選抜されて生き残り、その子孫が増えた結果生じるといわれています。

薬剤抵抗性の発達イメージ

特に、ライフサイクルが短く増殖率の高いハダニ類,アザミウマ類,アブラムシ類,コナガのようなチョウ目害虫に対して同一系統の作用機作の殺虫剤の散布回数が多い場合、抵抗性発達のリスクが高まると考えられています。

薬剤抵抗性の発達要因は主に3つ

害虫が抵抗性を獲得する要因について、以下の3点が一般的に考えられています。

①皮膚透過性の低下・・・薬剤が体内に浸透しにくくなる
②標的部位の感受性の低下・・・薬剤が作用する部位の構造が変化し、効果が出にくくなる
③解毒分解酵素活性の増大・・・薬剤が体内で分解されたり、体外へ排出されたりすることで薬剤が無効化されてしまう

中でも②の標的部位の感受性低下による抵抗性の発現に関しては、発生するとその薬剤だけでなく同一の作用機作を持つ薬剤も同様に効果が低下してしまうケースが多く、薬剤の選択肢が狭まることにつながるため、いかにリスクを下げることが出来るかが重要になります。なお、上記のほかに行動変化(忌避・回避)などが関与する場合もあります。

作用機作の異なる薬剤でローテーション散布を行う

薬剤抵抗性を完全に抑えることはできませんが、発達リスクをなるべく減らすことはいくつかの方法によって可能です。そのうちの一つが、作用機作が異なる剤をローテーションしながら使用することです。同一の作用機作をもつ薬剤を連続して使用することを避けることで、その作用機作に対する抵抗性の発達リスクを低減させることができます。

作用機作ごとに薬剤を分類したIRACコード

IRACコードはラベルやチラシに掲載されている

ローテーションを組む際は、作用機作を示した「IRAC※コード」を参考にします。「IRACコード」は数字、アルファベット、または数字とアルファベットを組み合わせた記号で表され、製品ラベルや技術資料、メーカーのチラシ等に記載されています。

たとえば有機リン系の殺虫剤は[1B]、ネオニコチノイド系は[4A]と表されます。「殺虫剤分類 1A、14」とIRACコードが2つ記載されているときは、有効成分が2つ混合されていることを表しています。このIRACコードが異なる薬剤を組み合わせて散布することが、ローテーション散布の基本となります。

※IRAC(殺虫剤抵抗性対策委員会)

ただし、全ての製品にIRACコードが記載されているわけではありません。また、作用機作が十分に特定できない場合は、“UN(不明)”などの区分になることがあります。判断に迷った際は地域の指導機関または農薬メーカーに問い合わせましょう。

アブラムシ類に有効な殺虫剤の例

新規作用機作の薬剤の取り入れも有効

ローテーションを組む際に、新規の作用機作を持つ薬剤を組み入れることは、異なるIRACコードの薬剤を使用するという点から、薬剤抵抗性の発達リスクを低減する上で有効です。

新規の作用機作とは、その名の通り従来の殺虫剤とは異なる作用点や生理反応、分子レベルで新しい標的を持つものです。単に有効成分が新しいというだけではなく、既存とは全く異なる仕組みで害虫の生命活動を妨げる点がポイントです。

そんな新規作用機作の薬剤を有効に、かつ長く使い続けるためには、注意すべき点が大きく3つあります。

①登録内容をきちんと読み、薬害リスクの事前評価を行う

使用前にラベルを熟読し、使用時期・濃度・回数を必ず守ることが基本です。また、新規作用機作の殺虫剤は、品種ごとの薬害リスクが十分に検証されていない場合が多いため、まずは小規模で試験し、必要に応じて指導機関の助言を受けることで、薬害や効果不足のリスクを最小限に抑えることができます。

②薬剤の特性を理解して「使いどころ」で適切に使用する

どの発育段階の害虫に効果があるのか、効果発現までにどれほど時間を要するのかといった、薬剤の特性や作用機作を正しく理解することは、最適な散布時期を判断するうえで欠かせません。害虫の発育段階や発生状況に合わせて使用することで、薬剤本来の効果を最大限に引き出し、無駄な散布を避けることにつながります。

③連続施用を避け、IPMを取り入れる

「よく効くから続けて施用する」という使い方は、害虫の抵抗性発達を早め、薬剤の寿命を縮める大きな要因になります。特定の薬剤に依存しすぎず、耕種的防除や生物的防除などを組み合わせたIPMを予防の段階から実践することで、抵抗性リスクを低減し、新しい薬剤を長く有効に使い続けることができます。

総合防除の実践体系(農林水産省「総合防除実践ガイドライン」より引用)

新規の作用機作を持つ剤の開発はどんどん困難に

一方で、新しい作用機作を備えた農薬が開発される確率は年々低下しており、近年では数万分の1とも言われております。また、研究によって発見された新規化合物は、公的な効果試験、毒性試験によってその有効性、安全性を評価し、様々な公的機関、委員会等で審議されますが、その評価基準も年々厳しくなってきています。

化合物の発見から10年以上の年月をかけ、これらをすべて通過したものだけが農薬原体として登録され、製品として販売されるため、その存在は貴重です。

2026年3月に販売開始。新規作用機作を持つ『エフィコン®SL』とは

そんな中、2026年3月に、BASFより新規の作用機作を持つ殺虫剤『エフィコン®SL』が新たに販売開始となりました。
BASFが開発した新しい有効成分「アクサリオン®(一般名:ジンプロピリダズ)」を用いた本製品は、昆虫に特異的な弦音器官の新たな部位に作用する、IRACグループ36に分類される唯一の殺虫剤です。

エフィコン®SLは虫の聴覚、方向感覚、平衡感覚を司る弦音器官の機能を速やかに沈黙させます。これらの器官の機能が阻害されると、害虫はバランス感覚を失い摂食や歩行、飛翔といった行動ができなくなり、最終的に死に至ります。

弦音器官に働きかける

これまでも昆虫の弦音器官に作用する薬剤はありましたが、上記の作用機作はエフィコン®SL特有のもので、既存の薬剤に抵抗性を獲得した害虫に高い防除効果を発揮することがわかっています。

高い防除効果とウイルス媒介抑制効果を備えつつ、花粉媒介昆虫や天敵類との併用ができるエフィコン®SLは、環境に配慮した抵抗性管理の実現にも役立ちます。

既存の殺虫剤に抵抗性を示す個体にも高い効果

適用作物やもっと詳しい特長はこちら

まとめ

この記事では殺虫剤の作用機作の基本から、抵抗性管理のポイント、新規作用機作のメリットまで解説してきました。作用機作の違いを踏まえつつ、ローテーション散布や新規作用機作の殺虫剤の取り入れなどを通して、より効果的かつ持続可能な防除に取り組みましょう。

『エフィコン®SL』製品情報

有効成分: アクサリオン®(ジンプロピリダズ) 10.8%
登録番号: 第25005号
性状: 褐色~暗褐色澄明水溶性液体
毒性: 普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称)
危険物: 三石・Ⅲ・水溶性
有効年限: 3年
包装: 250ml×20本、500ml×20本(地域限定)

®=BASF社の登録商標

製品に関する詳細・お問い合わせはこちら

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