水に浮かべておくだけ!小松菜のリボベジの新しい育て方
前回は、プールスティックで、水道水に肥料を溶かした液肥(えきひ)の残量がひと目でわかる水量計を作る方法をご紹介しました。実はあのプールスティック、もうひとつ大活躍している使い道があるんです!その水量計の作り方は、記事や動画でもご紹介しています。
【100均材料2つでOK!】蓋を開けずに液肥の水位がわかる「謎の棒」が凄すぎた!
それが、小松菜のリボベジをプールスティックの輪っかで水に浮かべて育てる方法。浮き輪のようにぷかぷか浮かぶ姿から、私は「浮き輪栽培」と呼んでいます。
今回ご紹介するのは、2段構えの育て方です。まずは水道水に浮かべて根っこを出し、根が伸びたら、液肥を入れた容器へお引っ越し。お引っ越し先の容器の作り方は、3章でご紹介しますよ!

浮き輪栽培
1. 小松菜のリボベジを浮かべて育てる「浮き輪栽培」とは
リボベジ(リボーンベジタブル)とは、料理で使い終わった野菜の根元を水につけて、もう一度育てる楽しみ方のことです。
ただ、水につけておくだけの方法だと毎日の水替えが欠かせません。うっかり忘れると水が蒸発して枯れてしまうので、ズボラな私には続きませんでした…。
そこで考えたのが、プールスティックに挿して水に浮かべる方法です。浮かべて放っておくだけなので、「水を切らしたらどうしよう」という不安がなくなりました!
とはいえ、水道水もずっと同じままでは傷んできます。水を替える頻度は置き場所や容器の大きさ、水の量によって変わるので、様子を見ながら水を替えるのがおすすめです。
浮き輪栽培のやり方
小松菜は根元から5cmくらいのところでカットします。根元に近すぎるところで切ってしまうと、真ん中から新しい葉っぱが伸びてこないことがあるので、少しもったいないですが5cmは残してくださいね。

小松菜の根元を切る様子

カットした小松菜
プールスティックはカッターで2〜2.5cmくらいの輪切りにします。プールスティックの穴が、小松菜の茎の太さにちょうどいいんです!

プールスティックを輪切りにする

切った後のプールスティック
穴に小松菜の根元を差し込んで、水道水を入れた容器に浮かべたら準備完了です。

プールスティックの穴に小松菜の根元を入れる様子

プールスティックの穴に入れた(下から見た様子)

容器の中に水道水を入れた

水に小松菜を浮かべている様子
水の量は多めに入れておくのがおすすめです。水位が低いと水が切れて枯れてしまう心配がありますが、水の量を多くしておけば、その心配がなくなりますよ。
浮かべてから1〜2週間くらいで新しい葉っぱと根っこがぐんぐん伸びてきて、植え替えの目安になる根っこの長さが5cm以上に育ちますよ。

根っこが5cm以上伸びた様子
小松菜以外の野菜でもOK
実はこの浮き輪栽培、小松菜でなくてもOKです。プールスティックの穴に茎がフィットするなら、ねぎや葉物野菜など、いろいろな野菜でリボベジ・浮き輪栽培ができますよ。茎が細くて落ちてしまう場合は、隙間にスポンジを詰めると、穴にしっかりフィットして浮かせられます。

プールスティックの穴に隙間がある

プールスティックの穴の隙間にスポンジを詰める

プールスティックの穴にスポンジを詰めて、小松菜をフィットさせた様子
【超重要】根っこを出すまでは「明るい日陰」に置く
根っこを出すまでの間、浮かべた小松菜を直射日光の当たる場所に置くのは絶対にNG!です。
実は私、日当たりがいいほうが元気に育つだろうと思って、直射日光の当たる場所で育てたことがあります。ところが、待てど暮らせど根っこがまったく出てこなかったんです。
そこで明るい日陰に移してみたら、根っこがのびのびと出てきました!日が当たりすぎる場所では、なかなか発根(はっこん)しないことがわかった、私の失敗談です。
根っこを出すまでは、明るい日陰やレースカーテン越しに置くのがおすすめです。置き場所ひとつで結果が大きく変わるので、ぜひ気をつけてみてくださいね。

明るい日陰に設置
ただし、これは根っこを出すまでの話です。容器に植え替えた後は、葉っぱを大きく育てるために日当たりのいい場所に移してあげてくださいね。
【超重要】外側の茎は外しておく
小松菜の外側の茎を残したまま浮かべておくのは絶対にNG!です。
実は私、日当たりのよくない場所で浮かべたまましばらく放置してしまい、外側の茎がカビて、根っこが黒くなってしまったことがあります。外側の茎は傷みやすく、そこからカビが広がってしまうんです。
浮き輪栽培する前に外側の茎をなるべく外して、すっきりした状態で浮かべましょう。育てている途中でも、外側の茎がぬるぬるしてきたらそこだけ外して再設置すればOKです。こまめに茎の様子を見てあげてくださいね。

小松菜の外側の葉っぱを取り除く
これまでの容器が作れなくなった!
根が伸びた小松菜は、これまで100円ショップのスクエア収納BOX(大きいタイプ)に100円ショップの脱衣かごをはめた自作の容器へ植え替えていました。

100円ショップの脱衣カゴ

はんだこてで脱衣カゴに穴をあけた

脱衣カゴと容器を組み合わせた小松菜のリボベジ専用の容器

自作した小松菜のリボベジ専用の容器で栽培している様子
ただ、この容器は材料が手に入らなくなってしまったうえに、作るのにも手間がかかっていたんです。
かごにはんだこてで穴をあけ、液肥に光が当たると藻(も)が発生しやすくなるため、遮光(しゃこう)対策として、かごの内側にアルミホイルを貼ったり、容器とかごのすき間をすきまテープでふさいだりしていました。正直、この作業がズボラな私には面倒で…。そこで、今お店で買えるものだけで、誰でも簡単に作れる容器を考えて生まれたのが、3章でご紹介する超ズボラ容器です。
プールスティックで浮かべる方法にたどり着くまでの試行錯誤や、以前の容器での栽培の様子は、動画でもご紹介しています。
リボベジ小松菜を大量生産し続けた結果…どの方法が一番楽に栽培できる⁉︎
2. 用意するもの 主役は100均アイテム
主役になるのは、どれも100均で買える鳥よけネットとスクエア収納BOX、そしてプールスティックです。
・容器まわり:鳥よけネット(トゲトゲしたタイプ)1枚、スクエア収納BOX(小さいタイプ)、プールスティック、アルミホイル
・道具:ハサミ、竹串
・液肥まわり:水道水、微粉ハイポネックス、2Lのペットボトル、じょうろ(あれば)
特に鳥よけネットは、本当に神アイテムなんです!トゲトゲが土台にもストッパーにもなってくれるので、これから先の栽培でも何度も登場すると思います。

100円ショップの鳥除けネット

100円ショップのスクエア収納BOX

プールスティック
3. 重ねて刺すだけ!超ズボラ容器の作り方
鳥よけネットを2枚重ねて容器に敷く
まず、鳥よけネットをスクエア収納BOXの内側のサイズに合わせてハサミでカットします。

鳥よけネットを容器のサイズにカットする
カットしたネットを容器の中に重ねて置きます。このとき、1枚目は棘を下に、2枚目は棘を上にして重ねてください。上を向いた棘が、次の工程で大活躍してくれます。

棘のある方を下に設置

もう一つは棘のある方を上に設置。
アルミホイルをかぶせて光を遮断する

アルミホイル
次に、ネットの上からアルミホイルをかぶせます。1章でもお話ししたとおり、液肥に光が入ると藻が発生しやすくなるので、アルミホイルで光を遮りましょう。藻が増えると根に絡みついたり、液肥の栄養を横取りしたりして、野菜の元気がなくなる原因になります。
アルミホイルを手でやさしく押さえると、トゲトゲがアルミホイルに刺さってふわっと固定されます。

アルミホイルを棘に優しく刺す
ただし、強く押さえすぎるとアルミホイルが簡単に破れてしまいます。力を入れすぎないように注意してくださいね。
プールスティックを輪切りにして刺す
プールスティックを2.5cmくらいの厚さに輪切りにします。
輪切りにしたプールスティックを、アルミホイルの上から厚みの半分くらいを目安に棘にしっかり刺していきます。たったこれだけで、苗を差し込む台が完成です。とても簡単ですよね!

プールスティックを半分まで棘に刺す

プールスティックを半分まで棘に刺す②
【超重要】プールスティックの穴に棘を通さない
ここだけは注意してください。プールスティックの真ん中の穴に棘が入る位置で刺すのはやめておきましょう。
穴は小松菜を差し込む場所です。穴の中に棘が残っていると、茎も根っこも入らなくなってしまいます。
刺すときは棘が穴を避ける位置を探して、穴がすっきり空いている状態にしてくださいね。
竹串で穴を開ければ完成
最後に、プールスティックの穴の部分のアルミホイルに、竹串で穴を開けます。穴の大きさはプールスティックの穴と同じくらいが目安です。

竹串でアルミホイルに穴をあける
これで容器は完成です!蓋を作る手間も、アルミホイルを貼る手間もゼロ。作りながら「水耕栽培の神が降りてきた…!」と思わず声が出ました(笑)。

容器が完成
この容器の作り方は、動画でもご紹介しています。
蓋作り卒業します!ふと思いついた「新発想の容器」が画期的すぎた
4. 浮かべていた小松菜を容器に植え替える
なぜ容器に植え替えるの?
浮き輪栽培の間は、水道水だけで育てています。でも、水道水だけでは野菜は大きく育ちません。大きく育てたいなら、水耕栽培用の肥料を溶かした液肥で育てる必要があります。私は、とても使いやすい「微粉ハイポネックス」を使っています。
「それなら、液肥を入れた容器にそのまま浮かべて育てればいいのでは?」と思いますよね。私も最初はそうしたかったんです。
ところが、葉っぱが大きくなるにつれて上が重くなってバランスが悪くなり、ひっくり返ってしまうんです。
そこで、小松菜がしっかり固定されて倒れない方法を考えました。それが、容器の中の鳥よけネットの棘にプールスティックを刺して固定するやり方です。試してみたら小松菜がしっかり固定されて、いい感じに育ってくれました!
植え替えの目安は根っこが5cm以上
いよいよ、水面に浮かべて育てていた小松菜のリボベジを、この容器に定植(ていしょく)します。定植とは、苗を育てる場所に植え付けることです。
植え替えの目安は、小松菜の根っこが5cm以上伸びたころです。根っこが短いままだと、液肥に浸かる部分が少なくて栽培しづらくなってしまいます。5cm以上伸びていれば、液肥に浸かる根っこの面積が増えるので、ぐんぐん育ってくれますよ!
浮かべていたプールスティックから抜いて植え替える
植え替えるときは、浮かべていたプールスティックから小松菜をそっと抜き、容器の棘に刺してあるプールスティックの穴に差し込みます。

浮き輪栽培で育った小松菜のリボベジを容器に移す
「浮かべていたプールスティックごと、棘に刺せばもっと楽なのでは?」と思う方もいるかもしれません。私もそう考えたのですが、それだとプールスティックに棘の穴の跡がたくさんついてしまい、見た目があまりよくないんです。

浮き輪栽培で育った小松菜のリボベジを容器に移す②
なので私は、ひと手間かかりますが、毎回小松菜を抜いてから容器側のプールスティックに植え替えるようにしています。

浮き輪栽培で育った小松菜のリボベジを容器に移す③
アルミホイルを破かないコツ
アルミホイルに開けた穴に根っこを通し、容器側のプールスティックと茎をフィットさせていきます。

浮き輪栽培で育った小松菜のリボベジを容器に移す④
このとき、プールスティックを手で押さえながら小松菜の茎を入れていくのがコツです。プールスティックが動かないので、アルミホイルが破れずに済みますよ。
植えたばかりのときは、根っこの先が容器の真ん中あたりまでしか届いていなくても大丈夫です。根っこは伸びるにつれて下へ下へと進んでいくので、安心してくださいね。

容器の中の様子
液肥の濃さ
液肥は、2Lのペットボトルに微粉ハイポネックス2gを入れ、水道水で混ぜ合わせて作りました。

2リットルのペットボトルに水道水を入れる

微粉ハイポネックス

微粉ハイポネックスの粉を水道水に混ぜる
混ぜ合わせた後にEC(イーシー)メーターで測った数値は1366μS/cmでした。ECとは、液肥の中にどれくらい肥料が溶けているかを示す数値です。ECメーターがあると、濃さを数字で確かめられて安心ですよ。

ECメーターで液肥の濃度を測る
【超重要】液肥の水位は根っこの3/4まで
液肥をなみなみと入れて、根っこを全部つけてしまうのは絶対にNG!です。
実は、根っこも呼吸をしています。顔まで水に浸かっていたら苦しいですよね。根っこ全体が液肥に浸かると酸素を取り込みにくくなり、元気がなくなってしまいます。
液肥を入れるのは根っこの3/4くらいまで。上の1/4は空気に触れるようにしておきましょう。

根っこの4分の3くらいまで液肥を入れる
液肥を入れたらアルミホイルの縁を軽く押さえて完成です。設置場所は、日当たりのいい「南側の棚」にしました。

日当たりの良い南側の棚に設置
5. その後の管理はつぎ足すだけ
液肥のつぎ足し方
その後の管理は、液肥が減ったらつぎ足すだけです。
つぎ足すときは、アルミホイルの端を少しだけめくって、ペットボトルやじょうろから液肥を注ぎます。液面が根っこの3/4くらいまで来たらストップしてくださいね。

液肥を継ぎ足している様子
水が蒸発して液肥の濃度が高くなってきたな、と感じたときは、水を足して少し薄めることもありました。
液肥の全交換
つぎ足しだけでなく、ときどき液肥をまるごと入れ替えることも大切です。小松菜が順調に育っているなら、基本はつぎ足しだけで大丈夫です。ただ、野菜の調子が悪そうだったり、液肥が濁っていつもと違う感じがしたら、そのタイミングで液肥をリセット(まるごと入れ替え)してください。
入れ替える頻度は季節によっても変わります。寒い時期は液肥の水質が悪くなりにくいので、つぎ足しだけでも問題ありません。ただ、暑い時期は水質の変化が早くなるので、1〜2週間に1回を目安に液肥を完全にリセットするのがおすすめです。
入れ替えるときは、容器の角のアルミホイルを少し開けて、古い液肥を捨てます。

液肥を全替えしている様子
「傾けたら小松菜がポロッと取れちゃうかも…」と心配していたのですが、このころには根っこがだいぶ長くなっていて、少し傾けたくらいでは抜けませんでした!

液肥を全替えしている様子②
6. 定植から1ヶ月後の様子
浮き輪栽培の容器に植え替えてから1ヶ月後の様子がこちらです。最初のころよりも、ぐっと小松菜らしい姿になってきました!

定植してから1ヵ月後の様子
ここまで大きくなると倒れてくるかなと思っていたのですが、意外にもしっかり安定しています。プールスティックに2.5cmの厚みがあるので深さがあり、茎ともぴったりフィットしているおかげです。
7. まとめ 面倒な工程は全部省いて、今日から浮き輪栽培を始めよう
蓋を作る、アルミホイルを貼る、といった面倒な工程をまるごと省いたこの容器。ちゃんとした容器をじっくり作りたい方には向きませんが、「今すぐ手軽に始めたい!」という方にはぴったりです。
「植え替えでうまくいかなかったら…」と心配な方も大丈夫。材料はどれも100均アイテムなので、失敗しても気軽にやり直せます。小松菜の根元も、料理をするたびにまた手に入りますよ。私も茎をカビさせたり、直射日光で根っこが出なかったりしましたが、そのおかげで見つかった工夫ばかりです。失敗も楽しみのひとつですよ!
捨てるはずだった小松菜の根元が、南側の棚でまたぐんぐん伸びていく。毎朝その姿を眺めるだけで、ちょっとうれしい気持ちになります。100均アイテムだけで始める浮き輪栽培、ぜひ一度チャレンジしてみてください!

1ヵ月以降の栽培している様子

小松菜リボベジしてから初収穫(124g)

















