おいしいを超えた「好き」という関係性。 店主の好きが詰まった「こだわり商店」の取り組み。 – マイナビ農業

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おいしいを超えた「好き」という関係性。 店主の好きが詰まった「こだわり商店」の取り組み。

おいしいを超えた「好き」という関係性。 店主の好きが詰まった「こだわり商店」の取り組み。

2017年08月01日

早稲田大学近くの商店街の一角に店を構えるこだわり商店。その名の通り、店主安井浩和(やすいひろかず)さんが選ぶこだわりの一品ばかりが並んだお店です。生産者と消費者をつなぎ、コミュニケーションの中で商品価値を高めています。

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東京メトロの早稲田駅から徒歩約10分、早稲田大学近くの商店街の一角に店を構えるこだわり商店。その名の通り、店主安井浩和(やすいひろかず)さんが選ぶこだわりの一品ばかりが並んだお店です。生産者と消費者をつなぎ、コミュニケーションの中で商品価値を高めています。

従来のスーパーの形に感じた限界とC判定の定価売り

こだわり商店は、全国にある本当においしい食べ物だけを仕入れて販売しています。全て産地直送で、仕入れ始める前に生産者と必ず会うことに決めています。また、お客さんからの声は、できるだけ生産者に届けるようにしています。

こだわり商店を立ち上げたのは2007年のことです。それ以前は、この場所には父が経営するスーパーがありました。父は直営3店舗、テナント8店舗をようするチェーンを展開していました。僕も19歳の頃から父の店を手伝っていましたが、小売業の低迷に伴い、新しいことをしなければダメだという危機感を持っていました。その一方で、仕入れの時機械で発注を出したら次の日には商品が届いている無機質感が、あまり好きではありませんでした。

そこで、「C判定の商品を片っ端から仕入れて定価で売る」という取り組みを始めました。一般的に、スーパーが仕入れる商品は、企業やブランド知名度でランク付けされていて、店舗の大きさによって仕入れる商品のランクが変わります。例えば、100坪程度の店ではA判定の商品、名前がすぐに浮かぶようなブランドの商品がほとんどです。200坪くらいの店ではA判定の商品と比べて知名度が少し劣るようなブランドのB判定商品が並びます。500坪を超えるような大規模の店では、誰も知らないようなC判定の商品も並びます。

都内には、広いスーパーは少ないので、消費者がB判定やC判定の商品を買う機会はほとんどありません。僕はそこに目をつけ、C判定の商品を仕入れることにしました。当然、珍しい商品ならなんでも良いわけではありません。僕がおいしいと思った商品が判断基準です。

最初は定価で売れるか不安もありましたが、おいしいものなので、一度買うとほぼ必ずリピートされて、すぐに売り切れました。そこで、加工品を中心にC判定商品の定価売りに力を入れるようになりました。

産地直送品を丁寧に売ってみる

C判定の商品は一般的には売れていないので、すぐに生産停止になってしまうという悩みがあります。「熱狂的なファンの方がいるので生産を続けてください」とお願いしても、お客様の声はなかなか届きません。それでは、せっかくリピートしてくれていたお客さんも離れてしまいます。

売り方としては面白かったのですが、メーカーに依存するのはリスクが大きい。そこで、加工品ではなく、野菜や果物などの生鮮品を扱うことにしました。生鮮品は生産を突然やめるということはあまりないと考えたのです。また、加工品メーカーの担当者よりも生産者に消費者の声を直接届けやすいことにも魅力を感じました。それが、産地直送をやろうと思ったきっかけのひとつです。

もうひとつ、産地と直接繋がる価値を感じた印象的なできごとがあります。僕の父は全国を講演で飛び回るような人で、各地でお土産をもらっていたのですが、ある時、家に高級米が30キロほど送られてきました。家族では食べきれないので困っていると、父が「売ればいいじゃないか」と言いました。もらったものを売るなんてびっくりしましたが、「丁寧に売ればいいんだ」というアドバイスにしたがい、自分なりに丁寧な売り方を試してみることにしました。

父のいう「丁寧さ」を自分なりに解釈して、生産者に米づくりに対するこだわりや思いを聞き、試食してくれたお客さんに伝えました。すると、1日で全て売れてしまいました。普段から扱っていた米の何倍もする値段にもかかわらずです。味だけでなく、生産者の顔が見える形で販売することに大きな可能性を感じました。

そこで、父から店を継ぐ時にスーパーのチェーンはたたみ、産地直送で顔が見えるものだけを販売するこだわり商店を作りました。

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