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山ぶどうワインで震災復興!岩手県・野田村「涼海の丘ワイナリー」の軌跡

山ぶどうワインで震災復興!岩手県・野田村「涼海の丘ワイナリー」の軌跡

2017年08月01日

東日本大震災復興の新たな取り組みとして岩手県野田村で始まったのが、ワイナリー事業です。2017年には約7,300本が完売見込みという「山葡萄ワイン」。クラウドファンディングでの資金集めや、ワイナリー事業を始めてからの野田村の変化について、詳しくお聞きしました。

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山ぶどうワインで震災復興!岩手県・野田村「涼海の丘ワイナリー」の軌跡

東日本大震災で最大約18メートルもの津波に襲われ、村の1/3の住戸が損壊するなど甚大な被害を受けた岩手県・野田村(※1)。2016年4月、野田村の第三セクター(地方公共団体と民間が合同で出資・経営する企業)である「株式会社のだむら」が、山ぶどうワインを醸造する「涼海(すずみ)の丘ワイナリー」をオープン。特産品である山ぶどうの付加価値を高め、事業展開しようという試みがスタートしました。

「涼海の丘ワイナリー」の所長兼醸造責任者の坂下誠(さかしたまこと)さんにお話をうかがいながら、ワイナリーが立ち上がるまでの軌跡をたどります。

東日本大震災の打撃

──東日本大震災前の野田村はどんなところだったのですか。
坂下さん
 野田村は山と海に囲まれた自然豊かな村です。震災前はホタテの養殖やワカメ漁などの漁業、椎茸や寒締めホウレンソウを栽培する農業、養豚や養鶏など畜産業が盛んでした。しかし、津波により大打撃を受けました。

東日本大震災の打撃

国産ワインコンクールで2年連続受賞“山葡萄ワイン”が復興の希望に

──そんな中、復興に向けた新たな試みとしてワイナリー事業を立ち上げられました。なぜ、ワイナリーだったのでしょう。
坂下さん
 野田村の特産品である山ぶどうを使って何かできないかという話から始まりました。以前もジュースやジャム、かりんとうなどを作っており、震災復興に取り組む中で、山ぶどうを使った新しい商品を生み出そうという動きが出てきたのです。当初は山ぶどうを使った化粧品や入浴剤の開発を考えていました。

そんな時、野田村産の山ぶどうを使い、近隣の葛巻町(くずまきまち)のワイナリーで委託醸造したワインが国産ワインコンクールで二年連続銅賞を受賞しました。野田村産の山ぶどうで、高品質のワインが作れることが証明されたのです。

国産ワインコンクールで2年連続受賞“山葡萄ワイン”が復興の希望に

これがきっかけとなり、野田村で生産から醸造、販売まで一貫してやってみようという機運が一気に高まりました。野田村に新たな産業を作りたいという村長の信念と、復興をサポートしてくれた横浜市のNPO団体の後押しもあり、ソムリエの資格を持っていた私が所長に就任することになりました。私自身も、ソムリエから醸造家への転身ということで、大変な決断になりました。

2015年の村議会でワイナリー設立が決定すると、まずは山梨県と長野県のワイナリーへ視察に行き、開業するために必要なノウハウを教わることから始めました。西日本で唯一、山ぶどうワインを醸造している岡山県の「ひるぜんワイン有限会社」へ、約4カ月の研修に行き、醸造の知識を深めました。

その後、野田村に戻って建物の改修やタンクなど醸造器具の購入、醸造免許の取得などの準備に取り組み、2016年10月にようやく本格的な醸造をスタートさせました。最初のワインが完成し、販売できるようになったのは翌年、2017年4月1日のことです。

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