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「サカタのタネ」に聞く!2017年秋注目の種ランキングベスト7【栽培上級者向け】

「サカタのタネ」に聞く!2017年秋注目の種ランキングベスト7【栽培上級者向け】

2017年秋に注目の種は何があるでしょうか?農家の方や栽培上級者の方へ、種苗会社大手の株式会社サカタのタネがピックアップした、おすすめの種ベスト7を野菜、ハーブ、花のカテゴリごとに紹介します。

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9月から10月にかけては、秋の種まきシーズンです。種苗(しゅびょう)会社大手の株式会社サカタのタネに、2017年秋に農家の方や栽培上級者の方におすすめしたい種を教えていただきました。野菜、ハーブ、花の3つのカテゴリについて、それぞれのスペシャリストが選んだ注目の種ベスト7を紹介します。

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育てやすさと丈夫さがポイント!野菜の種ベスト7

作業性の良さや耐寒性、収穫性などに優れ、さらに味も良い品種をセレクト。季節外れの台風で倒伏したりすることのないように風よけを行ったり、手引きにそって寒さ対策をしたり、異常気象時のケアをしっかり行うことがポイントです。また、種まきの時期は適期を逃さないように注意しましょう。

7位:ダイコン「冬自慢」

天候に左右されない安定性が支持されている青首大根。ダイコンは成長し過ぎると内部に亀裂が入る現象「す入り」が起こりますが、この品種はす入りができづらいため、肉質の良いものを収穫できます。

6位:ハクサイ「冬月90」

肉厚で、耐寒性が高いのが特徴です。球内色は鮮やかな黄色なので、カットすると外側のグリーンとのコントラストが美しく映えます。甘みも乗りやすく、越冬後はさらに甘みが凝縮されます。

5位:ネギ「初夏扇(しょかおうぎ)」

ネギは花芽(ねぎ坊主)がつきはじめると身が固くなり、品質が悪化して出荷できなくなります。しかし、「初夏扇」は春から初夏にかけて花芽がつきづらく、高品質の青果を収穫できます。初夏はネギの供給量が減少します。「初夏扇」は、価格が高騰するこの時期に、安定した品質のネギを供給するために開発された品種です。また、同時期に収穫される他の一本ネギに比べて、葉色が濃く、見栄えが良いのも特長です。

4位:レタス「オーディブル」

1月下旬から2月中旬が収穫適期となっている厳寒期収穫用の品種です。低温での生育が旺盛で根も強く、干ばつや過湿条件下でも生育が安定しています。外葉もよく伸びる上、玉も大玉になるため、加工用としても最適です。

早まきや遅まきは、草勢(そうせい ※1)が強くなりすぎて、玉の形状が乱れてしまうことがあります。播種期(はしゅき ※2)には注意してください。

※1 草勢:株の勢いのこと
※2 播種期:種が水分を吸収して芽を出す準備をする時期のこと

3位:トマト「ハウスパルト」

単為結果性(※3)で着果が安定しているため、マルハナバチを使った受粉作業や、ホルモン処理をする手間が軽減できます。糖度が上がりやすく、旨味が凝縮していることも特長です。

※3 単為結果性:受精しなくても、子房が発達して果実ができる性質のこと。実った果実は通常、種はできません

2位:ホウレンソウ「クロノス」

写真提供:サカタのタネ

耐寒性に優れた品種で、暖地であれば無被覆(むひふく ※4)の露地越冬栽培で高品質のものが収穫できます。耐湿性も高く、湿害で黄色く変色するリスクが少ないのも特長です。また、茎や枝が直立して成長する立性(たちせい)のため、収穫の効率もスムーズ。収穫量が多く育てやすい品種のため、初心者の方から栽培上級者の方まで幅広く人気があります。

(※4)無被覆:物の表面が他の物でかぶせ包まれていないこと

1位:ブロッコリー「おはよう」

写真提供:サカタのタネ

育てやすく、収穫期が長い品種です。植物に含まれる色素群、アントシアンが出にくいので、変色の心配もなく、茎の空洞症も少ないのが特長です。寒くてもよく育つため、時期をずらして栽培することで、長期的に収穫することができます。

依然続くパクチー人気!ハーブの種ベスト7

最近、飲食店での人気が高いハーブを選んでもらいました。周年栽培すれば、飲食店や直売所の需要に応えることもできます。こちらも、野菜同様、異常気象対策は抜かりなく行うことが大切です。

7位:イタリアンパセリ

栄養価が高く、強い香りと苦みがあり、洋風料理の風味づけに利用されるハーブ。一般的なパセリとは異なり、葉の縮みがほとんどありません。根が深く伸びるので、有機質に富んだ土で育てます。日当りを好みますが、高温と乾燥の環境では葉が黄変しやすく、生育が悪くなるので注意しましょう。

6位:ディル

暑さにも寒さにも強いハーブ。ピクルスや魚料理などのつけ合わせに使われます。種まきシーズンは春と秋ですが、花が咲くまで時間が長い秋まきの方が大きな株ができます。

5位:ルッコラ

サラダやピザでおなじみのハーブです。一年を通して種まきをすることができますが、暑さに弱いので秋が最も種まきに適した季節です。時期をずらしてまいていけば、長く収穫することができます。なお、ルッコラは乾燥すると生育が止まり、葉が固くなる特性があります。乾燥に注意して、こまめに水をあげましょう。

4位:バジル

定番人気で需要の高いハーブです。耐寒性も強く、日陰でも育つなど栽培しやすいのが魅力です。一年中栽培できますが、短日植物(※5)なので、日照時間が短くなる夏至以降に花芽がつきやすくなります。秋以降も花芽がつきやすい状況が続きますので、こまめに花を摘みましょう。

※5 短日植物:日の当たる時間(日長)が、ある一定時間を下回ると花を咲かせる植物のこと

3位:クレソン

年中収穫ができて、家庭での利用も多いハーブです。特有の香りと辛みが特徴的で、肉料理や魚料理のつけ合わせとして広く使われているほか、サラダ、天ぷら、塩漬けなどにも使われています。鉄分を多く含み、消化を助ける働きがあります。

水不足や日照不足、温度不足になると、花芽がついたり、生長が不十分になることがあるので要注意。花芽がつくと、葉部分は固くなり食味が下がってしまいます。また、日照不足や水のやり過ぎ、葉の込みすぎなどで、苗が細くなってしまう可能性もあります。

2位:パクチー

写真提供:サカタのタネ

大人気で需要が見込めるパクチー。土さえしっかりしていれば、病気や虫の心配はほとんどありません。夏に栽培するイメージが強いハーブですが花が出にくい秋まきがおすすめです。植える前に種を割り、数時間水につけると発芽がそろいます。種を割る時は、平らなところに並べて、棒などで軽くつつくと良いでしょう。

1位:大葉

写真提供:サカタのタネ

古くから日本に伝わり、広く利用されているハーブです。葉は刺身のつま、天ぷら、そうめんや冷やっこの薬味に、穂は天ぷらや添え物に、実は佃煮などと幅広く活用されます。

栽培時は、株間を広くとって日当たりと通風をよくしましょう。病気にかかりづらい品種ですが、大葉につきやすい害虫ベニフキノメイガは葉を全部食べてしまうので、見つけしだい捕殺してください。

代表的な短日植物のため、夏至以降は花穂が伸びてきます。花がつくと株が弱るため、花芽は摘みましょう。

明るくて使い勝手の良いイエローが人気!花の種ベスト7

人気の高い花と色をセレクトしてみました。明るくてコーディネート時に使いやすい黄色や、冠婚葬祭に使える白の需要が高まっています。

7位:ビオラ「ピエナ イエロー」

従来品種に比べ、開花が早い品種です。徒長(とちょう ※6)が抑えられるので、花上がりがよくコンパクトな仕上がりになります。

※6 徒長:窒素過多や日光不足などで茎などが通常よりも長く伸びること

6位:トルコギキョウ「レイナ ホワイト」

冠婚葬祭でよく使われる花です。大きな花弁が、絢爛な雰囲気を醸し出します。

5位:ジニア「プロフュージョン イエロー」

病気に強く、乾燥や暑さにも耐性がある丈夫な品種です。開花の期間が長く退色もしにくいので、美しい花色を長く楽しむことができます。

4位:パンジー「よく咲くスミレ パイナップル」

真ん中にヒゲ(黒色の模様)が入っていないタイプ。寄せ植えの仕上がりをより美しくしたい方に好まれます。あまり徒長をせず、小ぶりに咲きます。

3位:ヒマワリ「ビンセント オレンジ」

目を引く鮮やかなオレンジ色が印象的なヒマワリです。ビンセントシリーズは上を向いて咲くのが特徴で、アレンジがしやすく「丸くて可愛い」と評判の品種です。

2位:トルコギキョウ「ボヤージュ ホワイト」

写真提供:サカタのタネ

定番商品の一つとして、親しまれている品種です。ボリュームのある可愛らしいフリル状の花弁が豪華な雰囲気を演出します。近年は結婚式での需要が増えています。

1位:パンジー「パシオシリーズ イエローブロッチ」

写真提供:サカタのタネ

「パンジーといえばこれ!」という、スタンダードな品種です。開花が長く続くのが特長です。

野菜は育てやすい品種、花やハーブは市場ニーズの高い品種がランクインしました。2017年秋は、どんな種をまきましょうか?

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サカタのタネ

住所:神奈川県横浜市都筑区仲町台2-7-1
電話:045-949-8137(お客様園芸相談窓口/平日 9:00 ~ 17:00)
http://www.sakataseed.co.jp

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