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生産者の試み

地方と都市を野菜でつなぐ。アグリベンチャーの挑戦

地方と都市を野菜でつなぐ。アグリベンチャーの挑戦

最終更新日:2018年03月28日

27歳で起業し、中目黒の1号店を皮切りに都心に9店舗の「旬八(しゅんぱち)青果店」を運営する株式会社アグリゲート代表の左今さん。自社農場も展開しながら、都市と農家をつなぐ八百屋を目指し、おいしい野菜を適正価格で消費者に届けることに日々努めています。農業ビジネスで成長を続ける、左今さんの極意とは何なのでしょうか。

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生産者と左今さん(右)

三田、大崎、赤坂など、都心に9店舗を展開するレトロな八百屋「旬八(しゅんぱち)青果店」。運営元の株式会社アグリゲートは、「地方で作るおいしい野菜を都市部に適正な価格で届ける」ことをコンセプトに業績を伸ばしています。その秘密は、生産者・販売者・消費者の三者ともに利益を得ることができる仕組みにあるようです。株式会社アグリゲート代表の左今克憲(さこんよしのり)さんに農業ビジネスで成長を続ける極意をお聞きしました。

関連記事:鮮度抜群!適正な価格で野菜が都心で買える話題の八百屋「旬八青果店」

起業のきっかけは、日本縦断の旅で気づいた「地域活性化」が原点

左今さんは、東京農工大学農学部の学生時代、バイクで日本縦断の旅に出ました。そこで地方の農家と知り合い、一次産業が地域に及ぼす影響を知りました。

「農家からいろいろな話を聞く中で、地域経済の基盤は農業や漁業だと痛感しました。農業が盛んだと、それを活かして加工品を作る二次産業が発展し、携わる方たちが買い物や飲食などをする三次産業も潤っていく。反対に一次産業の人口が減るということは、地域全体が衰退するということがわかってきました」

地域全体を活性化させるためには、まず農業を盛り上げなければならない。しかし農家は高齢化が進んでおり、若い人がまったくいない。農業なら自分たちでゼロから取り組めると思い、左今さんは起業を考えます。

「農業の話を聞きたくて、農学部の教授や農業の現場に何度も足を運びました。しかし、断片的な話しか聞けず農業全体を把握しきれない。そんな状態で起業するのはリスクが高いと思い、一度人材派遣会社に就職して営業などを担当しました。サラリーマンとしてがむしゃらに働く経験もしてみたかったし、どこの業界にどんな人材が流れていくのかを見たかったのです」

人材派遣会社の目線で農業を見ると、稼ぎがよくないという理由で就農が敬遠されていることがわかったといいます。

「若い世代が就農から遠ざかると、高齢化が進み農業人口は減少していきます。しかし、業績のいい農業法人も少なからずあって、その仕組みについて考えるようになりました。でも、外側から農業を眺めてもわかることは少ない。それならばもう起業しようと思ったのです。それが平成21年、27歳のときです」

起業の始まりは生産者と販売者をつなぐ営業代行業からスタート

左今さんが起業して最初に始めた仕事は、農業生産法人の営業代行でした。
「前職の経験を活かし、資料を作って農作物の販売先に営業や商談に行きました。この農業生産法人が行っていたのは営業だけではなく、米や野菜の生産から加工・販売まで。田植えや稲刈りを含め、農業のプロセスを一通り経験できたこともありがたかったです。そこから他の農家との付き合いも始まり、営業代行の仕事が増えていったのです」

営業代行の仕事は、各農家の主力作物を知り、どこで販売すれば売れるのか戦略を立てることから始まります。営業先はデパートや飲食店などで、そこでの反応を農家にフィードバックし、改善を促すことを繰り返します。

「営業先から『これはうちでは売れない』と言われた農作物を見て、『なんでダメなのだろう、絶対に売れるのに』と思うこともしばしばありました。農家に営業先の意見をフィードバックしても『それは対応できない』と言われ、『なぜできないのだろう』と疑問に思ったり」

そんなことが重なり、左今さんは「それならば生産も販売も自分でやって、やればできることを周りに見せたほうが早い」と考えるようになったといいます。

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