野菜を見極めるのがポイント!時短でも美味しい野菜料理に
今回レシピを教えてくれたのは、「旬八キッチン」でメニュー開発などに携わる櫻田玲(さくらだ・れい)さん。野菜料理を作るコツとは?
「野菜そのものが美味しければ、たくさんの調味料や凝った調理方法はいりません。旬八キッチンで提供するお弁当やお惣菜は入荷した野菜次第でメニューを考案しています。無添加調理なので毎日16時が賞味期限。ゴロゴロと大ぶりのカットにしたり、歯ごたえや色彩を大切にしたり、旬の野菜本来の美味しさを引き出すのが美味しさの秘訣です」(櫻田玲さん)。
やはり野菜料理に欠かせないのは、素材の美味しさ。どんなポイントで選んだら良いのでしょうか。今回のレシピで登場する夏野菜「ゴーヤ」「ナス」「キュウリ」について、教えていただきました。
夏野菜の選び方・保存法
ゴーヤ
・選び方
イボが取れていないものがおすすめです。イボが大きいほど苦味が少なく、色が濃いほど苦味が強いと言われています。沖縄県産ゴーヤは厚みがしっかりしているので、炒め物によく合います。本州で栽培されているゴーヤは果肉部分が薄く、炒め物のほかサラダにもおすすめですよ。
・保存方法
乾燥しないようにビニールやラップで包み、野菜室で保存しましょう。温度変化に弱いので、冷蔵と常温を行き来させすぎさせすぎないことないことをおすすめします。
・豆知識
苦味を取るには、中の白いワタの部分をしっかり取り、塩でもんで水でさらしましょう。
ナス
・選び方
ヘタが綺麗で表面にハリがあるものを選びましょう。
・保存方法
暑い環境で育っているので、本来の味を保つには常温が望ましいですが、夏場は室温が30度を超えてしまうことも多いため、品質を保つには冷蔵庫の野菜室で保管するのがベターです。ただし、10度以下で皮がやわらかくなったり褐色になったりするので低温には注意が必要。また、乾燥も大敵です。冷えすぎと乾燥によってしなびてしまうのを防ぐため、冷蔵庫に入れる場合は、紙袋や新聞紙で包みましょう。
・豆知識
種類が多く、関東では千両ナス、九州は長ナスなど、地域によって主流の品種が異なります。熊本のヒゴムラサキ(アカナス)、加賀野菜のひとつで、金沢では加賀ナスと呼ばれているヘタ紫ナス、大阪の泉州水ナスなど、全国各地に伝統野菜のナスがあるのも特徴です。
キュウリ
・選び方
頭がしっかりしているものほど鮮度がいいと言われています。触ったときに柔らかくなく、ハリがあるものを選びましょう。曲がっていても味に問題はありません。
・保存方法
乾燥しないようにビニールや紙などの袋に入れて野菜室に入れましょう。密閉はしなくてOKです。
・豆知識
現在はブルームレスキュウリが主流ですが、昔はブルームキュウリという表面に白い粉が付いているキュウリが主流でした。
ブルームキュウリは、表面にある白い粉で身を守っているのが特徴です。トゲがあり、サクサク、パリパリとした食感。漬物などにおすすめです。
ブルームレスキュウリは粉がない代わりに乾燥を防ぐために皮を固くして身を守っています。えぐみが少なく、みずみずしいのが特徴で、青臭さが少ないためサラダなどにおすすめです。
おいしくて簡単、夏野菜レシピ
約10分で完成!ゴーヤのきんぴら
ゴーヤを手軽に食べられる簡単レシピです。炒め時間は苦味とはあまり関係がありません。シャキシャキとした食感が好きなら短め、しんなりとした食感が好きなら長めに炒めましょう。
材料 ※2~3人分
・ゴーヤ 1本(約300グラム)
・醤油 大さじ1
・削り節パック 1袋(2.5グラム)
・ごま油 大さじ1/2
<作り方>
1. ゴーヤは縦半分にカットしてわたを取り除き、スライスします。
2. フライパンにごま油を広げ、1を炒めます。
3.2~3分炒めたら醤油を加えてさっと炒め、削り節を加えたら火を止めます。
切って炒めて出来上がり!ピリ辛麻婆ナス
豆板醤と粉山椒の辛さが、食欲を刺激します。ごはんにたっぷりとかけていただきたいひと品です。フライパンまたは鍋ひとつで作れます。
材料 ※3~4人分
・豚ひき肉 200グラム
・酒 大さじ1
・ナス 3~4本 厚さ1センチの半月切り
・エリンギ 1パック(約100グラム) 短冊切り
・ニラ 1束(約100グラム) 3センチ程度にざく切り
・ビーマン 2個 乱切り
・ニンニク 少々 みじん切り
・生姜 少々 みじん切り
・ごま油 大さじ1
・豆板醤 大さじ1弱
・粉山椒 少々(好みで)
A
・甜面醤 大さじ2弱
・オイスターソース 大さじ1弱
・みりん 大さじ1.5
・醤油 大さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
<作り方>
1. 食材をカットします。
2. 鍋にごま油を広げ、ニンニク、生姜、豆板醤を炒めます。
3. 香りが出てきたら、同じ鍋で豚ひき肉に酒をふりかけて炒めます。
4. 鍋にナスとエリンギを入れ、全体に油がまわったら、ニラ、ピーマンを加えて炒めます。
5. Aを加えて炒めます。
6. 最後に粉山椒を加えて味を調えます。
キュウリの中華風浅漬け
涼し気な冷菜として、夏場に冷蔵庫で余りそうなキュウリがあるときにもってこいの料理です。この調理法は、他の浅漬けを作るときにも使えます。セロリで作っても美味しいですよ。
材料 ※2~4人分
・キュウリ 2本(約200グラム)
・塩 小さじ1
A
・生姜 20グラム 千切り
・砂糖 小さじ2
・酢 小さじ2
・醤油 小さじ2
・ごま油 小さじ2
<作り方>
1. キュウリは乱切りにして塩もみし、約30分置きます。
2. Aを混ぜて調味液を作り、1のキュウリの水気を切って、すべてビニール袋に入れます。
3. ビニール袋の空気を抜き、ギュッと絞め、3時間程度冷蔵庫で漬け込みます。
都心でも美味しい野菜が手に入る青果店
野菜料理の要となるのは、美味しい野菜を手に入れることです。今回レシピを教えてくれた「旬八キッチン虎ノ門(雲仙市コラボ店)」をご紹介します。
「都市の不本意な食生活を送るすべての人に、豊かな食生活を」をミッションにスタートした都心にある青果店「旬八青果店」。自社農場などから届く野菜は味が濃く、新鮮。特徴や調理法を手書きのポップで丁寧に解説してくれているので、野菜を選ぶのが楽しくなります。そんな八百屋の「旬八青果店」がはじめたお惣菜とお弁当のお店が「旬八キッチン」です。虎ノ門店には店内にカウンター席もあり、イートインするスペースも。水を一切使わず野菜と果物100%で作るスムージー「旬ムージー」や1日に必要だと言われる野菜約1/2の量が摂れる「サラダボウル」、「日替わりスープ」なども人気です。
オフィス街にあるからこそ、ビジネスマンたちが昼休みに野菜たっぷりのお弁当やお惣菜を食べたり、仕事の帰りに野菜を買ったり、という光景がここでは日常茶飯事。忙しく働く人々の暮らしのサイクルに、美味しい野菜を取り入れる手助けをしてくれています。
今回ご紹介した旬八キッチンのレシピは手軽に作れるものばかりです。この夏もっと旬の野菜を食べたいという方は、ぜひご自宅で作ってみてください。